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2024年1月19日
みなさんは「お互いが心地良いと感じるコミュニケーション」ってどんなコミュニケーションだと思いますか?お互いが自分の気持ちを話せて尊重し合えることは理想的ですよね。具体的にどんなコミュニケーションを取ることで実現できるのでしょうか?
近年では、自分と相手を大切にする自己表現、「アサーション」を意識したアサーティブなコミュニケーションのニーズが高まり、書籍だけでなくSNSや雑誌などでも取り上げられています。弊社のブログでも、これまでコミュニケーションメソッドである「アサーション」に対する記事をいくつか掲載しています。
コミュニケーションの3つのタイプ等を紹介していますのでご覧ください。
今回の記事では、多様化しているアサーションの中でも「機能的アサーション」について詳しく紹介していきます。
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アサーションは行動療法と呼ばれるアプローチにルーツを持ちます。そもそものアサーションには、育ちの過程で身に着いた”自分をセーブする習慣”を、拮抗するアクションである”自己主張”によって上書きするという狙いがありました。当初のアサーションにおける自己主張は、率直であれば率直であるほど効果があると考えられていたのでしょう。その後、アサーション=”率直な自己主張”というコンセプトは、アメリカの公民権運動に活用されることになります。
様々な変遷を経てアサーションは、”セラピーとして”、”人権を主張する在り方として”、”コミュニケーションの手法として”、そして”コミュニケーションのトレーニング”として各方面に発展するわけですが、”率直な自己主張”は基本発想として受け継がれています。
コミュニケーションとしてのアサーションに話を絞りましょう。お互いに率直な自己主張をする。一見、成熟したコミュニケーションのようにも感じられますが、”率直さ”は場面・状況によっては意図している以外のメッセージ性を帯びることがあります。自分は思っていることを率直に伝えられたと感じていても、率直なメッセージを受けた相手は内心『攻撃された』と感じているかもしれません。
(本ブログの主旨を踏まえ敢えて分類するとして)”従来型”アサーションには「率直であるがゆえ要望が通らない可能性」と、「相手の受け取り方によっては攻撃的になってしまう可能性」の2つのリスクがあるわけです。従来型アサーションの持つリスクを考慮したアサーションが、三田村仰先生の提唱する「機能的アサーション」です。
三田村(2020)にて、従来型アサーションにおける「率直であるがゆえ要望が通らない可能性」に対しては、”メッセージが伝わることの優先度を高めるため率直な表現にこだわらないこと”、「コミュニケーションの受け取り方によっては攻撃的になってしまう可能性」に対しては、”相手にとって適切なコミュニケーションを心がけること”が具体的なリスクヘッジとして整理されています。
やや極論ですが、従来型アサーションはいかなるリスクを内包しても自己主張をするといったコンセプトであるのに対し、機能的アサーションは(自己主張を前提として)メッセージをいかにより良く伝えるというコンセプトだと換言できるかもしれません。
アサーションが”機能的アサーション”であるためには、どういったポイントを意識したらいいのでしょうか。本ブログにおいては、三田村(2020)を参考に、今日からでも取り組みやすいポイントを紹介します。
目標を設定して取り組む
機能的アサーションを行う上で重要なのは、目標を設定すること、つまり”これから行おうと思っているコミュニケーションにどういった機能を持たせたいか”ということです。先述の例で言えば”仕事を依頼する”という機能を持たせたいコミュニケーションであるわけです。”率直な自己主張をすること”は手段であって目的ではありませんし、結果仕事を依頼できなかったのであれば折角のコミュニケーションが無駄になってしまいます。どう伝えることで、目標を達成できるか(逆に言えば目標以外の機能を持たせずに済むか)について意識をして取り組んでみましょう。
コミュニケーションを振り返る
目標を設定したうえでコミュニケーションに取り組んでみたあとは、振り返りを行ないましょう。実際に目標を達成できたのかどうか、という結果の振り返りに加えて、伝え方は目標を達成するのに適う方法であったか、目標設定は妥当であったか、相手にとって攻撃的ではなかったかなどが対象となり得ます。伝え方のバリエーションを増やすという点で、友人や職場の先輩に相談してみるのもいいかもしれませんね。
参考文献
【執筆】 真田(公認心理師) 自分の気持ちを正確に伝えるってなかなか難しいですよね。筆者である私も日々コミュニケーションの勉強中です。 言葉選びや、表現が難しくてモヤモヤすることもあります。それでも相手に気持ちが伝わった瞬間、心地よい達成感に包まれませんか。 こういった達成感が、私たちを成長させ、人とのつながりを深めてくれているのだと思います。 みなさんも自分と向き合い、相手と向き合いながら、お互いの豊かな人間性に触れ、新しいコミュニケーションに日々挑戦してみましょう! |