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タグ : メンタルヘルス , 盛光(公認心理師・臨床心理士)
2023年4月28日
目次
4月になり、春らしい日が続いていますね。場所によっては夏日になる日も出てきました。ただ、朝晩は一気に寒くなることも・・・。春は寒暖差が最も大きい季節と言われています。この寒暖差に体が順応しきれず、体調を崩しやすい、と言われています。
また、春は“出会いの季節”と言われるくらい、私たちの生活で変化が大きい時期です。環境の変化に対応していくためにはエネルギーが必要です。春の環境変化に対応する中で、心身にストレスがかかることで、調子を崩してしまう場合があります。
今回は、春に気を付けたいメンタル不調とその対策について解説します。
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進学、就職、引っ越し。新しい生活に胸を膨らませている人もいるかと思います。実はこういったポジティブな環境の変化も、ストレスの要因になるのです。ストレスについては、こちらのブログで詳しく説明しています。
簡単に説明すると…
ストレスを引き起こす要因を「ストレッサー」と言います。ストレッサーが大きいほど大きなストレス反応を引き起こします。ストレッサーには①生活環境ストレッサー②外傷性ストレッサー③心理的ストレッサーがあります。その内今回取り上げていること、すなわち“環境の変化”は①の生活環境ストレッサーに当てはまります。
文部科学省のHPに、生活環境ストレッサーの強さを出来事ごとに得点化した表が掲載されています。外傷性ストレッサー、心理的ストレッサーについても記載があるので、詳しく知りたい方は以下をご確認ください。
【参考】心のケア|文部科学省
そのうち、いくつか抜粋します。
「大きなケガや病気」「親とのトラブル」などは高いストレス得点になっていますね。ここで注目したいのは「夫婦げんか」と「結婚」です。「夫婦げんか」はネガティブでストレスがかかる印象、「結婚」はポジティブな印象を持つ方が多いかと思います。でも、どちらの出来事も実は同じくらいのストレスにさらされています。
このように、自分にとって嬉しい、ポジティブな出来事や環境の変化であっても、知らないうちにストレスがかかっているのです。このストレスが対処できないくらい大きかったり、ストレスがかかり続けたりすると、エネルギー切れになって不調に繋がりやすくなります。この時期に体調を崩しやすい人が多いのは、ストレスになりうる出来事や環境の変化がたくさんあるからなのです。
「5月病」は皆さん耳にしたことがあるかと思います。3~4月の環境の変化というストレッサーに対処し続け、5月の連休のタイミングで一気に不調が出る、というメカニズムで起こります。
先ほど挙げた大きな出来事以外にも…
一つ一つは大きな変化でなかったとしても、少しずつストレスが蓄積されていきます。人によってはストレスが蓄積されていることに気づかず、体調不良になって初めて気づく場合もあります。
ちなみに、ストレス=悪であるように感じますが、ストレスがかかること自体は悪いことだけではありません。対処できる量や範囲を超えたストレスがかかることで、心身のバランスが崩れ不調に繋がります。新しい生活が始まり「頑張りたい!」「楽しみたい!」という気持ちがあることは、素敵なことです。色々なことにチャレンジしていく、新しい環境に無理しすぎず慣れていくためにも、ほどよく休息を取ることが重要です。
新生活いかがでしょうか?
ってもう2週間も経ってる…。今回は『#五月病』について #公認心理師 が解説したブログをアップしました~!
是非ご覧くださいませ!#ブログ更新 #メンタルヘルス https://t.co/09KAVIb6KJ— 【公式】株式会社サポートメンタルヘルス (@co_sapomen) April 14, 2022
このような状況を防ぐためにも、疲労やストレスが溜まりすぎる前に解消しておくことが重要です。おすすめの発散方法をいくつかご紹介します。
散歩は、運動習慣がない方でも、身体一つでできる方法です。太陽の光を浴びることで、セロトニンという物質が分泌されます。セロトニンは自律神経の副交感神経を刺激し、心身をリラックスさせます。また、身体を適度に動かすことでリフレッシュ効果も期待できます。気温もちょうど良く外出しやすい今の時期の散歩は特におすすめです。
【参考】
【精神科医監修】散歩でメンタルケア!ストレス発散効果は?【ライフハック心理学#2】
臨床心理士の休日【散歩編】25㎞のスマホのスクリーンタイム
身体をゆったりさせてできるリラックス方法の一つです。日々の生活の中で行っている人も多いのではないでしょうか。仕事や勉強、今悩んでいることで頭がいっぱい…そのような時に取り入れ、映像に没頭したり、笑う・泣くなど感情を動かしたりすることでリフレッシュ効果が期待できます。
「あ~動画観るだけで終わっちゃった…」「気づいたら一日終わっていた…」と感じる方もいるかもしれません。体と心を休ませる、ストレスを発散させるつもりが、かえって落ち込みや無力感におそわれてしまう…。私も経験があります。そんな方は、時間を決める、何本(何話)観る、など区切りをあらかじめ設けておくと切り上げやすいかもしれません。「ここまで観たら、○○をする」 というように鑑賞後の予定を立てておくことも一つの方法です。あるいは、「今日は一日映画を観る日!」と潔く決めてしまうのもよいでしょう。「気づいたら没頭していた」「楽しかった」「リフレッシュできた」と感じられたら、ストレスを発散できている証拠です。
弊社HPで公開しているブログ内で度々ご紹介しているリラックス方法です。こちらはストレスを軽減させるだけでなく、ストレスに対する耐性を高める、という効果が期待できます。この方法に慣れてくると、場所、時間を問わず、好きなときにできるようになります。
【参考】
【臨床心理士によるリラクゼーション】ホットレってなに?編
皆さんは疲れた時やストレスが溜まった時にどんなことをしていますか?きっとそれぞれ自分が行っている方法があると思います。大切なのはストレス発散方法を複数もっておくということです。
例えば、唯一のストレス発散法が登山だとします。すると、仕事が忙しく山に行くことができない場合、発散するすべがなくなってしまいます。また、足を骨折したら山に登ることができません。このように、その時の忙しさや体調、その他種々の条件でストレス発散法が取れなくなることもあります。身体を動かして発散できる、ゆったりリラックスできる、短時間でできる…その時の疲労具合やとれる時間に合わせたストレス発散方法をいくつか持っておけるとよいでしょう。
【執筆】 盛光(公認心理師・臨床心理士) 今回は、春の不調と対策についてお伝えしました。元々この時期に体調を崩しやすい方、5月の連休で一気に疲れが出る方は、環境変化の大きいこの時期にたくさんエネルギーを注いで頑張っている証拠です。自分の身体と心に目を向けて、できるだけ休息をとれるとよいですね。
「何をやっても休まらない、楽しめない・・・」という場合は、予防の段階ではないかもしれません。不調が長引く場合は、一度受診してみることもご検討ください。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医) |