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タグ : かなた(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス
2024年10月11日
最近「スマホ指」のニュースを見ました。スマートフォンを使いすぎて指が変形してしまうようです(みなさん大丈夫ですか?)。年々デジタル化が進む時代…。ひと昔前までは直接のやり取りや電話での交流が主流でしたが、目覚ましいデジタル技術の進歩に加え、コロナ流行が拍車をかけ、ビデオ通話、メール、チャットなどの利用が増加しました。今では日常生活を送る上でスマートフォンやPCは欠かせないものですよね。例えば、目的地までの道のりを確認したり、電車乗り換えの時間やホームを確認したり…。現代において、スマートフォンはお財布と同じくらい忘れると困ることが多いかと思います。
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G-life(ジラフ)
デジタル機器が日常生活を送る上で切っても切り離せない存在になった中で、一時期話題になったのが「デジタルデトックス」です。デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやPCなどのデジタル機器との距離を置くことでストレスを軽減し、現実世界(直接・対面)でのコミュニケーションや、自然とのつながりに注目する取り組みです。デジタル機器に全く触れない生活が難しい方でも、デジタルデトックスが気軽にできるよう、一時的にデバイスを手放す「ライトデトックス」というものもあります。論文や各所機関が書いている情報を拝見すると、デジタルデトックスを行うことで、ストレスが軽減する効果を実感している方が一定数いらっしゃるようです。
デジタルデトックスが話題となった理由の1つに、デジタル化が進み、デジタル機器の使用が増加したことで、依存症(ゲーム、インターネット、SNS etc…)の概念が確立されてきたことがあります。依存症…とまではいかずとも、インターネットやSNSを使用する時間が増えてしまい、確認をしないと不安になってしまう方も多いのではないでしょうか?SNS依存症については別ブログ(【精神科医監修】SNSの心理学ーSNSとの健康的な付き合い方ー)で詳しくご紹介していますので、参考にしていただければと思います。
デジタル機器が心身に与える影響について、論文では以下のようなものがあるとされていました。
※抑うつとは、「気分が落ち込んで何にもする気になれない」、「憂鬱な気分」などの心の状態が強くなり、様々な精神症状や身体症状がみられること
上記のような影響があることから、「じゃあ、デジタル機器の使用時間を減らせばいいんだ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな単純な問題ではなさそうです…。というのも、デジタル機器の使用自体が問題なのではなく、デジタル機器の使用に集中した結果、思考がとらわれている状態から抜け出せなくなってしまうことが問題だからです。思考がとらわれている状態というのは、1つの考えが頭の中にぐるぐると繰り返し出てきて、今ここ(現実)に意識が向けられていない状態のことです。例えば、過去の失敗や未来の不安を繰り返し考えてしまい、取り組もうと思ったことに身が入らない状態が挙げられます。この状態から抜け出せなくなると、気分が落ち込んできたり、不安が大きくなったりします。悪循環ですね。
例えば以下のようなケース…
大学生のAさん。バイトやサークルの連絡はチャットが主流で連絡頻度も多く、逐一見ていないと見逃してしまう連絡があります。また、連絡内容を把握していないと話題にのれず、居心地が悪い瞬間も多々ありました。そんな状況が続き、連絡が来ていないか、ちゃんと連絡の確認がきているか不安でスマートフォンをずっと確認するようになってしまいました。大学の講義中も連絡がきているか不安でスマートフォンを確認してしまい、講義に集中できないことが増えました。 |
Aさんは、「連絡を見逃して話題にのれなかったらどうしよう…、コミュニティの輪に入れなかったらどうしよう…」という未来の不安にとらわれてしまっています。そして、大学の講義に集中できないという支障がでています。
では、思考がとらわれている状態から脱するには、どうしたらいいでしょうか?方法の1つとして、行動から思考を変える取り組みがあります。他の行動をすることで強制的に思考を切り替えます。具体的な取り組みとして、以下ご紹介します。
①リラックスする時間を作る
日光浴、温泉、キャンプなどが代表的です。実際に研究でも取り扱われることが多いです。また、自然と触れ合うことで自律神経が整う効果もあり、一石二鳥です(関連項目:自律訓練法とは|公認心理師がリラックス法を解説!)。
【参考】公認心理師執筆|自然セラピーとは?自然の持つリラックス効果を解説
②不安が軽減していることを実感する
不安は誰しもが感じるものなので0にすることはできません。しかし、時間とともに不安は下がっていくものです。不安を感じている状態から、違う行動をしてみて、その結果不安がどう変化したかを自身で振り返ってみると、不安が下がっているのを実感できると思います。自分の感情や状態を記録するアプリもあるので、活用してみてもいいかもしれません。
参考文献
【執筆】 かなた(公認心理師・臨床心理士) 今回はデジタルと思考のとらわれについてお話していきました。便利なものにもデメリットはあります。利用する際には、正しい知識を持っておくことが重要だと改めて感じました。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |