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タグ : maitake(臨床心理士) , 精神科医監修ライフハック心理学
2022年8月12日
目次
毎日のルーティーンの中に、コーヒーブレイクが入っている方も多いのではないでしょうか。暑いので、ちょっとコンビニでアイスコーヒーを買う、なんていうのもいい季節ですね。人によっては生活に欠かせないコーヒーですが、飲むことのメリットデメリットについては色々な説がありますよね。結局のところ…精神的な健康には良いのでしょうか、悪いのでしょうか?
結論から申し上げると、どっちもある!です。
何事に対してもいえることですが、適量を自分の意思で調整できるのであれば、良い影響が上回るでしょう。しかし、コーヒーに含まれるカフェインによって「自分の意思で」が難しくなることもしばしばです。なぜでしょう?解説します!
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カフェインの作用機序と効果 |
農林水産省によれば、カフェインは神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ており、アデノシンが本来結合する場所(アデノシン受容体)にとりついてアデノシンの働きを阻害することにより神経を興奮させます。
【画像引用】:【精神科医監修】眠れない原因は考えない!【不眠症の医学】
神経が興奮する、つまり、目がさえて意識がはっきりする状態になります。眠い時に味方になってくれるこの効果を求めて、多くの方がコーヒーを飲みます。さらに、より強い効果を期待してカフェインたっぷりのエナジードリンクを飲みます。
「どうしても時間内に仕事を終えなくてはならない…!」という深刻な状態で一時的に利用する分には、気分の面でも強い味方と言えるでしょう。飲んだ後は、元気が出た!と感じるかもしれませんが、これ、本当の元気とは少し違います。
カフェインを取った後は興奮しているのです。つまり、疲れがとれて元気なのではなく、最後の力を振り絞って、疲れる方向に向かっています。本当に元気を出すためには疲労を取る必要がありますが、そういう意味では逆のことをしています。そのため、「常に」この手段を取るのはお勧めしません。
しかし、この「興奮させる」は言い換えると、集中力が上がったり記憶力によい影響を及ぼしたりするとも言えます。締め切りを先延ばして不安でたまらない、よりも、カフェインで一瞬の元気を出すことで課題を終わらせることができるのならば、カフェインの良い効果を引き出せたといえるでしょう。
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カフェインの副作用【依存性】 |
依存、と聞くと、怖そうに聞こえますが、カフェインにも立派に依存を生み出す可能性があります。依存とは、ものや、ある行動を繰り返すのがやめられなくなることです。
やめられない理由としては「これをしていないと安心できない」といった気持ちの面での依存と「これをやめると、体がおかしくなる」のような身体面での依存があります。カフェインの場合は、身体面での依存が起こります。多くの場合、飲むのをやめると数日の間はひどい頭痛がしたり、強い眠気があったり…。そしてその症状から逃れたくて、また飲みたいと感じる方もいらっしゃいます。
ちなみに…そんなカフェインは、世界の歴史も動かしています。その立役者は、コーヒーではありませんでした、何だったのでしょうか?
答えは、お茶です。
皆さんご存じのように、お茶にもカフェインは含まれています。このお茶(=カフェイン)への「なんとか手にしたい」という想いが巡り巡って、アメリカ独立戦争(ボストン茶会事件)や、アヘン戦争(政治のうえで、お茶が必要だったことも原因のひとつ)に発展しています。
お茶・紅茶を飲むことでスッキリと目が覚めることから、昔の人々も魅力を感じていたんですね(そして、もしかすると、ここには依存性も関係があったかもしれませんね…)。カフェインの威力の大きさを感じざるを得ません。
カフェインの副作用【睡眠への影響】 |
コーヒーを飲むと夜眠れない、と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。これは、冒頭から繰り返しているカフェインの「目覚める」効果と同じことを指していますね。しかし、「目覚める」は言い換えると「寝ていない」、つまり「眠らない」でもあります。
寝てはいけないときに役立ったこの効果で、本当に寝たい時にも眠れなくなってしまうと……。また、カフェインを摂ることで、睡眠の質も悪くなってしまうといわれています。つまり、飲むことで昼間眠くなり、起きるために飲んだことが夜間の睡眠の質を下げてしまう…。こうなると、カフェインを摂ったから調子が悪いのか、調子が悪いからカフェインを摂ったのか、分からくなってきますね。
関連項目:【精神科医監修】眠れない原因は考えない!【不眠症の医学】
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— 株式会社サポートメンタルヘルス (@co_sapomen) January 22, 2022
カフェインとメンタル【パニック障害との関連】 |
冒頭で、「カフェインがアデノシン受容体を阻害し、神経が興奮する」と書きました。何が起きて、神経が興奮しているのでしょうか?
実は、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンが活発になっています。このノルアドレナリンは、注意集中を高める等の役割があります。それと同時に、不安・恐怖感にも関係が深い神経伝達物質なのです。
ということは?
『神経が興奮=ノルアドレナリンが活発化=不安や恐怖感を感じやすい』
状態だということです。
【画像引用】:散歩でメンタルケア!ストレス発散効果は?
そのせいで、「パニック障害」とは深い関係にあるといえるのです。電車内などでドキドキして不安になったり、呼吸が乱れたり、死んでしまうのではないかと不安に襲われる「パニック発作」。カフェインを摂ることで、その状況を引き起こしやすくなる、または、似たような状態を起こすのです。
関連項目:【ぞわぞわ…】精神科医監修パニック障害対策ブログ【そわそわ…】
お疲れ様です!
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今回は #パニック障害 についてまとめました!#パニック発作 の対処法、パニック障害の治療法などなどご参照ください。#メンタルヘルス#ブログ更新 #企業公式がお疲れ様を言い合う https://t.co/57nNuFKKkh— 株式会社サポートメンタルヘルス (@co_sapomen) June 24, 2022
カフェインとアレルギー |
また、意外に思われるかもしれませんが、コーヒーがアレルギーを引き起こすこともあります。多くの方がイメージされるアレルギーの症状は、特定のものを食べると途端に体に症状が出てくる…といったものでしょう。
しかし、コーヒーの場合は、時間をかけて症状が出てきます(このパターンを、遅延型アレルギーというそうです)。そして、多くの場合は激しく不調が出てくるというよりも、弱く、じわじわ不調になります。
つまり、コーヒーを飲んで少し時間が経ってから「なんとなくドキドキする…」「気持ち悪い気がする…」「少し息苦しい…?」となります。パニック発作が起きたことのある方は、体の状態を敏感に察知し、脳が反応しやすくなっています。
そのため、アレルギー症状を「パニックが起きた!?」と捉え不安になり、発作を起こしてしまうこともありえるのです。また、発作は疲れている時にも起きやすいため、カフェインを摂りすぎて睡眠不足の時や、疲れている時にコーヒーで最後の力を出した後、のような場合にも発作は起きやすくなります。
カフェインのライフハック!上手く付き合おう |
そうはいっても、悪いことばかりではないはずのカフェイン。これだけの魅力があるわけですから、良いこともたくさんあります。自分で適量をコントロールして、良い効果を上回らせましょう!そのためには、量・時間・飲み方が重要です。
カフェインを取り入れられる量には、お酒のように個人差があります。一般的には1日の目安は400mgだそうで、これはマグカップ約2杯強です。あくまでも目安で、「これ以上飲むと眠れない」「気分が悪くなってきた」と感じた量であれば、ご自身の飲める量を超えていますので、体調を観察してみましょう。
【参考】
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~(厚生労働省)
次に、飲む時間が重要です。夜寝る前にカフェインを取ると、人によっては眠れなくなります。もちろん、これにも個人差があるため一概に不眠になるとはいえませんが、カフェインに強いという方であっても熟睡するためにはおすすめできません。
最後に、飲み方です。コーヒーは「コーヒーブレイク」という言葉の通り、飲むことでストレスを和らげる効果もあります。この効果を最大限に高めるには、『適量の』コーヒーを『味わう』ことです。仕事などに取り組みながら、片手間にコーヒーを飲んでいると、つい何杯も…と適量を簡単に超えてしまいます。
また、休まず頑張り続けると「ブレイク」にはなりません。目の前のコーヒーに集中することは、マインドフルネスの効果(リフレッシュや、気持ちが落ち着くなど…)も期待できます。飲むときは作業の手を止めて、一杯のコーヒーを楽しんでくださいね。
【精神科医監修】マインドフルネスシリーズ 【番外編】マインドフルネス体験談 |
【解説】 maitake(臨床心理士) 脳の覚醒水準が不均一であると考えられているADHD。脳を覚醒させようとする無意識の働きにでカフェイン摂取にはまる方もいらっしゃるんだとか。
【監修】 本山真(精神科医師) 精神保健指定医、日本医師会認定産業医、医療法人ラック理事長 株式会社サポートメンタルヘルス代表 |