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パートナー間の問題解決をサポートするカップルカウンセリングの全貌

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2025年5月30日

カップルカウンセリングとは?パートナーシップの改善を目指すサポート

カップルカウンセリングは、パートナー同士が直面する問題を専門家のサポートのもとで話し合い、関係性を再構築していく心理的支援のひとつです。アメリカなどでは一般的な手法として定着していますが、日本ではまだ耳慣れないという方も多いかもしれません。

本コラムでは、「すれ違いが増えた」「喧嘩が絶えない」「将来のことで意見が合わない」といった悩みを抱える方に向けて、カップルカウンセリングの効果や進め方、相談できる内容、注意点などを専門的な視点からわかりやすくご紹介します。

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カップルカウンセリングとは?


カップルカウンセリングは、パートナー間の関係性を改善し、問題解決を目指すカウンセリングサービスです。一般的なカウンセリングは、相談者とカウンセラーの1対1で行われますが、カップルカウンセリングでは、相談者2人(パートナー)とカウンセラー1人の3人で話し合う形が基本となります。場合によっては、個別に面接が行われることもあります。

カップルカウンセリングでは、通常、10〜15回のセッションを経て、関係性改善に向けた具体的なアクションプランを立てます。カウンセラーはアドバイスを与えるのではなく、パートナーが自ら問題に対処できるようサポートを提供します。

カップルカウンセリングを受けられる人


カップルカウンセリングは、婚姻関係にあるか否かに関係なく、親密な関係にある二人であれば誰でも受けることができます。

交際中のカップル、事実婚のカップル、同性カップルも対象です。また、離婚後の関係性を改善したい方にも有効です。

実際に20〜30代のカップルから、長年連れ添った熟年夫婦まで、幅広い年代の方が利用しています。

カップルカウンセリングで解決できる問題


カップルカウンセリングでは、以下のような問題について相談が可能です。

コミュニケーションに関する悩み

例:喧嘩が多くなり、お互いに言いたいことが伝わらない、話し合いがうまくいかない。

愛情に関する悩み

例:愛情表現が少なく、セックスレスが続く、不倫や浮気の問題。

共同生活に関する悩み

例:家計や生活設計について意見が合わない、子育てに関して考え方が異なる。

二人の決断に関する悩み

例:結婚の意思に対する不安、同居や子どもの有無を巡る意見の違い。

外部要因に関する悩み

例:互いの家族との関係、健康問題に関する悩み。

カップルカウンセリングが必要な理由とは?


カップルカウンセリングに対して、二人の問題は自分たちで解決すべきだと考える方もいるかもしれません。しかし、カウンセリングを受けることによって得られる効果は少なくありません。

感情的な障害を解消しやすくなる

お互いの感情が絡み合い、問題が解決できないとき、カウンセラーが中立的な立場で介入することで冷静に話し合いができ、感情的な障害を解消できます。

第三者の視点が有益

パートナーとの関係において、どうしても感情的なバイアスがかかってしまうことがあります(関連項目:【傾向と対策】感情に関わる5つの認知バイアス|臨床心理士・公認心理師が解説)。カウンセラーという第三者の視点を取り入れることで、問題を客観的に見つめ直すことができます。

解決策を一緒に考える過程が重要

カウンセリングの目的は単にアドバイスをもらうことではなく、パートナーシップの問題を一緒に解決する方法を見つけることです。カウンセラーは、二人が協力して解決策を導き出す手助けをします。

カップルカウンセリングによって期待できる効果とは?


カップルカウンセリングを受けることで、以下のような効果が期待できます。

問題の明確化

二人の関係に繰り返し現れる問題のパターンを特定し、改善すべき具体的な課題を明らかにします。

相互理解の向上

お互いの価値観や経験を深く理解し、どのような背景から現在の行動が生まれているのかを理解します。

コミュニケーション能力の向上

効果的なコミュニケーションスキルを身につけることで、日常的な対話の質を向上させ、将来的な問題を未然に防げるようになります(参考:機能的アサーションとは?ー本当のI am OK! You are OK!ー)。

カップルカウンセリングを始める前に知っておきたい4つのポイント


カップルカウンセリングを始める前に、以下の点に注意して準備しましょう。

信頼できる専門家を選ぶ

カップルカウンセリングは専門的な知識が必要です。カウンセラーの資格や経験を確認し、信頼できる専門家を選ぶことが重要です。

料金の目安を確認する

料金はカウンセラーやサービスの内容によって異なりますが、一般的には1セッション(60分)あたり15,000円程度が目安です。

解決策を二人で見つける心構え

カウンセラーは解決策を提示するわけではなく、問題解決のために二人が冷静に話し合う場を提供します。アドバイスを求めるのではなく、自分たちで答えを見つける過程をサポートしてくれる存在です。

手段の最適化

下記に該当する場合、心当たりがある場合は、カップルカウンセリングを始める前に最適な手段を検討しましょう。

  • DV(ドメスティックバイオレンス)がある場合

DVとは、身体的な暴力に限らず、言葉によるもの、経済的な虐待、心理的な暴力などが該当します。カップルカウンセリングを検討しようと思ったきっかけがDVに該当するかもしれない場合、まずは専門の窓口に必ず相談してください。各自治体に無料の窓口が設置されている他、下記のような窓口もあります。

DV相談+(内閣府)

  • パートナーのどちらか、いずれもがメンタルヘルス不調を自覚している場合

例えば睡眠や食欲の変調、気分の落ち込みやイライラなどメンタルヘルス不調を自覚している場合には、まず精神科を受診し、治療の要否について医師の判断を仰ぎましょう。特にうつ状態が進行している場合には心理的視野狭窄により極まった結論に至りがちです。治療の適応がある場合には、同居や別居、離婚や復縁といった決断は一旦先送りにすることをおすすめします(もちろん例外はありますので主治医の判断を仰ぎましょう)。

  • パートナーのどちらか、いずれもがすでに精神科に通院している場合

カップルカウンセリングを始めてもいいか、主治医に確認しましょう。

カップルカウンセリングは、パートナーシップにおける問題を解決するための有力な手段です。コミュニケーションや信頼関係の向上を通じて、より健全で深い関係を築くことができます。もし関係に悩んでいるのであれば、専門的なサポートを受けて、二人の未来を一緒に考えてみることをお勧めします。

 

【執筆】

chico(公認心理師・臨床心理士)

二人の問題について、どちらか一方だけがカウンセリングを受けたり、それぞれが異なるカウンセラーについたりすると、事態が改善しないだけでなく、悪化してしまう危険性もあると言われています。ぜひカップルカウンセリングをご検討ください

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