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【医師監修】夕方になると熱が出るのはなぜ?原因と対処法を解説

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2023年12月29日

熱が夕方になると出るのはなぜなのか、原因と対処法を解説

 

皆さんは、夕方から夜にかけて体調が悪くなることはありませんか?夜になると熱が出やすくなったり、頭痛がしたり、体がだるくなったり…。もちろん日中の活動による疲れから夕方以降体調が悪くなることもあると思いますが、何もしない日でも夕方以降に体がだるくなることありませんか?

 

今回のブログでは、夕方から夜にかけて体調が悪くなる原因と、その対処法についてお伝えします。

 

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夕方になると熱が出る原因


自律神経の乱れ

自律神経とは、活動するときに働く交感神経、リラックスするときに働く副交感神経からなっており、人の体温を維持したり、体や心のバランスをとったりしている神経です。交感神経は起床してから徐々に働きが強くなり、日中の活動を支えます。一方で副交感神経は夜にかけて働きが強くなり、就寝するためのリラックス状態を作ります。

 

 

この自律神経が乱れやすいのが夕方になります。

 

夕方に乱れる原因としては、体温変化や気圧などが挙げられます。人は1日の中で夕方頃に体温が最も高くなるため、体のほてり等を感じやすいのが夕方になります。そして、気圧も1日の中で変化しており、朝上昇し、夕方にかけて下降、その後また上昇して夜には下降していきます。低気圧によって自律神経が乱れることは皆さんご存じかもしれませんが、上昇・下降する気圧の変動自体も自律神経に影響するんです。

【参考】

【精神科医監修】天気がメンタルヘルスに影響するって知ってました?

 

日中の過ごし方

日中の活動量・活動時間や、仕事中の姿勢などが夕方以降の体調に影響することがあります。仕事中ずっと座ってパソコンと向き合って姿勢が変わらない状態だと、筋肉の緊張状態が続いてしまいます。日中に筋肉の緊張状態が続くと、夕方頃には肩こりや頭痛などが生じることがあります。

 

また、日中の過ごし方は自律神経の乱れにも影響します。夜遅くまで活動し続けたり、反対に日中全く活動しなかったりすると、交感神経・副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、体調を崩しやすくなります。

 

夕方になると熱が出ることに関係している不調


種々の不調による影響でも、夕方頃に体調が悪くなりやすいことはあります。以下はその例です。

 

認知症患者の「夕暮れ症候群」

夕暮れ症候群とは、夕方から夜間にかけて、焦燥感や攻撃性、徘徊や妄想的言動などの症状が増悪する状態のことを言います。これは、日中の日照不足、疼痛や便秘など不快な身体症状、薬剤の使用などが原因とされています。例えば、日照時間が減る秋から冬にかけては、夕暮れ症候群が増えると言われています。

 

うつ患者の「日内変動」

日内変動とは、1日の内で気分や身体の調子が激しく上下することを言います。うつ病でよく見られるのは、朝調子が悪く起き上がれなかったり憂鬱な気分になったりする状態です。一方で、夕方から調子が悪くなりやすいのが非定型うつ病です。非定型うつ病の場合は、夕方から気分の落込みなどの症状が出やすいと言われています。

※非定型うつ病とは、いわゆる「うつ病」に当てはまらないタイプのうつ病のことを言います。例えば、楽しい出来事を楽しいと感じられたり、眠れないことはなかったりしますが、対人関係で強いストレスを感じたり、夕方に抑うつ気分になったりする疾患です。

【こちらもどうぞ】

精神科医監修:適応障害と診断され休職をすすめられたらどうすればいい?

 

夕方になると熱が出る場合の対処法


まずは日中の過ごし方を見直しましょう!お仕事では、デスクワークなどずっと同じ姿勢で日中過ごされる方も多いと思いますが、そのままだと身体が固まってしまいます。可能な範囲でストレッチをしたり、正しい姿勢を心掛けたりしてみましょう。

【こちらもどうぞ】

精神科医監修|ストレスは肩こりの原因なのか?ー肩こり対策、ストレス解消法ー

 

また、規則正しい生活を送ることも大切です。なぜかと言うと、不規則な生活を送っていると、自律神経も乱れて行ってしまうからです。誰しも睡眠時間が日によって取れなかったり、時間がなくて食事が取れない時があったり、忙しい時には中々規則正しい生活が送れないことがあると思います。できれば計画的にお仕事も進めていきたいところですが、難しいこともありますよね…。そんな時は、自律訓練法を生活の中で取り入れることをお勧めします。

【参考】

自律訓練法|e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

自律訓練法についてはこちらのブログをご参照ください。

自律訓練法とは|公認心理師がリラックス法を解説! | 株式会社サポートメンタルヘルス (support-mental-health.co.jp)

 

参考文献


  • 水上勝義(2015)認知症患者の夜間にみられる精神症状および行動症状 認知神経科学Vol.17 No.1.
  • 田中陽一・大住倫弘・佐藤剛介・森岡周(2019)日中の活動が慢性疼痛の日内変動に及ぼす影響 作業療法38 117~122.

 

【解説】

ぶち(公認心理師)

忙しい生活の中で普段の過ごし方を振り返るというのは意外と難しいと思います。少し気持ちや時間の余裕がある時に、自分がどんなふうに1日を過ごしているのか、忙しい時はどんな生活をしているのかなど振り返ることをお勧めします。

不調が大きくなる前に対処するためには、自分は忙しい時こんなふうに過ごしていて、こういう不調が生じるかも…といったことに早めに気づくことが大切です!

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【監修】

本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長)

2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。

 

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