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精神科医監修|記念日反応とは?公認心理師が症状と対策法を解説

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2023年9月22日

最終更新日 2024年3月2日

記念日反応とは何か、精神科医監修にて公認心理師が症状と対策法を解説

 

大切な人との離別。

この季節が来るたび心が辛くなる。

○年前の今日を思い出すと涙が止まらない。

 

上記のような経験がある方、またそのようなお話を聞いたことがある方もきっといらっしゃいますよね。今回は人間に備わっているこんな反応について解説します。

 

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記念日反応とは


実は、このように特別な日や時期になると心身の調子を崩すことを「記念日反応」または「命日反応」と呼びます。大事な人を亡くした命日やその大事な人に関連する日(誕生日、結婚記念日など)、大きな災害や事件に遭遇した日から1週間、1ヶ月、1年と節目の日になると不調が生じる場合が多いと言われていますが、年度変わりやお盆、お正月といった限定された時期になると不調が出現する人もいます。心だけではなく体に痛みやかゆみが出ることもあると言われ、その出来事があった季節自体につらさを感じる人もいるようです。

 

記憶の中に出来事と日付が一緒にインプットされているため、意識していなくてもその日が近付くと心身が勝手に反応してしまうのです。どうすることもできず非常につらい状態ですが、これは深い悲しみや苦しみから自分自身を守るための自然な反応であり、だれにでも起こりうることなのです。

 

記念日反応の症状


記念日反応にはどのような症状が出現するのかと言うと、次のようなものが挙げられます。

 

  • 気分が重く沈んで憂鬱になる
  • 何も楽しめない
  • 将来に希望がもてない
  • 何も感じられず悲しいという気持ちさえ起きなくなる
  • 不安やイライラ
  • 罪悪感が強くなる
  • 食欲低下
  • 集中力低下
  • 胃痛、頭痛、めまい
  • 疲れやすくなる
  • 眠れない、寝ついても夜中に目がさめてしまう
  • ソワソワして落ち着かない

など様々です。

 

普段できていることができなくなったり、誰とも会いたくなくて自宅に引きこもったり、中には正常な判断ができずに危険な行動に出てしまう人もいて、生活に支障をきたすこともあります。寝ていれば気楽かというとそうでもなくて、同じ出来事を夢の中で繰り返し見てしまう人もいます。

 

多くの場合、時間の経過とともに少しずつ状態が落ち着き、日常の生活を取り戻していくのですが、それにかかる時間や反応の強弱は人それぞれなので、受け入れられるようになるまではそれなりの期間を要します。数日から数週間で回復する人、何年か経過してやっと回復の兆しが見えてくる人、記憶が続く限り苦しみが消えない人…。

 

 

いつまで続くのか分からないつらさに心が折れそうになるかもしれませんが、記念日反応が異常なものではないことを理解し、心身に不調が生じたときにはどのように対処したら良いかを自分なりに考えておくことが重要です。

 

記念日反応の対処法


出現する症状に加え症状持続の期間も人それぞれな記念日反応。対処法も個人個人で違います。

 

仕事をしていた方が気がまぎれるという人がいれば、仕事は手につかないからしばらく休みたいという人も居ます。誰にも会わずに1人で昔の記憶に浸っていたいという人がいれば、誰かと一緒に思い出話をしたいという人もいます。自分がどのタイプなのかを知ることで、上手に対処できるようになるかもしれません。

【参考】

 

でも、無理は禁物です。気持ちを抑え込んで我慢してしまったり、自分や誰かのせいだと責めてしまったり。それでは対処しきれず益々つらくなってしまいます。また、簡単ではありませんが職場や支援してくれる方々に自分の状態を伝えておくことで、配慮や手助けが得られる可能性も考えられます。

【参考】

 

写真、動画など故人やきっかけとなった出来事を思い出すような情報を意図的に避けることも心の平穏を保つためには必要な手立てと言えるでしょう。映像のように目から入る情報は、無意識にその体験を思い出す引き金になりやすいと言われています。些細な変化にも気付けるように、日頃から自分の気持ちの揺れや体が発するサインに敏感になっておくことも大事です。自分なりの儀式や活動を決めておくことで安心感が得られる場合もありますし、何もせずただ自宅でゆっくりするだけでも良いかもしれないですね。

 

強い悲しみが長引くことで気分の落ち込みや不眠、食欲不振といった症状が続きうつ病を発症したり、根拠のない不安や予期不安から動悸、発汗などが起こる不安障害の症状が出現したりすることもあります。中には死別や離別のショックが強いあまりトラウマ体験となりPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する人もいます。

【こちらもどうぞ】

 

様々なことを試しても自分ひとりではどうしても対処できないと感じるときは、専門機関を頼り少しでもつらさを減らして生活できる方法を一緒に考えてもらったり、一時的にお薬の力を借りたりして乗り切る方法を探しましょう。

 

【解説】

ふ~みん(公認心理師)

自治体によっては同じような悲しみを経験した人々が集まれる場を設けているところや、電話で直接話を聞いてくれる窓口を設置しているところもあるようです。

また、自分自身のことではなく身近な人が記念日反応に苦しんでいると知ったときは、意見や対処法を押し付けることのないよう寄り添いながら相手が必要としているサポートを提供できるように心がけ、いつでも力になりたいと思っていることを伝えておくのが良いかもしれないですね。

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【監修】

本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長)

2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。

 

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