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タグ : ふ~みん(公認心理師) , 認知行動療法・認知バイアス
2022年11月25日
最終更新日 2022年12月26日
目次
先日何気なく読んでいた資料の中に“アンコンシャスバイアス”という言葉が出てきました。
“バイアス”という単語は知っていましたが、“アンコンシャス”がつくとどのような意味になるのか…すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、気になり調べてみたので今回はそのことについて書こうと思います。
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アンコンシャスバイアスとは、無意識の思い込み、無意識の偏見のことを言います。
非正規雇用、女性社員や外国人社員の増加、LGBTQの認知が進んだことを背景として、2010年代に注目されるようになりました。2020年の内閣府による20代から60代に対する調査では、認知度は21.6%という結果でした。
アンコンシャスバイアスは日常にあふれていて誰にでもあるもので、自分自身は気付いていない物の見方やとらえ方のゆがみや偏りのことを指し、その人の過去の経験やこれまでに得た知識などを基に脳が無意識に自分にとって都合の良い解釈、判断を行うことによって起きています。
その解釈、判断の結果として表れた言葉や行動が誰かを傷つけてしまう可能性があるわけですが、自分自身では認識しづらく、周囲も「よくあること」「気にするほどのことではない」と思い見過ごされがちです。
具体例として…
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などなど。
言われてみると日常会話で使われるような内容も結構含まれていますよね。
アンコンシャスバイアスは詳しく分類すると150種類以上におよぶとも言われています。
有名な具体例を挙げますと、典型例を当てはめる「ステレオタイプ」、他人と同じことをすれば間違いないと思い込む「集団同調性バイアス」、根拠もないのに自分が良いと思った意見を肯定する情報だけを取り入れる「確証バイアス」、一部の長所だけを見てその人・物のすべてを良いととらえる「ハロー効果」などがあります。
関連項目:オタク臨床心理士・公認心理師は語る。日常に潜む4つの認知バイアス
お疲れ様です!
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これらの例を見ても、日常で何気なく使われたり思われたりしていると感じます。
アンコンシャスバイアスは“高速思考”とも言われています。脳が大量の情報を素早く処理し行動するためには、大枠で物事を理解して判断することが欠かせません。良いか悪いかという基準ではなく、瞬時に情報を処理するために機能しているので、その判断が偏った思い込みに基づいている場合も含まれます。そのため、誰もが多かれ少なかれ無意識のゆがみや思い込みがあることを自覚しておく必要があります。
【関連項目】
【精神科医監修】認知のゆがみの治し方|心のコリほぐしましょう!
【精神科医監修】認知の歪み?10パターンの考え方の癖を解説!
特に会社内で上級職に就いている人の言動は周囲に与える影響も大きいので、自覚せずにアンコンシャス・バイアスによる言動を繰り返し、放置しているとハラスメントと受け取られたり、評価を不満に感じた社員の離職につながったりする危険性もあるので注意が必要です。
【関連項目】
『義務化?罰則は?』精神科産業医が中小企業ハラスメント対策を解説
アンコンシャスバイアスを生み出す要因は3つあると言われています。
1つめは、自分を正当化して守り、自分にとって心地良い状態を保ちたいとする「エゴ」。 2つめは、慣れ親しみ常識だと思っていたことが時代の変化に伴い違和感となっているが気付かない「慣習・習慣」。 3つめは、その人自身の特有のこだわりや不安感を引き起こすポイントである「感情スイッチ」。
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これらの要因は個人だけにとどまらず、複数の人とかかわる職場や学校内では全体へ及ぼす影響もあることから、行動変容につながるトレーニングを取り入れている企業もあります。
その人やその組織にとっての「常識」「当たり前」を知り、見直すことでハラスメント予防、円滑な人間関係形成などにつながり、トレーニングの効果が期待できます。
さて、このアンコンシャス・バイアスですが、他者や外側に向けてはたらくだけでなく、自分自身に対して向けられることもあるのです。
具体例をあげれば…
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などなど
自分自身に向くことでキャリア形成に影響が出る場合があります。そうなると仕事や学業に対するモチベーションが低下し、次第に個人のパフォーマンスの低下となり、結果として昇進や進学の機会を逃すといった悪影響につながりかねません。
そのようなときでもアンコンシャスバイアスを理解・意識することで、新しい視点が生まれたり不必要に否定的にならずに済んだりする可能性があることを知っておくと良いかもしれないですね。
最後に、アンコンシャス・バイアスの対処法の具体例として、内閣府 男女共同参画局の記事で取り上げられていた内容をご紹介します。
価値観や能力を“普通はこうだ” “できるわけない”と決めつけたり、自分の理想を押しつけたりしない
声のトーンが変わる、表情がくもる、怒っているような言動になるなど、相手が不快に感じていることを察知する
自分の物の見方や思考のクセに気付くことで多様性を認め合う第一歩につながる |
多様化が一般的になりつつある現代社会において、ひとりひとりの違いを受け入れ、その違いに対して価値観を見出し敬意をはらうというスタンスが重要視されているようです。
【解説】 ふ~みん(公認心理師) インターネット上にはアンコンシャスバイアスのチェックリストが掲載されているページやサイトもあります。ご興味のある方には、各地で開催されている研修会に参加することや書籍を読むことでより詳しい内容について触れてみることもおすすめします。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |