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【精神科医監修】テレワークうつ・リモートワークうつを対策!

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2020年9月19日

テレワーク/リモートワークうつ対策、症状とは?

 

“新型うつ”、“非定型うつ”、“現在型うつ”などなど。

過去メディアを賑わせた『うつ』には様々なうつがありました。

*厚生労働省サイト:こころの耳

 

新しい『うつ』が取り上げられる度、何でもかんでも『うつ』とすることへの批判的な意見が飛び交います。

そして、時間経過のなかで診断基準として定着する『うつ』もあれば、一過性のブーム(?)で終わる『うつ』もあります。

 

どんな名前の『うつ』であれ、しんどい思いをしている人がいるのは事実。

 

○○うつという名前がつくこと、○○うつという考え方が広く拡散されることで、『自分は○○うつかも、早めにケアをしよう』という人が一人でも増えるのであれば、一定の価値はあるのかなあ、と考えています。

 

さて、ここ最近ですと、新型コロナ感染症に伴う『コロナうつ』に注目が集まっており、厚生労働省も調査に動き出しました。

 

果たしてコロナで『うつ』になるのでしょうか?

テレワーク/リモートワークによって『うつ』になり得るのでしょうか?

 

結論から申し上げましょう。

 

テレワーク/リモートワークで『うつ』になる可能性は充分にあります。

 

いたずらに不安や恐怖を煽りたいわけではありません。

『自分のメンタルヘルスに関心を持つ』良い機会だと思うんです。

 

covid19流行下におけるメンタルヘルス問題であるテレワークうつ/リモートワークうつを通じて、テレワークうつ/リモートワークうつが生じるメカニズム、テレワークうつを防ぐために必要なこと、そもそも人間がうつっぽくなるメカニズムを理解し、適切な対策を身につけておきませんか?

 

テレワーク/リモートワークうつとは

『新しい生活様式』

 

そんなフレーズがあちこちから聞こえるようになって、数か月が経過しました。

 

まだまだ油断ならない新型コロナウイルス感染症(covid-19)。

 

感染症対策としての頻繁な手洗いにマスク着用。

 

日常生活の過ごし方、大きく変わりましたよね。

 

日常生活に加えて、働き方や業務内容が大きく変わった方も多いのではないでしょうか?

 

私自身、オンライン会議やオンラインカウンセリング、オンラインセミナーと新しい働き方にtryしている最中です!

オンライン会議って会議後アプリを閉じさえすれば、次の仕事にさっと取りかかることができるので個人的に大好きです。

 

『これからどうなっていくのだろう…』

 

先の見通しが立ちづらい今、そんな不安を感じるのはごくごく自然なことです。

一方で、不安に圧倒されるがまま、ただただ時間が経過してしまうのは何だか勿体ない気もします。

 

『ピンチはチャンス』

 

新しい働き方へとtryする機会と捉えるように、ご自身のメンタルヘルスに目を向ける機会と捉える手はあります。

 

弊社の母体である医療法人サイトにて、『コロナうつ』について解説をしました。

コロナうつを適応障害という観点で考えてみませんか?という提案です。

 

 

テレワーク/リモートワークも同じ視点から分析することが可能なんです。

解説をすすめる前に、厚生労働省による適応障害の説明を引用しておきましょう。

 

“適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえます”

出典:厚生労働省みんなのメンタルヘルス

 

つまるところ、生活の変化や出来事によって『うつっぽさが生じますよ』ということです。

 

したがって、『テレワークうつ/リモートワークうつは生じ得るか?』と聞かれれば、それまでテレワーク/リモートワークをしていない人にとっては生活の変化に該当するわけですから、回答は『YES』となりますね。

 

さてここで、大切なことをお伝えしておきましょう。

 

うつっぽさを招く変化・出来事って、重大さが大切であって、ネガティブな変化、ポジティブな変化という種別は問わないんです。

 

『うつ』と聞くと嫌なことやつらいことがあった時に生じるもので、どちらかというとネガティブな文脈で使われやすいですよね?

ところが、変化に対して『大きな力を使うとき』には、それがネガティブなことであれ、楽しいことであれ、すべからくストレスがかかっているんです。

 

テレワーク/リモートワークに初めて取り組んでいらっしゃる方々。

まさに今『大きな力を使うとき』に該当しているということです。

 

それまでと違うことをやるって、自分でも気づかないうちにたくさんエネルギーを使うものなのです。

知らず知らずのうちにストレスや疲れがたまってしまっていた…なんてこともあります(『昇進うつ』や『引っ越しうつ』はその代表例ですね)。

 

テレワークが始まって、『自分には合わないな』『しんどいな』『早く元に戻らないかな』と感じている方は、ストレスの大きさに自覚的だと思います。

 

テレワークをしてみて、『こっちの働き方の方が自分に合ってるかも!』、『テレワークで前より楽になった!』と感じている人でも、変化に対するストレスは潜在的に生じているんです。

 

環境の変化が実際どれくらいのストレスになるのかについては、ご自分のタイプや環境との相性による部分がかなり大きいですし、ストレス発散のしやすさも個人差は大きいものです。

 

かく言う私自身も、『変化しないで続ける』ことの方が大の苦手なため、変化を求めるタイプではあるのですが、それでも大きな変化が続けば『楽しいけどすごく疲れる…』となりがちです。

自覚されにくい潜在的なストレスがかかっている状態の一例です。

 

また、covid-19による働き方の変化は、『ほぼ強制的に』皆さんに訪れたものです。

自分でコントロールができない環境の変化は、自発的な変化よりも当然大きなストレスがかかります。

従来型の働き方が自分に合っていた、特段変化も求めていなかった、という方にとって、この変化は影響が大きいのは当たり前ですよね。

 

…とはいえ、新型コロナウイルスはなくなってくれないし、変化に合わせてどうにかしていくしかないわけで。

 

『自分の身に起こる可能性がある不調について知ること』、『実際に不調の芽がないかを点検してみること』は、今後まだまだ変化が続きそうなコロナ禍の社会を乗り切るために知っておいて損はない知識だと言えます。

 

次の項目では、生活や環境の変化というストレスによって起こり得る不調を、チェックシート形式で紹介していきます。

 

テレワーク/リモートワークうつの症状

では、実際にテレワークなどによる不調にはどのようなものがあるのかを、具体的に紹介しますね。

最近不調だな、と感じている方は、ご自分に当てはまる項目があるかの参考にしてみてください。

 

1.気分が晴れない

    • 気分が落ち込んでいる。
    • 「気分が落ち込む」まではいかないまでも、なんとなくモヤモヤが続いたり、気分がずっと曇り模様なことがある。

2.だるさがある、やる気が出ない

    • なんとなく、一日を通して倦怠感がある。
    • やらなければならないことが、以前より後回しになる。
    • できればすぐに横になりたい、と感じる。
    • 仕事に対して、以前よりも意欲(やる気)がでない。

3.仕事に集中できない

    • 以前よりも集中できないと感じている。パフォーマンスが発揮できていない。
    • 業務時間でもぼんやりしてしまう。
    • 些細なミスが増えた。

4.睡眠リズムが崩れた/上手く眠れない

    • 寝つきが悪い。
    • 一度寝ても、夜中に何度も目が覚める。
    • 思ったよりも早い時間に目が覚める。
    • 睡眠時間はとれていても、「よく寝た」感じがしない。
    • 睡眠のリズムが乱れている。

5.食欲がわかない

    • 以前と比べて、食事の量が減っている。
    • 食べなくてもおなかが空かない。

6.気晴らしができない、趣味が楽しくない

    • 気晴らしがうまくできないと感じる。
    • 趣味のやる気が起きなかったり、やっていても楽しめない。

7.考えがまとまらない

    • 人の話や本の内容を理解するのに時間がかかる。
    • 自分の考えがうまくまとまらない。
    • うまく言葉が出てこない。

8.気持ちの切り替えがうまくいかない

    • 業務時間ではないのに、仕事のことを考えてしまう。

 

いかがだったでしょうか?

こうやって一覧として並べてみると、すごく具合が悪そう…とお感じになるかもしれません。

ただし、どんな不調も最初は些細な変化であることがほとんどです。

 

『なんだかおかしいな、ちょっとしんどい』と薄々感じつつ、『頑張れば大丈夫、慣れればそのうちよくなるだろう』と思ってそのままにしてしまう方が多いんですよね…。

 

もちろん、そのまま慣れていくことで、自然に不調が改善していく人もいます。

ただし、私が耳にする範囲だと『ちょっと休めばよくなると思ったんだけど…』といった事例が多い印象ですね。

 

テレワーク/リモートワークうつの対策

適応障害の対策はシンプルであり、ストレス因そのものをなくすこと、ストレス因から距離を置くことに尽きます。

 

つまり、テレワーク/リモートワークがストレス因であるなら、テレワーク/リモートワークがなくなる、ないし、テレワーク/リモートワークから距離を置くことが対処法になります。

 

新型コロナウイルス感染症はまだまだ先行きが見通せません。

テレワーク/リモートワークがいつまで続くのかがわからない=ストレス因がいつなくなるのかわからない。

これがテレワーク/リモートワークうつを考えるときに厄介なところです。

 

そもそも論として、テレワーク/リモートワークは、『新型コロナウイルス感染症の拡大』という出来事への対処法の一つです。

 

メンタルヘルス的に考えれば、テレワーク/リモートワークは、『新型コロナウイルス』というストレス因から距離を置くための積極的な対処法であると言えるわけです。

 

ストレスへの対処法がストレス因になりうるというのは皮肉なものですね…。

 

ただまあこれってよくあることでもあって、例えばストレス解消のために始めた運動が、いつしか『今日も運動をしなくては』というストレスになってしまう。

ご経験ありません?

 

  • ストレス因がいつまで続くのかわからない
  • ピンチへの対処方法そのものがストレス因になっている

 

この辺りは、テレワークうつ/リモートワークうつの特徴だと言えそうです。

 

ストレス因がいつまで続くのかわからない以上、長期的な対策が必要になりますね。

長期戦である以上、付け焼刃な対策は、心身のスタミナを削るだけで成果に結びつきづらい可能性があります。

ここは一つ、どっしり構えて作戦を立てましょう。

 

“彼を知り己を知れば百戦殆うからず”

 

孫氏に学びましょう。

 

【対策1】己を知る!

まず、『元気な時の自分の調子』、『普段の自分の調子』(心のコンディションとでも言いましょうか)を把握しておくことをおすすめします。

 

人それぞれ、元々持っているエネルギーの量や、得意としていること、不得意としていることは違います。

 

仕事をしていると「〇〇さんと比べてできていない…」という悩みを持つこともあると思いますが、メンタルヘルスの観点からすれば、周りとの比較ではなく、「いつもの自分と比べてできないことがある気がするな」といった、普段の自分との比較がとっても重要!

 

まあ、元気な時(コンディションが良い時、悪くない時)に自分の状態に目を向けたり意識するってなかなか難しいんですけどね…。

 

ただまあ余裕のあるときこそ、「自分はどんなタイプなんだろう?」「どういうときにストレスを感じやすいんだろう?」「普段はストレス解消にどんなことをしているだろう?」という観点から自分を理解しておくことで、些細なコンディションの変化や不調の芽にいち早く気づくことができます。

 

ちなみに、心のコンディション評価はどんな方法でもOKです!

同居している方がいらっしゃるようであれば、周囲の評価を参考にするのも良いですね!

 

一人暮らしで周りに確認できない。

そんな方へのおすすめは、睡眠時間や睡眠の質と、食事のモニタリングです。

 

  • トータルの睡眠時間
  • すんなり寝つけたか
  • 朝まで熟睡できたか
  • 日中の眠気はないか
  • ご飯は美味しいか
  • 食欲に変化はないか

 

このあたりを抑えておけば、些細なコンディションの変化に早めに気づくことができるでしょう!

 

なお、メンタルヘルスのケアにおいて、「早期に気が付き対処する」ことは何より大切。

専門的にはEarly Intervention(早期介入)と呼びます。

 

メンタルヘルス不調も怪我や体調不良と同じ。

悪化すればするほど、治りが悪くなったり、回復までに時間がかかってしまうんですよね。

 

いち早く己の変化に気づき、変化に気づいたら早めに対処する。

 

ヘルスケアの基本です!

 

【対策2】彼を知る!

ストレスへの対処を考えるには、その仕組みを知ることが一番。

ストレスに関する一般的な知識について下記で紹介しています。

 

ストレス対処においては、ストレス因とストレス反応への対処が必要になりますが、covid-19流行下においてはストレス因は変えられません。

環境を変えることが難しい以上、ストレス因によって蓄積していくストレスを小出しに発散していくことが有用です。

 

いわゆるストレス発散ですね。

 

ただしこの発散にも新型コロナウイルス感染症の影響はありまして…。

 

『もともとは、仕事帰りに飲みに行っていたが、最近外に飲みに行けなくなってしまって、とてもストレスに感じている』

『休日に外でスポーツをすることができなくなってしまって、だるさが出るようになった』

そんなお話、耳にしますもんね。

 

また、テレワーク/リモートワークによって、『仕事の時間』と『プライベートの時間』の切り替えに難しさを感じるケースも多いようです。

 

業務⇒プライベートの切り替えがうまくいかないと、家にいても気持ちが休まらなくなってしまいますし、プライベート⇒業務への切り替えがうまくいかないと、仕事に集中しきれずに、思ったように仕事が進められなかったりします。

 

同じ場所にいるとどうしても上手な切り替えって難しいですよね。

 

精神医学、心理学の世界で古くからよく知られており、ご自宅でも手軽にできるリラックス方法『自律訓練法』をご紹介しておきます。

リンク先の記事ご参照ください!

 

 

なお、ご自身での対処が難しい場合、日常生活に大きな支障が生じている場合は、外部の専門機関を利用してみるのも一手。

特に先ほどのチェックリスト項目に該当するものが多めであって、2週間以上継続しているようであれば医療機関への受診をおすすめします。

 

日常生活のうち、仕事が占める時間って少なくありません。

快適で有意義なテレワークライフを送れるようにと願っております。

 

 

【記事監修】

本山真(精神科医師・産業医 医療法人ラック理事長)

【記事執筆】

籔(公認心理師・臨床心理士)

 

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