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【公認心理師解説】オンラインカウンセリングのメリットと注意点!

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2020年8月15日

【投稿】2020-08-15

【更新】2020-10-05

オンラインカウンセリングのメリットと注意点を解説!

“カウンセリング”という言葉を聞いて、皆さんはどんなシチュエーションを思い浮かべますか?

 

カウンセラーと部屋に2人きり、じっくりと話をする。

マニアック(?)な方は、寝椅子に横たわって話をするなんてイメージをもってらっしゃるかもしれません。

 

“カウンセリングは病院に通っている人が利用するもの”と思ってらっしゃる方もいますよね。

皆さんのカウンセリング業界への様々なイメージ。

そこにオンラインという新たなイメージが加わるかもしれません。

「現在通っているカウンセリングが中断してしまった、次はいつ行けるのだろう」

「カウンセリングに興味はあるけれども、対面で話すのはちょっと抵抗がある…、家から出るのも心配」

 

今回は、新しい生活様式としてのオンラインカウンセリングを解説します。

 

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【1.オンラインカウンセリングとは?】

新型コロナウイルスによる新しい生活様式。

オンラインでやり取りをする機会が以前よりも増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

実は、カウンセリング業界においても「オンライン」という形式が拡大しつつあります。

まあ遠隔でカウンセリングを実施しようとする流れは以前からあって、歴史的には、電話やメールに始まり、最近だとLINEなどSNSでのカウンセリングという発展をしています。

 

今回は、遠隔カウンセリングの一種、ビデオ通話を利用したカウンセリングをオンラインカウンセリングとしてご説明したいと思います。

 

ビデオ通話というと、テレビ電話やSkype、Zoom等のシステムを利用した通話をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。

より対面に近い雰囲気でカウンセリングが行えることが大きな特徴だといえます。

 

オンラインカウンセリングは、近年徐々に増加してきている、比較的新しい形式のカウンセリングサービスです。

通信技術や利用できるツールが発達したり、個人が所持しているスマホ等でのビデオ通話が当たり前になってきた今だからこそ広がってきているサービスですね。

 

従来の遠隔カウンセリングでは、電話やメール(もっと言えば手紙という方法もありました)、直接顔を見て話すことはありませんでした。

*顔が見えないからこそ、色々思いを馳せる部分はありますし、決して優劣の話ではございません

 

従来型の遠隔カウンセリングと比較すると、オンラインカウンセリングはもっとも対面に近いカウンセリングの形態だと言えます。

 

その可能性については海外でも注目されていて、うつ病や強迫性障害の治療に対して、オンラインでの認知行動療法が推奨されたりしています。

 

では、ビデオ通話なら対面型のカウンセリングと完全に同じなのかと言うと、そこはやはり完全一致というわけではなく。

オンライン、対面それぞれにメリット、デメリットがあるように感じています。

 

これはメリット、デメリットを天秤にかけてどちらを選ぶか、という話であって、どちらがいい、どちらが優れているというものではないかなと思います。

 

【2.オンラインカウンセリングのメリット】

カウンセリングをオンラインで行なうメリットをいくつか紹介しましょう。

 

① 通わなくてもOK!どこでもできるので時間の融通がきかせやすい

新型コロナウイルスの影響で『通う』という行動に制限が生じていますね。

私も気分転換でフィットネスジム通いをしていたり、ヨガスタジオ通いをしていたりしたんですが、自粛期間は一切中断。

なかなかなストレスです…。

 

どうにかならないものかとスマホをいじっていたら、オンラインフィットネス(パーソナルトレーニング)やオンラインヨガプログラムなどたくさんあるじゃないですか!

ビジネスモデルを柔軟に閃く方はいるんだなあと感心しました。

 

カウンセリングも同様です。

対面のカウンセリングですと、どうしても“通わなくてはなりません”(当たり前ですけど)。

 

自宅からの距離だったり、学校や仕事の時間や家庭の予定を調整したりして、通うための時間を捻出する必要があります。

 

カウンセリングの理論には、時間や手間をかけて通うこと=主体的にカウンセリングに臨む姿勢にこそ意味がある、という考え方もあるにはあるんですが、実際には、定期的に『通う』コストがネックになってカウンセリングをあきらめてしまっている方もいらっしゃると思うんですよね…。

*フィットネスジムの入退会を何度繰り返したことか…

 

また、引っ越しや長期出張でカウンセリングの継続が難しくなるというケースは当然あったりします。

 

何より現状は新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために『通う』こと自体を自粛すべきなわけで。

 

オンラインカウンセリングは、インターネットに接続できる環境さえあれば、住んでいる場所に縛られることなくカウンセリングが受けられます。

 

様々なご事情で家から出られない方、近所にカウンセリング施設がない場所にお住まいの方、定期的に通う時間がなかなか捻出できない方でも、継続してカウンセリングを受けられることは、オンラインならではのメリット、意義だと言えるでしょう!

 

どこからでもカウンセリングが受けられるメリットはもう一つあります。

“自宅でカウンセリングが受けられること”です。

 

カウンセリングは、取り扱う話題によっては、とても体力を使います。

 

仕事終わりにカウンセリングへ。

たくさん話ができたり、考えていることをまとめられたのは良かったけどぐったり。

さて、これから帰宅するために電車に乗ってもうひと頑張り…。

 

仕事終わりにカウンセリングを受けるとしても、帰宅してからのオンラインカウンセリングであれば、仮にぐったり疲れても、あとはベッドに入るだけ。

そのままゆっくり休めることはメリットに感じられる人もいるのではないでしょうか。

*カウンセリングの理論や学派は本当に様々です。“日常と違う環境でこそ効果を発揮する”、という考え方もあれば、却って“日常場面での効果を広げていくことを狙いとする”考え方もあります。

 

② 料金が比較的安価

カウンセリングにかかる費用・料金も、オンラインカウンセリングを選択するときメリットとなるかもしれません。

 

オンラインカウンセリングでは、臨床心理士や公認心理師などの資格を有したカウンセラーを指定した場合であっても、カウンセリング料金の相場が、対面よりも安価な場合が多い印象があります。

 

また、カウンセリング自体の料金だけでなく、自宅で実施する場合には特別な交通費がかからない点においてもコストをおさえられるといえます。

 

「ちょっとやってみたいな」と思ったときに、料金や交通費といったコストが引っかかっている、という方は、「まずはお試しにオンラインで」という使い方もアリではないかなと思います。

*私は同じ理由でオンラインヨガを試してみました!

 

【3.オンラインカウンセリングの注意点】

メリットがあれば、デメリットや問題点・注意点があるのが世の常。

オンラインカウンセリングを考えるときのデメリット、問題点・注意点を紹介しておきます。

 

まず、通信の問題です。

リモートワークやオンライン会議、オンライン飲み会を体験された方、若干のタイムラグ気になりませんか?

 

喋るタイミングがかぶってしまったり、相手のリアクションがわずかに遅れるため不安になったり(高尚な言い方をしました。『あれ、すべったかな…』というアレです)。

 

スムーズなやり取りが阻害されるとストレスですよねえ…。

 

オンラインカウンセリングを実施していても、あのタイムラグ確かに気になるんです。

 

私は『慣れてしまえば気にならなくなるタイプ』(要はいい加減なんですが笑)ですが、やはり『自然な会話が難しい』と感じる方もいらっしゃいますよね。

 

オンラインカウンセリングにおいても通信の品質は重要な課題だと思います!

 

あとは、すでに心の不調(うつ病や不安障害、発達障害の二次障害など)で病院やクリニックといった医療機関におかかりの方への注意点。

 

オンラインカウンセリング開始にあたっては、カウンセリングの希望があることを含め、主治医の医師に相談をしてください。

これはオンラインカウンセリングだから、というわけではなく、カウンセリング全般に言えることです!

 

方針に基づいて、治療を責任もってすすめてくださっているのは主治医の医師です。

“今はカウンセリングより休養優先”

そんなタイミングで先生の知らないところでカウンセリングが実施され、結果なかなか治療が進まない…。

こういう事例は避けるべきです。

 

こころの専門家の国家資格、公認心理師法第42条2項には次のルールが設定されています。

 

公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。

 

オンラインカウンセリングを担当するのが公認心理師であれば法律に基づき、主治医の先生がいるかどうか?、主治医の先生の方針は?という確認をするものではありますが、カウンセリングサービスをご希望の場合は、まずは主治医の先生に相談を!

 

【4.オンラインカウンセリングのメリット・注意点のまとめ】

オンラインカウンセリングのメリット・注意点(デメリット)をご紹介しました。

対面であれオンラインであれ、それぞれ“合う・合わない”といった相性があることは事実です。

オンラインのメリットをメリットだと感じられない方、デメリットが気にならない状況の方、それぞれの状況に応じて、メリット・デメリットの評価が変わってくるのは当然だと思います。

 

「カウンセリングと言えば対面でやるもの」「対面となるとちょっとハードルが高い」と言っていた方の中には、「オンラインだったらやってみたいかも」とおっしゃる方が少なくない数いらっしゃいます。

また、今回のコロナのような状況では「話したいけど行けない、オンラインなら試してみたい」と考える方もいるでしょう。

オンラインカウンセリングは、「カウンセリングをしてみたいけれども敷居が高い」、「やってみたいけど通える自信がない」といった、これまでカウンセリングをあきらめていた方への一つの選択肢として提供できるサービスにできると思います。

 

実際にカウンセリングを受けている方の中にも、「オンライン、最初は抵抗があったが意外と合っていた、便利だった」という感想を持つ方もいれば、「オンライン希望で始めたが、実際にやったらイメージと違った、対面の方がいい」と感じる方もいます。

オンライン/対面のどちらかが優れている、どちらかが正しい、どちらかが良いもの、という考え方ではなく、「オンラインっていう方法もあるんだなあ」と知っていることで、「カウンセリング受けてみようかな?」と思っていただける機会が増えたらうれしく思います。

 

5G(第5世代移動通信システム)が拡大することで、若干のタイムラグやネットワークの接続問題は解消されていくはずです!

新たな生活様式に変わっていく中で、カウンセリングにも新たな流れが広がり、もっと気軽に、色々な選択肢をもってカウンセリングを受けられるようなシステムが広がることを願うばかりです。

 

執筆:籔(公認心理師・臨床心理士)

 

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