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タグ : ふ~みん(公認心理師) , メンタルヘルス対策 , メンタル不調・精神疾患解説 , 産業精神保健
2023年12月8日
最終更新日 2024年8月2日
何気ない会話の中で「最近うつっぽいんだよね」と話したり、「職場の人がうつ病になってしまって…」と聞いたり、昨今うつという言葉は一昔前より認知されつつあるように感じます。一方で、「自分とは関係のない話」「まさか自分がうつになるなんて思いもしなかった」とどこか他人事のように感じている人も多いようです。
実際、うつ症状の自覚がないまま仕事や日常生活を続けている人も居て、何だか最近眠れない、休日もおっくうで外出できない等の訴えで周囲に勧められてやっと医療機関を受診するという人も少なくありません。
うつ病になってしまったらどうしたら良いの?休職は必要?…今回はそんなことについて書いてみようと思います。
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うつ病といえば気分が落ち込んでいる、暗い表情、本人の気持ちの問題など、なんとなくマイナスなイメージが先行しがちです。本当に気分が落ち込み何をするのもおっくうに感じたり、これまで難なくできていたことがうまくできなくなったりすることもあります。
DSM-5(アメリカ精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアル)によると、うつ病は気分障害のひとつとして分類されています。
ここでは部分的にしか触れませんが、DSM-5ではきちんと診断基準が定められており、
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などの症状が2週間以上継続していることとされています。
発症の原因は明らかになっていませんが、感情や意欲を司る脳の働きに何らかのエラーが生じているものと考えられています。
生涯を通してうつ病を経験する人の割合は、日本人の約15人に1人と言われており、特に男性よりも女性の方がかかりやすいという調査結果が出ています。なぜ、女性の方が多いのかというと、妊娠、出産、更年期などホルモンバランスを崩しやすい女性特有のライフステージとうつ病の関連が深いためです。
【参考】
うつ病の前兆として、上に挙げた症状以外にも心身にサインが表れることがあります。例えば、理由もないのに涙が出る、めまいがする、便秘や下痢、焦りや不安が強くなり何だか落ち着かないなどです。いつもと違う状態が続き内科や胃腸科で検査を受けても身体的な問題は見つからないという場合、うつ状態に陥っている可能性が考えられます。検査を担当した医師から精神的なものが原因の不調ではないかと言われて精神科を受診する人も意外と多いのです。
自分の状態を日頃から観察しておくことは大事ですが、うつ病になると判断力低下も顕著になるため、周囲に自分の最近の様子を聞いてみるなど客観的な情報も参考にすると安心です。また、本人ではなく職場の同僚や上司、部下に対してうつ病が疑われる状態の職員が在籍している場合は、日ごろから当該職員の様子を知る別の職員などに相談し、複数名で気にかけ、しかるべき立場の人から話をしてもらえるように対処できれば、本人だけでなく周囲の負担も大きくならずに済みます。
医療機関にかかるときには、不調を感じ始めた日やきっかけとなる出来事が起きた日だけでも分かるようにしておけば医師が診断する際の手がかりになるかもしれません。
もしもこれらの不調が出現し、医療機関を受診してうつ病であると診断を受けたら、今後の治療法や生活について気になりますよね。薬を飲めばすぐに治るのか、仕事は続けられるのか、周囲の人たちにはどのように説明したら良いのか…。うつ病の治療は主に抗うつ剤などによる薬物療法が中心となりますが、症状の改善には十分な休養や睡眠、栄養をとることも欠かせません。
【参考】
例えば、仕事が多忙で睡眠時間を削り食欲が低下しているなど、生活にも支障をきたしている状態の人が勤務を続けていては、いくらお薬を飲んでも改善の兆しはなかなか見えてきません。ストレス要因となっている環境から離れ、休息をしっかりとるためには、いきなり退職や転職を考えるのではなく、まず休職を検討するのが良いでしょう。
実際に休職しようとする際には、ご自身の職場に休職の制度があるかどうかを確認しておく必要があります。休職制度に関しては法律や義務として定められたものではないため、それぞれの職場によって扱いが異なります。ご自身の職場がどのように規定しているのか事前に調べておくことをお勧めします。休職の制度があり、利用できることが分かったとして、いざご自身の不調を並べて「休みたい」と訴えたとしても、それだけで休職を認めてくれる職場はあまりないでしょう。
【画像】精神科医監修:適応障害と診断され休職をすすめられたらどうすればいい?
休職の開始に関しては、医療機関を受診して診断書をもらい提出するようにとの指示が出たり、職場の産業医との面談を勧められたりするのが一般的です。医師の診断書や産業医との面談は、該当者が休職を要する状態にあることを客観的に認める材料になると言えますので、おっくうに感じても会社の方針に則り手続きを進めてください。診断書に書かれた内容をもとに、ご自身の状態や不調に至った経緯について上司と話し合うことも有意義なものになるかもしれません。
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お薬を服用したりカウンセリングを受けたりして回復へ向けた準備をするのも必要かもしれませんが、まずは仕事のことを気にせず、大事な休養期間だと思って焦らずのんびり過ごしましょう。数日から数週間休養し意欲がわいて動けるようになったら、散歩などの軽い運動を始めたり、復帰後に合わせたリズムで生活したりするようにします。
また、休職中の金銭面について不安に感じる人も多いと思います。雇用形態や就労期間にもよりますが、有給休暇を取得するのか、傷病手当金という制度を利用するのかなどいくつか無給にならずに済む方法が考えられます。休職開始前に職場側から説明があるかもしれませんが、ご自身で事務や総務係に確認しておくと不安が少なくゆっくり休めそうですね。
【画像】精神科医監修:適応障害と診断され休職をすすめられたらどうすればいい?
復職を検討する段階になったら、医師や上司と相談の上、無理のない範囲で復帰できるような環境を整えることが大事です。症状が改善したからと言って休職前のように働いてしまうと、またすぐに同様の状態になりかねません。休職を開始するとき同様、自己判断ではなく医師の診断書など客観的な情報を活用して段階的に戻れるようにしましょう。もしも6ヶ月を超えたり年単位で休んだりしたあとに復帰する場合には、職場復帰支援(リワークプログラム)の利用もおすすめです。
【参考】
【解説】 ふ~みん(公認心理師) 厚生労働省の「こころの耳」や「こころの情報サイト」という国立精神・神経医療センターホームページにも分かりやい記事が掲載されていますので、ご興味のある方はぜひご参照ください。
【監修】 本山真 医師、精神保健指定医、日本医師会認定産業医 東京大学医学部卒業後、精神科病院・診療所での勤務を経て、さいたま市に宮原メンタルクリニックを開院。現在は株式会社サポートメンタルヘルス代表に加え、2院を運営する医療法人の理事長としてメンタルヘルスケアに取り組んでいる。 |