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タグ : オンラインカウンセリング , メンタルヘルス , 若丸(公認心理師・臨床心理士・健康経営エキスパートアドバイザー)
2020年8月7日
最終更新日 2024年2月10日
目次
“オンライン”。新型コロナ感染症拡大~5類移行を経て、世の中で身近になった言葉の1つですよね。リモートワークやオンライン会議、オンライン飲み会、オンラインでのヨガだったり、オンラインフィットネスだったり、幅広く活用されています。
実はメンタルヘルスサポートの領域では、プレコロナからすでにオンラインでのアプローチが活用されていたんです!今回はオンラインによるメンタルヘルスサポートについて、特に妊娠・出産・子育てに関わる方へのサービスを中心にご紹介します!
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オンラインサービスとは、遠方にいる人同士がインターネット上でやりとりをするサービスのことを指します。通信環境が整っている場所であれば、スマートフォンやPCから利用できますね。例えば、金融機関の口座開設手続きであったり、スマートフォンの契約などは新型コロナ感染症以前より普及していました。医療機関でのオンライン診療は、コロナ後よく知られるようになって爆発的に広まったオンラインサービスの一つでしょうか。
オンラインサービスの普及により、時間と場所という制限から解放された“自由度の高いサービス”の提供が可能になりました。タイムラグが生じやすかったり、途中で途切れてしまったり。まだまだ技術的、インフラ的に改善の余地があるのは事実ですが、いずれ解消されていくでしょう。
メンタルヘルスサポートの1つであるカウンセリング。カウンセリングもオンラインで提供されているサービスの一つです。オンラインカウンセリングは、手紙でのカウンセリング、電話カウンセリング、メールカウンセリング、チャットカウンセリングのように、ツールの進化に合わせて生まれた手法です。最近ですと、SNS相談(LINE相談)という手法も登場しています。
オンラインカウンセリングの料金は、一般的な対面のカウンセリングよりは安価である場合もありますし、カウンセリング機関によりそれぞれです。支払い方法としては、クレジットカード決済や電子マネーを利用したり、銀行振り込みというパターンが多いですね(弊社は銀行振り込みです)。カウンセラーとして、実際にオンラインカウンセリングを実施していて感じるメリット・デメリットは以下の通りです。
オンラインカウンセリングのメリット・デメリット
【メリット】
【デメリット】
*カウンセラー的には、デメリットの多くは、慣れで解消される気がします
メリットについて少々補足しておきます。事情は人それぞれですが、ご自宅からなかなか出られない方は多くいらっしゃいます。お子様や介護を必要とする方がおうちにいらっしゃる場合、多くは外出に条件・制限がつきますよね。メンタルヘルス的には、外の世界に対する怖さや不安感、うつ病の症状としての億劫さによって、結果として、不登校やひきこもり状態に陥っているケースもよくあります。
お困りごとがあるにもかかわらず、上記のような理由で、ひとりで抱え込まざるを得ない状況に陥っている方は少なくないのではないでしょうか。そういった方にこそ、オンラインカウンセリングをご活用いただきたいと思っています。
こちらもどうぞ!
【公認心理師解説】オンラインカウンセリングのメリットと注意点!
“妊娠・出産・子育て(周産期)”には様々な悩みがつきものです。そこで今回は周産期に関わる皆さん”に知っておいていただきたいことをまとめてみました。これからお話しすることは、妊娠・出産を実際に経験される女性のみならず、そのパートナー、ご家族、友人や同僚など、周産期に関わるすべての皆さんにとってお役立ち情報になることを期待しています。
周産期は、からだやこころ、親役割といった個人内の変化から、職場環境や生活様式などの外的な変化まで盛りだくさんです。新しい命を授かり、家族が増えるという一見幸せいっぱいなイベントですが、実は、周産期に精神疾患にかかるリスクは非常に高いのです。事実、過去10年間の東京都23区における妊産婦の異常死89例のうち、なんと63例が自殺だったというデータがあります。
【参考】妊産褥婦の自殺(厚生労働省)
幸せなイメージが強い“妊娠”、“出産”という家族にとっての一大イベント。その幸せの裏側には、大きな不安が隠れていることがあります。
『無事出産できるのかな』 『妊娠で体型が変わっちゃうのかな』 『ちゃんとしたお母さん/お父さんになれるのかな』 『子どもは問題なく成長してくれるかな』 『病院の先生は優しくフォローしてくれるのかな』 |
妊娠・出産を体験している女性やそこに寄り添う方々の不安は多岐にわたります。場合によっては、望まない妊娠により、からだもこころも不安定になることもあるかもしれません。幸せいっぱいな雰囲気の渦中にいるからこそ、こころの中にある不安感を表に出しづらい。何らかの理由があって望まない妊娠をしたからこそ、人に言いづらいこともある。
置かれている状況はそれぞれですが、不安な気持ちをひとりで抱え込む可能性は両者ともに高いでしょう。そこから予期しない自殺まで追い込まれてしまうケースも少なくないのです。
繊細な時期のご自身や大切な方の命を守るためのサポートは、世の中に意外とあります。その一部分ではありますが、このあとご紹介いたします。
〇地域保健領域
市町村で実施されている妊婦検診、1歳6ヵ月健診、3歳児検診などがあります。 母体の安全や子どもの成育について定期的に確認します。
必要に応じて、保健師・助産師・保育士等がご自宅へ訪問します。 子育て等について心配なことがあれば、適宜アドバイスがもらえます。
母子保健対策の専用窓口にてご相談いただけます。 母子または乳幼児を対象として、健康の保持・増進を図るためにサービスを提供しています。
公共施設などに常設の広場を開設する“ひろば型”、児童福祉施設や公共施設にて地域の子育て支援情報を集約している“センター型”、学齢期の子どもが来館する前の児童館や児童センターにて支援を行う“児童館型”といった種類があり、それぞれに役割があります。 いずれも、親子が交流する場の提供、子育て等に関する相談受付、地域の子育て支援情報の提供などに取り組んでいます。
〇福祉領域
子どもの健康、性格や行動など、子育てに関するあらゆる相談を扱っています。 場合によっては、各関連機関と連携しながら支援を進めていきます。
子どもや生活に関する相談を受けており、適切な福祉サービスを提供しています。 ひとり親家庭への援助もあります。
名称は様々ですが、都道府県や各自治体が設置している女性専用の相談窓口です。 女性が抱える悩み全般に対し、情報提供や相談業務、研究などを行っています。
〇医療領域
妊娠中、出産、出産直後の母体や子どものサポートを行います。 周産期に最も身近な存在になるのは、産婦人科の先生なのかもしれません。
出生した子どもの健康をサポートします。 親子のこころの健康を守る役割としても、重要な立ち位置にいます。
周産期は、ご本人・ご家族にとって繊細な時期です。 上述したような多くの要因が絡み、こころの不調が出現することがあります。 その場合は、精神科や心療内科にて適切な治療を受けることをお勧めします。 妊娠中や授乳中の服薬が心配な場合にもご安心ください。 精神科の薬を使わない治療もあれば、必要最小限の量を服薬することで大きな改善が見込める場合もあります。 妊娠と薬の関係については主治医の先生にご相談いただくのが1番ですが、厚生労働省事業である妊娠と薬相談センターにも情報が記載されています。 |
上記に挙げたサポートは、原則としてご本人がその場へ往訪することが前提となります。妊娠中、出産前後、子育て中であれば、自由に外出できないこともありますよね。そこでサポート資源として、“オンラインカウンセリング”を選択肢の1つとして加えていただきたいのです。
オンラインカウンセリングによるメリットは、“ご自宅から出られない場合にもサービスを受けられる”ことです。周産期特有の不安について相談したい場合はもちろんのこと、何をどこに相談したら良いのかわからない場合にもご活用ください。
【執筆】 若丸(公認心理師・臨床心理士・健康経営エキスパートアドバイザー) かねてより進行していた核家族化、社会構造の変化、働き方の多様化。ひとりひとりが孤立しがちな社会になっています。こういった状況において、何かの理由で自宅から出られなかったり、自由に使える時間が限られていたりすると、困ったことがあっても誰かに頼ることなく(もしくは頼りたくても頼れず)頑張りすぎてしまうこともあるかもしれません。
カウンセリングで言えば、対面にてサービスを受けるという方法だけではなく、オンラインにてサービスを受けるという選択肢があるのです!皆さんが今後も自分らしく生きていくために、いざというときの選択肢は多ければ多い方が安心でしょう。周産期は様々な悩みごとがつきものです。オンラインカウンセリングを是非選択肢の一つに加えてください。
【監修】 本山真(日本医師会認定産業医|精神保健指定医|医療法人ラック理事長|宮原メンタルクリニック院長) |