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お風呂で簡単「マインドフロネス」!|精神科医監修マインドフルネスブログ

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2023年6月30日

最終更新日 2024年8月2日

「マインドフロネス」お風呂で簡単にマインドフルネス!

私たちは生きていく中で様々な気分や感情を抱きながら生活をしています。毎日を生きていく中で、楽しいこともあれば、過去の失敗やこれから起こるかもしれない漠然とした不安や心配等が頭から離れず、ネガティブな感情が頭を占めてしまう日も時にはあるかもしれません。考えたくないのに、気づいたらそのことばかり考えてしまうという経験も私自身沢山あります。

 

毎日の中で常に変化し続ける気分や感情と生活を共にしていく中で、少し自分の生活に余裕が生まれるかもしれない脳のリラックス方法があるとしたら、少し気になりませんか?さらに、その方法が日々の習慣と紐づけられるとしたら、気軽に取り組めるのではないでしょうか。

 

そこで、今回の記事では最近耳にすることの多い「マインドフルネス」とはいったいどのようなものなのかを軽くご説明した上で、気軽に取り組めるお風呂で行うマインドフルネス、その名も「マインドフロネス」についてご紹介させていただきます。

 

みなさんも「自分自身のこころと向き合う時間」を一日の中に少しでも持ち、習慣化してみませんか。

 

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「マインドフルネス」って具体的にどんなこと?


それではまずは、近年注目されている「マインドフルネス」のご紹介です。マインドフルネスとは、「今、この瞬間」の体験に意図的に意識を向け、評価や判断を手放し、注意を向けることによって湧き上がる気づきの状態を差します。ちなみに、この湧き上がる気づきの状態のことを「ウェルネス」といいます。

 

 

これまでの研究では、マインドフルネスを実施することで、不安、抑うつの改善が期待できることが明らかになっています。マインドフルネスとはいわば、「あるがまま」を受け入れる心や脳を、リラックスしながら育てる練習のことです。

 

お風呂のリラックス効果とは?


続いて、お風呂の持つ効果についてのご紹介です。

 

お風呂の目的や期待として、身体の鎮静・温熱・疲労回復・リラックスが挙げられます。若年層から高齢者の男女を対象に行った、リラックス状態に適した入浴時間について調査した研究では、入浴による体温が上がれば上がるほど良いとは言えないそうです。

 

この研究によりますと、ストレス解消に最も適した入浴による体温の上昇は1.1℃が適しているそうです。この1.1℃という体温の上昇は、44歳以下であれば、40℃のお風呂に13分ほど、65歳以上の方であれば40℃のお風呂に19分ほど入浴することで実現できるそうです。

 

 

今回の記事では、マインドフロネスのご紹介をしていますが、忙しくてマインドフロネスを実施できない、、、、という日でも、日常的に理想の温度での入浴を意識してみるのも良いかもしれませんね。

 

お風呂で簡単マインドフルネス!マインドフロネスとは


それでは、改めてお風呂で行うマインドフルネス、「マインドフロネス」についての紹介です。

 

「マインドフロネス」とは、その名の通り「お風呂」で実施するマインドフルネスのことです!日常生活の中で既に習慣化されている入浴と、「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスを組み合わせることで、より身近にマインドフルネスの体験が可能になります。また、入浴とマインドフルネスを合わせることでより自律神経が整い、深いリラックス体験が期待できます。

 

マインドフロネスって実際にどうやるの?


マインドフロネスの効果についてご説明させていただきましたが、実際にはどのような流れで行うのでしょうか。

 

ここからは、具体的なマインドフロネスの実施方法について、マインドフロネスを考案された、小林麻利子さんの新聞記事やご著書をもとに具体的なマインドフロネスのポイントや実践方法について紹介していきます。

 

 

マインドフロネスのポイント

  • 「整う”4分”」…浮力を感じながら呼吸を行い、体の力をゆるめてリラックスしてみよう。
  • 「想う”5分”」…浮力を感じながら、「今、ここ」に意識を向けてみよう。
  • 「結ぶ”1分”」…自分の呼吸に耳を向け、ゆっくりと「今、ここ」の自分に戻ろう。

 

 

Point1 38℃~40℃のお湯に肩まで浸かる

★40℃目安のお湯に浸かると副交感神経が優位になりやすいと言われています。

ご自身の心地いいと感じる温度、感覚で入浴するもよしです。

これから夏に向け暑くなるため、38℃くらいでも大丈夫です。

★肩まで浸かると浮力の効果が高まり、身体が重力から解放されて緊張が緩みます。

★半身浴は熱湯効果や水圧、浮力の作用が半減するので肩まで浸かりましょう。

★お湯に浸かってから、心と身体が落ち着くまで5分~10分程度でより意識が自分に向いていきます。

※最初は短時間から挑戦してみましょう。

 

Point2 呼吸に意識を向ける

★頭の中に浮かぶ不安や考え事をいったん横に置くために、深呼吸をしてみましょう。

鼻から3秒吸って、口から5秒吐く、を3分くらい続けると気持ちが落ち着いてきます。

★深呼吸以外にも、バスタブのお湯が揺れる音など浴室の小さな音に集中してみるのもおすすめです。

 

Point3 本やスマホは持ち込まないで

★”脳を休める”ためには、お湯に浸かっている間は情報を出来る限り遮断することも大切です

★人が受け取る情報の8割が視覚からと言われるくらい、情報は目から入ってくることが多いので、目は半開きにするのがおすすめです。

※目を瞑ると寝てしまう危険性があるので注意してください。

★環境音楽や歌詞のない音楽など意識を覚醒させない音をBGMにしてみるのもおすすめです。

 

Point4 照明は薄暗くする

★副交感神経はうす暗い照明だと優位に働くので、浴室内の照明は消して、脱衣所の灯りをつけた状態にするくらいがちょうど良い明るさです。

★入浴後も、部屋の照明を少し落として過ごすと入浴後の入眠がスムーズです。

 

Point5 香りを取り入れる

★好きな香りは自律神経を整えてくれます。香り付きの入浴剤、洗面器にお湯を張り、アロマオイルを数滴たらすだけでも浴室が香りで満たされます。

★リラックス効果のある香りとして「ラベンダー」が挙げられます。ラベンダーの香りには主観的な心理面だけでなく、自立神経機能においても交感神経を鍛える作用があり、身体的なリラックス効果も期待できるようです。

 

皆さんも、アロマオイルを販売しているお店で自分の好みの香りを探したり、その日の気分でアロマを使い分けてみるのもいいかもしれませんね。

 

【お風呂で実施する上でのリスク】

  • 睡眠を避けるため。目を瞑らずに行うことが重要です。
  • 睡眠欲求が強い際には実施を控え、普段通りの入浴方法で入浴をしましょう。

 

【参考文献】


マインドフルネス

  • 木村洋子(2016) マインドフルネストレーニングについての文献研究 同志社大学 学術研究年報67,79-84.

マインドフロネス

  • 日清製粉グループ ウェルナビ
  • 朝日新聞 広告特集 Bon Marche「マインドフロネスで”脳を休ませる”」
  • 小林麻利子 (2023)「わたし」と向き合う1日10分のお風呂習慣 小林式マインドフルネス入浴法 株式会社インプレス

お風呂のもたらす効果

  • 石澤太市他(2018)ストレス解消入浴法は体温を1.1℃上げる 日本健康開発雑誌 第39号

リラックスできる香り

  • 吉田聡子・佐伯由香(2000)香りが自律神経系に及ぼす影響 日本看護研究学会雑誌, 23 (4), 11-17.

 

【監修】

本山真(精神科医師/産業医/医療法人ラック理事長)

【執筆】

真田

筆者である私自身がこのマインドフロネスに出会ったのは、コロナ禍が始まり生活の変化が見られた時期でした。

当たり前だった生活の環境が急に崩れた中で、「お風呂」という習慣を頭の整理を行う時間に置き換えることで、急な環境の変化も乗り越えられたように感じます。そして、いつの間にか、お風呂の時間が1日の中で癒される楽しみな時間になりました。

みなさんも気軽に自分の意識を見つめてリラックスする時間をもってみるのはいかがでしょうか。

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