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【公認心理師解説】オンラインカウンセリングのメリットと注意点!

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2020年8月15日

最終更新日 2021年5月10日

オンラインカウンセリングのメリットと注意点を解説!

“カウンセリング”という言葉を聞いて、皆さんはどんなシチュエーションを思い浮かべますか?

 

カウンセラーと部屋に2人きり、じっくりと話をする。

マニアック(?)な方は、寝椅子に横たわって話をするなんてイメージをもってらっしゃるかもしれません。

 

“カウンセリングは病院に通っている人が利用するもの”と思ってらっしゃる方もいますよね。皆さんのカウンセリング業界への様々なイメージ。そこにオンラインという新たなイメージが加わるかもしれません。

 

「現在通っているカウンセリングが中断してしまった、次はいつ行けるのだろう」

「カウンセリングに興味はあるけれども、対面で話すのはちょっと抵抗がある…、家から出るのも心配」

 

今回は、新しい生活様式としてのオンラインカウンセリングを解説します。

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【1.オンラインカウンセリングとは?】

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う新しい生活様式。様々な場面でオンラインのやり取りをする機会が増えた方、いらっしゃるのではないでしょうか。

 

実は、カウンセリング業界においても「オンライン」という形式が急速に拡大、定着しつつあります。歴史を振り返れば、遠隔でカウンセリングを提供しようとする流れは以前からありました。ツールの進化に伴い、近年はLINEなどSNSでのカウンセリングという発展を遂げています。

 

今回は、遠隔カウンセリングの一種、ビデオ通話を利用したカウンセリングをオンラインカウンセリングとしてご説明したいと思います。

 

ビデオ通話というと、テレビ電話やSkype、Zoom等のシステムを利用した通話をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。より対面に近い雰囲気でカウンセリングが行えることが大きな特徴だといえます。

 

オンラインカウンセリングは、近年徐々に増加してきている、比較的新しい形式のカウンセリングサービスだと言えます。通信技術や利用できるツールが発達したり、個人が所持しているスマホ等でのビデオ通話が当たり前になってきた今だからこそ広がってきているサービスですね。

 

従来の遠隔カウンセリングでは、電話やメール(もっと言えば手紙という方法もありました)、直接顔を見て話すことはありませんでした(顔が見えないからこそ、色々思いを馳せる部分はありますし、決して優劣の話ではございません)。

 

従来型の遠隔カウンセリングと比較すると、オンラインカウンセリングは最も対面に近い遠隔カウンセリングの形態だと言えます。その可能性については海外でも注目されており、うつ病や強迫性障害の治療に対しオンラインでの認知行動療法(厚生労働省HP)はエビデンスが蓄積されてきています。

 

では、ビデオ通話なら対面型のカウンセリングと完全に同じなのか。そこはやはり完全一致というわけではなく、オンライン、対面それぞれにメリット、デメリットがあるように感じています。

 

これは『メリット、デメリットを天秤にかけてどちらを選ぶか』という話であって優劣の話ではないのかなと思います。

 

【2.オンラインカウンセリングのメリット】

カウンセリングをオンラインで行なうメリットをいくつか紹介しましょう。

 

① 通わなくてもOK!どこでもできるので時間の融通がきかせやすい

オンラインカウンセリングのメリット①

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で『通う』という行動には慎重さが求められていますよね。私も気分転換でフィットネスジム通いをしていたり、ヨガスタジオ通いをしていたりしたんですが現在は一切中断。なかなかにストレスでした…。

 

どうにかならないものかとスマホをいじっていたら、オンラインフィットネス(パーソナルトレーニング)やオンラインヨガプログラムなどたくさんあるじゃないですか!ビジネスモデルを柔軟に閃く方はいるんだなあと感心しました。

 

カウンセリングも同様です。対面のカウンセリングですとどうしても“通わなくてはなりません”(当たり前ですけど)。自宅からの距離を考慮する必要がありますし、学校や仕事の時間や家庭の予定を調整したりして通うための時間を捻出する必要があります。

 

カウンセリングの理論には、予約を守り時間や手間をかけて通うこと=主体的にカウンセリングに臨む姿勢にこそ意味がある、という考え方もあるにはあるんですが、実際には、定期的に『通う』コストがネックになってカウンセリングをあきらめてしまっている方もいらっしゃると思うんですよね…。

*フィットネスジムの入退会を何度繰り返したことか…

 

また、引っ越しや長期出張でカウンセリングの継続が難しくなるというケースは当然あったりします。何より現状は新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために『通う』こと自体を検討すべきなわけで。

 

オンラインカウンセリングは、インターネットに接続できる環境さえあれば、住んでいる場所に縛られることなくカウンセリングが受けられます。様々なご事情で家から出られない方、近所にカウンセリング施設がない場所にお住まいの方、定期的に通う時間がなかなか捻出できない方でも、継続してカウンセリングを受けられることは、オンラインならではの意義だと言えるでしょう!アクセシビリティの向上ですね。

 

どこからでもカウンセリングが受けられるメリットはもう一つあります。“自宅でカウンセリングが受けられること”です。カウンセリングは、取り扱う話題によっては、とても体力を使います。

 

仕事終わりにカウンセリングへ。

たくさん話ができたり、考えていることをまとめられたのは良かったけどぐったり。

さて、これから帰宅するために電車に乗ってもうひと頑張り…。

 

仕事終わりにカウンセリングを受けるとしても、帰宅してからのオンラインカウンセリングであれば、仮にぐったり疲れても、あとはベッドに入るだけ。そのままゆっくり休めることにメリットを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

カウンセリングの理論や学派は本当に様々です。“日常と違う環境でこそ効果を発揮する”、という考え方もあれば、却って“日常場面での効果を広げていくことを狙いとする”考え方もあります。何を目的として、どこで、どれくらいの頻度、どんなやり方でカウンセリングを実施するか。こうしたセッティングを、専門的には『治療構造』、『枠組み』、『枠』と呼んだりします。『枠組み』は、カウンセリングの目的によって考慮、設定していくものなので優劣の問題ではありません。

 

自宅でカウンセリングが受けられる隠れたメリットは、テレワークによって生まれた思わぬ副産物(?)。

  • 服装を整えるのは画面に映る部分だけでOK
  • 背景をバーチャル背景にしてしまえば部屋の片付けもいらない

メンタル不調の時は、着替えや片付けといった身辺清潔が億劫になりがちです。カウンセリングに行こう。ああ服装を整えなちゃ。何を着ていこう。あれ?あの服どこにしまったっけ。時間に間に合わない…。オンラインカウンセリングはそんなキャンセル、中断を防いでくれるかもしれません。

 

② 料金が比較的安価

カウンセリングにかかる費用・料金も、オンラインカウンセリングを選択するときメリットとなるかもしれません。臨床心理士や公認心理師といった資格を有したカウンセラーを指定した場合であっても、オンラインカウンセリング料金の相場は対面実施と比較して安価なケースが多い印象があります。

 

カウンセリング自体の料金に加えて、自宅にてカウンセリングを受ける場合には特別な交通費がかからない点もコストには好影響だと言えます。

 

「カウンセリングを受けてみたいな」と思ってはいるけど、料金や交通費といったコストがネック…。そんな方は「まずはお試しにオンラインで」という使い方もアリではないかなと思います。

*私は同じ理由でオンラインヨガを試してみました!

 

【3.オンラインカウンセリングの注意点】

メリットがあれば、デメリットや問題点・注意点があるのが世の常。オンラインカウンセリングを考えるときのデメリット、問題点・注意点を紹介しておきます。

 

① 通信の問題

リモートワークやオンライン会議、オンライン飲み会を体験された方、増えてらっしゃると思います。若干のタイムラグ気になりませんか?

 

喋るタイミングがかぶってしまったり、相手のリアクションがわずかに遅れるため不安になったり(高尚な言い方をしました。『あれ、すべったかな…』というアレです)。スムーズなやり取りが阻害されるとストレスですよねえ…。

 

オンラインカウンセリングを実施していても、あのタイムラグ確かに気になるんです。私は『慣れてしまえば気にならなくなるタイプ』(要はいい加減なんですが笑)ですが、やはり『自然な会話が難しい』と感じる方もいらっしゃいますよね。オンラインカウンセリングにおいても通信の品質は重要な課題だと思います。

オンラインカウンセリングの注意点①

 

② 治療中の方はご注意!

あとは、すでに心の不調(うつ病や不安障害、パニック障害、発達障害の二次障害など)で病院やメンタルクリニックといった医療機関におかかりの方への注意点。

 

オンラインカウンセリング開始にあたっては、カウンセリングの希望があることを含め、ご担当の医師に相談してください。これはオンラインカウンセリングだから、というわけではなく、カウンセリング全般に言えることです!

 

方針に基づいて、治療を責任もってすすめてくださっているのは主治医の先生です。

“今はカウンセリングより休養優先”

そんなタイミングで先生の知らないところでカウンセリングが実施され、結果なかなか治療が進まない…。

こういった事例は避けるべきです。

 

こころの専門家の国家資格、公認心理師法第四十二条2項には次のルールが設定されています。厚生労働省ホームページ『公認心理師法概要』を引用します。

 

公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。

【参考】公認心理師法(厚生労働省)

 

オンラインカウンセリングを担当するのが公認心理師であれば法律に基づき、主治医の先生がいるかどうか?、主治医の先生の方針は?という確認をするものではありますが、カウンセリングサービスをご希望の場合は、まずは主治医の先生に相談を!

オンラインカウンセリングの注意点②

③ 安全性、リスクは?

既にお伝えしたようにオンラインカウンセリングは、比較的新しい手法だと言えます。対面による従来型のカウンセリングと比べて安全性やオンラインならではのリスクはどうなのでしょう?

 

アメリカ心理学会(American PsychologicAssociationAPA)によるオンラインカウンセリング(遠隔心理学)についてのガイドライン(いわゆる倫理ガイド)では、セキュリティに関する指摘が確認できます。

【参考】https://www.apa.org/practice/guidelines/telepsychology

 

つきつめれば『情報流出のリスクヘッジはしっかりと』ということです。オンラインカウンセリング実施の際は、『セキュリティレベルの高いオンライン会議システムを利用する』、『ウイルス対策を施した通信機器(スマホやタブレット、パソコン)を使用する』、『フリーWi-Fiの使用は避ける』といった対策が、安全性を高め、リスクを避ける対策となるわけです。

 

なお、倫理ガイドには、安全性を高めるためにカウンセラーはトレーニングしなさい、という指摘もありますが、これはまあ当然ですね。

【4.オンラインカウンセリングのメリット・注意点のまとめ】

オンラインカウンセリングのメリットと注意点をまとめました

オンラインカウンセリングメリット

  • 移動のコストがかかりません
  • 料金が比較的安価です

オンラインカウンセリング注意点

  • 通信は安定させましょう
  • 治療中の方は主治医の先生に相談しましょう
  • 情報流出を防ぐための対策をしましょう

 

さてさて、オンラインカウンセリングのメリット・注意点(デメリット)をご紹介しました。対面であれオンラインであれ、それぞれ“合う・合わない”といった相性があることは事実です。

 

オンラインのメリットをメリットだと感じられない方、デメリットが気にならない状況の方、それぞれの状況に応じて、メリット・デメリットの評価が変わってくるのは当然だと思います。

 

「カウンセリングと言えば対面でやるもの」「対面となるとちょっとハードルが高い」という方の中には、「オンラインだったらやってみたいかも」とおっしゃる方が少なくない数いらっしゃいます。

 

また、covid-19拡大状況では「話したいけど外出できない、オンラインなら試してみたい」と考える方もいるでしょう。オンラインカウンセリングは、「カウンセリングをしてみたいけれども敷居が高い」、「やってみたいけど通える自信がない」といった、これまでカウンセリングをあきらめていた方への一つの選択肢として提供できるサービスにできると思います。

 

実際にカウンセリングを受けている方の中にも、「オンライン、最初は抵抗があったが意外と合っていた、便利だった」という感想を持つ方もいれば、「オンライン希望で始めたが、実際にやったらイメージと違った、対面の方がいい」と感じる方もいます。

 

オンライン/対面のどちらかが優れている、どちらかが正しい、どちらかが良いもの、という考え方ではなく、「オンラインという手段もある」と知っていることで、「カウンセリング受けてみようかな?」「カウンセリングを中断する必要はない」と思っていただける機会が増えたらうれしく思います。

 

5G(第5世代移動通信システム)が拡大することで、若干のタイムラグやネットワークの接続問題は解消されていくはずです。新たな生活様式に変わっていく中で、カウンセリングにも新たな流れが広がり、もっと気軽に、様々な選択肢をもってカウンセリングを受けられるようなシステムが広がることを願うばかりです。

 

【監修】

本山真(精神科医師/医療法人ラック理事長・日本医師会認定産業医)

【執筆】

籔(公認心理師・臨床心理士)

臨床心理系大学院修了後、大学や精神科・心療内科クリニックに勤務。

音楽、アニメ、ゲームなどサブカル大好きです。

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