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タグ : かなた(公認心理師・臨床心理士) , 産業精神保健
2026年9月11日

目次
働くうえでコミュニケーションは欠かせないものですよね。近年は在宅勤務の定番化など、働き方が多様化しています。働き方の多様化により、コミュニケーション手段が増える場合もあれば、コミュニケーション機会が少なくなる場合もあります。
また、外国人雇用や障がい者雇用に限らず、育児・介護、年齢、雇用形態、体調、言語や文化の違いなど、職場にはさまざまな背景を持つ人がいます。そのような職場環境の中では、コミュニケーション方法自体にも工夫が必要になっているかと思います。
そこで、今回は職場のコミュニケーションを活性化する方法についてご紹介します。
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コミュニケーションを活性化する方法をご紹介する前に、コミュニケーションの重要性について整理します。そもそもなぜコミュニケーションが大事かというと、「業務を円滑にすすめるため」です。
仕事というくくりの中では、誰ともかかわらず完結する仕事はないに等しいです。自営業の方でも、契約先の方とコミュニケーションを取る必要はありますよね。
仕事に必要な情報共有や確認は、単なる「できればよいこと」ではなく、業務を成立させるためのmustです。一方で、雑談や関係づくりは、全員に強制するものではなく、負担の少ない形で参加できる余地として設計することが大切です。そして、コミュニケーションがうまく取れると、業務の効率化やワークモチベーションの向上、役割意識の向上など様々なプラスの効果が生まれます。
ここで、「仕事は割り切ってるし、必要以上のことはしゃべりたくない人もいるのでは?」と思う方がいるかもしれません。
おっしゃる通りです!
そして、そのような方がいる職場ではなおさらコミュニケーションが重要になってきます。自然に活発なコミュニケーションが生まれる条件に加えて、必要な人が、負担のない範囲で関われる条件も満たす必要があります。
コミュニケーション活性化とは、単に会話量を増やすことではありません。必要な情報が必要な人に届き、困った時に相談でき、確認すべきことを確認できる状態をつくることです。
コミュニケーションの重要性、お分かりいただけましたでしょうか。では次に、コミュニケーションを活性化する方法についてご紹介します。
まず、「コミュニケーションの機会を作る」です。
例えば、個人作業が多い職場だと、関係性の構築につながる会話や他愛ない会話をする機会は、普段の業務時間内ではなかなか取れないことが予想されます。そのような職場でなくても、仕事の忙しさに波がある、精密な作業を求められるがゆえに緊張度が高いなどの職場の場合、なんだか話しづらいな…という雰囲気や環境になっている可能性があります。
そこで活用できるのが、イベント(規模は問わない)や定例ミーティング、連絡媒体に雑談用のチャンネルをつくる…などです。イベントは、ウォーキングイベントや一緒にお菓子を食べる企画、好きなものについて語る会など、各職場の雰囲気や職員の需要に合わせて開催してみても面白いかもしれません。
なお、イベントは、関係性づくりのきっかけになる一方で、強制参加にすると負担感や不公平感につながることがあります。目的を明確にし、自由参加を基本にしながら、参加しないことが不利にならない設計が大切です。
定例ミーティングでは、職員みんなが顔を合わせる場を作ることで、一体感がうまれます。また、必要な業務の確認などもできるので、多くの会社が導入している代表的なものです。「うちは小規模だから…」という中小企業の方でも、ミーティングという枠をつくるだけで、新たなコミュニケーションの展開が生まれる可能性もあるので、やってみる価値はあると思います。
定例ミーティング導入を検討する際は、単に回数を増やすのではなく、目的・時間・参加者・発言機会を明確に設計することが成功の秘訣です。短時間のチェックイン、議題の事前共有、発言しやすい順番づくりなどがあると、参加の負担を下げやすくなります。
次に、「従業員のコミュニケーションスキルを上げる」です。コミュニケーションが非活発化な理由として、「本当はもっとコミュニケーションしたいが、どのタイミングで、どのように声をかければいいのかわからない…」という方や、様々な理由からコミュニケーションしづらい・できない状態になっている可能性があります。
上記を解消するだけでなく、職場全体でコミュニケーションを円滑にするために、コミュニケーションについて考え、学ぶ機会を提供するのも1つの手です。例えば、職場全体で1つのコミュニケーションテーマについて話し合うことで、「一般的なコミュニケーション」ではなく、職場の雰囲気や環境も考慮したコミュニケーションについて認識の統一が見込めます。
コミュニケーションを個人のスキルだけに任せるのではなく、上司や組織が「質問してよい」「確認してよい」「違和感を伝えてよい」と思える環境を整えることも重要です。
上記にあげた方法以外でも、共有スペースやフリーアドレス制も、コミュニケーションのきっかけになることがあります。ただし、集中しづらさや居場所の不安定さを感じる人もいるため、静かに作業できる場所や固定席の選択肢もあわせて検討することが大切です。
皆さんも、ぜひ自身の職場に合いそうな方法を見つけてください。
上記でコミュニケーションを活性化する方法について紹介しましたが、いくつか注意点があります。
まず、前述した通り負担のない範囲での実施が必要になります。例えば参加を強要したり、実施により仕事の負荷が増えたりしたら元も子もありませんし、逆効果になってしまいます。
また、方法を誤ると、積極的な方だけコミュニケーションが活性化し、アプローチしたい層には刺さらない場合もあります。方法の取捨選択や、導入によりどのようなことが予想されるかというリスクマネジメントも必要です。
【執筆】 かなた(公認心理師・臨床心理士) 「コミュニケーションの活性化」は、ただコミュニケーションを増やすのではなく、みんなが安心してコミュニケーションを取れる環境を整える、または機会をつくることで可能になると思っています。みなさんも自分にとって、コミュニケーションしやすいってどういうことだろう?を考えて、職場の方とぜひ共有してみてください。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |