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2026年8月21日

目次
皆さんは日常生活でプレッシャーがかかること、イライラすること、ストレスに感じることなどがあった後、その感情をどのように処理していますか?
すぐに気分を切り替えることができる方もいれば、難しいと感じる方もいると思います。
例えば「頑張ったご褒美」として爆買い・爆食して気分を切り替えようとしたことはありませんか?
何事もやりすぎはよくないと分かっているつもりですが、私は食べ物を食べることでとスカッとした気分になれるのでついつい自分に「ご褒美」をあげてしまいます。しかし一度に食べる量が多かったり、食事の回数が多くなったりすると、心や身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
今回はネガティブなことがあった後にたくさん食べてしまう行動、「エモーショナルイーティング」とその弊害について考えてみました。
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エモーショナルイーティングとは、「お腹がすいたから食べる」という”生理的食行動”とは異なり、「ストレス、イライラ、不安、疲労」などネガティブな感情を対処する際に思わず食べすぎてしまう”情動的摂食”または”感情的摂食”のことを指します。「やけ食い」「ストレス食い」といわれるものですね。
その際に高炭水化物、高脂肪、甘味など高カロリーかつ手に入れやすく食べやすいものを選ぶことが多いとされています。
こちらもどうぞ▶【精神科医監修】「ドカ食い気絶部」とメンタルヘルスの関係|ストレスと過食の深層心理
エモーショナルイーティングと関連して考えたいものに「むちゃ食い」があります。むちゃ食いは、短時間に明らかに大量の食べ物を食べたり、食べることをコントロールできない感覚を伴ったりする食行動を指します。これが一定の頻度で続き、強い苦痛を伴う場合には、過食性障害として診断されることもあります。
エモーショナルイーティングとむちゃ食いは頻度や衝動性の強さが異なるものの、こだわりがなく、短時間に大量の食物を摂取するといった食行動の特徴自体は大きく異ならないことが指摘されています。
異なる点としては、エモーショナルイーティングでは、むちゃ食いに比べると、食事量のコントロールが比較的保たれている場合が多く、摂食後の強い罪悪感や自己嫌悪も必ずしも生じるわけではありません。
次に、エモーショナルイーティングを引き起こすメカニズムについて考えていきます。
そもそもストレス負荷が高いときは、交感神経が優位な状態になります。
交感神経が高いと、常に戦闘モードであるかのように心身ともに緊張状態が持続されます。そのままの状態が続くと、動悸、肩こり、頭痛などの身体症状が現れやすくなります。反対に、副交感神経が優位であると、リラックス状態となり疲労感が軽減されやすくなります。

エモーショナルイーティングには、感情調整や報酬系、過去の学習など、さまざまな要因が関わります。その一つとして、自律神経の働きから考えることもできます。食べることで一時的に緊張がゆるみ、落ち着いたように感じることがあります。
しかし食べ終わってからしばらくすると交感神経が優位な状態が戻ってしまうため、効果は長続きしないのが欠点です。
場合によってはむちゃ食いのように、食べ過ぎたことへの罪悪感、不安感、イライラ感などが出現し、新たなストレッサーが生まれてしまいます。そのストレスによりまたエモーショナルイーティングをする…という悪循環に陥ってしまうことも容易に考えられます。
こうした悪循環が続くと、むちゃ食いに近い食行動が増えたり、気分の落ち込みや不安、体重増加への悩みが強まったりすることがあります。また、自己誘発性嘔吐や下剤の使用などの代償行動がみられる場合には、神経性過食症などの摂食障害の可能性も含め、専門的な相談が必要です。
またエモーショナルイーティングを高頻度で続けた場合、体重増加に伴い肥満やメタボリックシンドロームなどが生じる可能性も高くなります。
気分障害や神経性過食症、肥満への進行を抑えるためには、徐々にエモーショナルイーティングの頻度を少なくすることも有効な手段の一つです。ではどのようにすればよいのでしょう?
食べること以外で副交感神経を優位にする方法を日常生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
例えば、軽いストレッチを行ったり散歩をしてみたり体を動かしたりすることもいいかもしれません。加えて、どうしても何かを口にしたい時は、歯磨きをする、温かい飲み物を飲む、ガムを噛むなど、いったん食べる以外の行動を挟んでみるのも一つの方法です。
自分に「ご褒美」をあげる頻度やタイミングなども調整できると心身が健康な状態でいられるのではないでしょうか。
エモーショナルイーティングは一時的に気持ちがスカッとすることはあっても、頻度や量が増えると、心身への負担が大きくなることがあります。
習慣をすぐ変えることは難しいと思いますが、量を減らしてみる、頻度を減らしてみる、他のストレス発散方法を取り入れるなどしてストレスと上手に向き合うことが大切です。
参考・引用文献
【執筆】 すい(公認心理師) 今回は感情と食行動についてご紹介しました。 おなかがすいているのか?無性に食べたい気持ちなのか?など「食べたい!」の意味を考えてみると、心の動き・状態に目を向けることできるかもしれませんね。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |