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【精神科医監修】認知の歪み?10パターンの考え方の癖を解説!

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2022年1月8日

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最終更新日 2022年1月8日

認知の歪みと呼ばれる10パターンの考え方の癖を精神科医監修で解説します!

「認知の歪み」という言葉をご存じでしょうか?

 

『認知』とは、心理学の世界では「ものごとの捉え方」をくくってこのように表現します。ものごとの捉え方である認知が歪んでいる、とは一体どういうことでしょう?

 

言葉だけ見ると、なんとなく悪いことのような印象を受けそうですね。

 

体の歪みを整えるとか、窓枠が歪んでいたから修理するとか『直す/治すべきもの』というイメージが先行しませんか?

 

自分の考え方は健康ではない。改善すべき/矯正すべき!

そんな風に指摘されていると感じたら、受け入れ難いのは当然です。

 

認知の歪み自体は非常に有益な考え方ですから、先行するイメージで食わず嫌いになってしまうのは勿体ない!『(辛くなりやすい)考え方の癖』と言い換えてみましょう。

 

こちらのブログでは、認知療法や認知行動療法の文脈で使用されることの多い『認知の歪み』を『考え方の癖』として定義したうえで、できる限りわかりやすく解説します。

 

 

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編集こぼれ話

 

ちなみに認知の歪みとはCognitive distortionという英語の日本語訳です。Cognitiveは認知、Distortionは歪み、ですからほぼ直訳ですね。

 

『認知の歪み』は、主に認知療法/認知行動療法における専門用語として定着したため、2000年代頃の本を見ると、基本的には『認知の歪み』という日本語訳が使われています。

 

前段の通り、『歪み』はネガティブなイメージが伴いやすいうえ、『歪んでいるなら正しましょう』と捉えられがちです。人生の様々なイベントを通じて(人生をsurviveした結果として)備わった考え方を『歪んでいるから正しましょう』というのは、あまりにも…と感じてしまいます。

 

そこで、近年のトレンドとして『認知の歪み』を『考え方の癖』と表現するようになってきているわけです。

 

ここからはまったくのこぼれ話ですが、エレキギターと聞いてイメージする音をディストーション(Distortion)と呼びます(ギャオンギャオンで通じますか?笑)。

 

インターネットやYouTubeなど世の中に存在していなかった、ニッチな情報は雑誌から得ていた時代。海外のギタリストが『あの歪みはディストーションというエフェクターで作っている』とインタビューで答えているわけです。

 

『なるほど、あの音は『ゆがみ』と表現するのか』と翌日訳知り顔で、『あのバンドのゆがみはエフェクターで作っている』、『あのフレーズのゆがみは一味違う』と吹聴していたわけですが、音楽オタクの同級生から、『あれひずみって言うんだけど』と突っ込まれ非常に恥ずかしい思いをしました笑

 

 

認知の歪みは『ひずみ』ではなく、『ゆがみ』と読みます。バンド好きな皆さんお気をつけください。

※というわけで、今回のブログトップ画像はこちらのエピソードより閃きました

 

認知の歪みとは『考え方の癖』です

専門用語である認知の歪み。近年は『考え方の癖』と考えるのがトレンドですが、具体的にどんなものを指すのでしょうか。

 

例えば…

「何でもかんでも自分のせい」いう考え方の癖。責任感の強さにつながる考え方と言えますが、辛いと感じるタイミングが増えそうな考え方でもあります。

 

他にも…

些細な失敗に対してこの世の終わりのように悲しんでいたら常に100%完璧でないといけない、しかし現実は上手くいかない…。常に完璧な人間はなかなかいませんから、かなりの頻度でつらいと感じそうです。

 

具体例で考えてみましょう!

例えば、親しい相手からLINEの返事が返ってこない時、とっさにどんな考えが浮かんでくるでしょうか?

(よければ皆さんも考えてみてください)

 

 

Aさんは「忙しいのかな、気長に待とう。」

Bさんは「自分の送ったメッセージが悪かったから、返事がないのかな。」

Cさんは「返事がないということは嫌われているということ!自分はみんなから嫌われている!」

と思うかもしれません。

 

同じことが降りかかってきても、考え方は人それぞれです(ちなみに、これを自動思考といいます)。

そして、それぞれみんな自分の考え方の癖を元に、いろんなことを判断しています。

 

さて、具体例を見て、どのように思われましたか?

 

特にCさんについては極端な例だったので「いや、そんな過激な考え方にはならないでしょ」「客観的に見ると、そうではないと思うんだけどな…」と考えますよね?しかし、Cさん本人にとっては真剣に考えていることなのです。

 

皆さんがこの例で思いついた内容も、少なくともあなたにとっては真剣な回答だったと思います。

 

10パターンの考え方の癖をチェック!

考え方とは、客観的に起きていることと主観的に思っていることの違い。つまり、現実と理解との間に差が開いているから辛くなっているのかも?そんな考え方の癖は分析できるかも!

 

そんなコンセプトに基づき、先行研究を踏まえたうえでデビッド・d・バーンズ先生が分析したのが10項目の認知の歪みです。

 

チェックリスト的に使ってみてください。

 

  1. 全か無か思考「すべては〇か✕である」
  2. 過度な一般化「一度失敗したから、この先も一生失敗する」
  3. マイナス化思考「褒められたら裏がある、勝ったのは運が良かっただけ」
  4. 結論への飛躍「注意された、嫌われているんだ。根拠は自分がそう思ったから!」
  5. レッテル貼り「あの人は怖い人だから良いところなんて一つもない」
  6. 過大評価と過少評価「うまくできたのはたまたま、失敗したのは自己責任」
  7. 感情的決めつけ「ネガティブになったら全部ネガティブにしか解釈できない」
  8. べき思考「すべきことなので、なんでも我慢する。」
  9. 個人化「悪いことが起きたら、全部自分のせい。」
  10. こころのフィルター「悪いことばかり記憶に残る」

 

無くて七癖と言いますが、皆さんにも当てはまる部分はありますか?

 

どんな人でもこういった思いをもつことはありますし、言ってしまえばどれも当てはまらない方の方が少ないでしょう。極端に言えば『考え方の癖』のいずれかは誰にでもあるものだと言えます。

 

普段はそうでもないけど、気分が落ち込んでいるとこのループにはまる…という方もいらっしゃいます。

 

これを見て、「当てはまるから病的なのかもしれない」と不安になった方、もしくは自分のモヤモヤが言葉になってスッキリした方、大丈夫です。

 

本当によくあるパターンなんです、学問的に研究されて分類されるくらいですからね。

 

 

 

10パターンの考え方の癖を紹介しましたが、実はうつ病の症状としてポピュラーに確認できるものだったりします。うつ病とはつまり脳機能が低下している状態だと言い換えられますが、意識を上書き機能(ワーキングメモリ)、意識を切り替える機能(シフティング)など、平時と比べると低下することがよく知られています。

 

状況に応じて意識や考え方を切り替えていく力を認知的柔軟性(cognitive flexibility)と呼んだりしますが、この柔軟性が一時的に損なわれている状態だと言えます。

 

10項目いずれも、一定の考えに翻弄され、別の角度から考えづらくなっている状態だと言えますよね。

 

※近年、意識が特定の事柄に没入する機構を持つ自閉スペクトラム症を認知的柔軟性から考えるという研究も散見されます。認知の歪みと自閉スペクトラム症の接近と言えるかもしれません。

 

【参考】

【精神科医師が解説】アスペルガー症候群とは何でしょう?

【精神科医監修】HSPは病院に行くべき??診断問題を解説

(ブログ内で自閉症スペクトラムに触れています)

 

したがってうつ病治療とは、考え方の柔軟性を向上させる関わりと考えることもできます。冒頭で『認知の歪みは治すべきもの』という考え方はあまりにも辛い、と説明しましたが、うつ病の機能低下に伴い、一見考え方の癖のように見えている場合は別です。

 

以前と比べて考え方に柔軟性がなくなっていると感じる場合、まずは精神科や心療内科を受診してみましょう。薬物療法や休養により、柔軟性が回復するかもしれません。

 

また、うつ病の認知療法や認知行動療法は、急性期よりも再発予防に効果的だとする知見があります。うつ病により一時的に損なわれた柔軟性を回復させるという観点でのアプローチですね。これはケガをしたアスリートがリハビリ段階でフォーム改造に取り組む発想に似ていると言えます。

 

加えて、考え方の癖10項目。どれをとっても生きづらいであろうことは想像に難くありませんよね。生きづらさを感じやすいわけですから、いわゆる適応障害に到るリスクが高いと言えますし、あらゆる場面で生きづらさを感じ続ける可能性も高いわけなのでうつ病となる場合もあるでしょう。

 

つまり考え方の癖10項目とうつ病の関連をまとめると…

  • うつ病の原因の一つになりうる
  • うつ病の症状としても考えられる
  • うつ病の再発予防の鍵となりうる

 

後段は、うつ病など精神疾患や自閉スペクトラム症など発達障害の可能性を除外した場合のお話、という理解で読み進めてください。

 

 

考え方の癖を変える方法とは?

「チェックリストに自分が当てはまりそうだから治せばいいの?」

 

ここで重要なのは、「当てはまるからと言って悪い訳ではない」ことです。

 

勿論、「歪んでいる部分をまっすぐ(つまり、辛くなりづらい癖をつける)にしたい」という思いをかなえるための方法も確立されています。ご自身の癖を分析したうえで、新しい癖をつけていこうという方法です。こちら考え方の癖を変える方法としてエビデンスが確立されている効果的な手法です。

 

【参考】

認知療法|e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

具体的な方法については次回以降にご紹介するとして、今回は、歪みを直すというアプローチの前に大切なことをご紹介したいと思います。後半は「気づき」の大切さについてのお話です。

 

先ほど例に挙げた、LINEの返事が返ってこない時…

 

「自分の送ったメッセージが悪かったから、返事がないのかな。」と思ったBさんは、この後不安な気持ちでいっぱいになったかもしれません。

 

「返事がないということは嫌われているということ!自分はみんなから嫌われている!」と思ったCさんは、怒りと悲しさで他のことが手につかなくなったかもしれません。

 

 

気持ちが雪だるま式に大きくなり、もう何に悩んでいたか分からないけどつらい!そんな時にふと、「今、つらくなっているな」ということに気付くこと、これが重要だとされています。

 

今起こっている、つらくなっているという現実を受け止めます。言い換えると、つらくなっていることは現実なのですが、相手に嫌われていることも現実かは分かりません。取り急ぎ、現実部分に気付いてあげます。つまり、少し感情から距離を置いて客観的になってみることでもあります。

 

「そうはいっても、感情的になっているときに気付くのは難しい。」というご意見もあると思いますし、その通りだと思います。

 

ここで提案したいのが、ご自身の考え方の癖を知っておくこと。

 

平静から「自分は全か無か思考しがちなんだよな」と思っておくことで、いざという時にハッと気づくフックになるかもしれません。その他気付きを促す方法として、マインドフルネスという心理療法もあります。なんだか心理療法と言われても、単なるおまじないのように聞こえてきますね。安心してください、気付きの大切さは科学的にも証明されています。

 

【こちらもどうぞ】

【精神科医師監修】マインドフルネスとは③効果、副作用を解説!

 

【臨床心理士がわかりやすく解説】マインドフルネス基礎講座

 

【臨床心理士がわかりやすく解説】マインドフルネス実践講座

 

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気づき気づきと連呼してしまいましたが、次回以降ご紹介差し上げるつもりの認知の歪みを直す方法も、第一段階は自分の癖に気づくことがポイントになっています。

 

今回は、自分の今の状態に気付き、受け止めていくことで客観的になれるというお話しでした。「今の状態」に気付くために、考え方の癖(認知の歪み)という考え方を活用されてみてはいかがでしょうか。

 

【解説】

maitake(臨床心理士)

心理系大学院修了後、精神科・心療内科クリニックにて勤務。

 

【監修】

本山真(精神科医師/精神保健指定医/産業医/医療法人ラック理事長)

2002年東京大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部付属病院で研修。川越同仁会病院、不動ヶ丘病院の勤務を経て、2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2019年株式会社サポートメンタルヘルス設立。

2005年産業医、2008年精神保健指定医取得

 

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