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精神科医監修|朝動けないのはなぜ?お腹は空くのに動き出せない理由と対処法

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2025年7月18日

朝、お腹は空くのに動き出せないのはなぜ?心理と身体の仕組みから読み解く

皆さん、休日の朝はすぐに布団から出られますか?

お仕事がある日や午前中から予定がある日については、朝起きて布団から出て、身支度をしたり家事をしたりしていると思います。ところが、休日になると動き出すまでにとて~も時間がかかりませんか…?

お腹は空いているし、起きたらあれをやろう、これをやろうと色々考えているにも関わらず、なかなか動き出せないことはありませんか…?

 

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朝動けないのはなぜ?


朝、頭ではやることがわかっているのに体がついてこない──そんな経験はありませんか?
実は、私たちの体と心は、朝起きてすぐに活動できるようにはできていないのです。

自律神経の切り替えが未完了

起床直後はリラックス状態(副交感神経)から活動モード(交感神経)へ切り替える過渡期。だるさや倦怠感が残りやすい時間帯です。

エネルギー不足

朝は血糖値が低く、エネルギーが不足しています。動くための「燃料」が足りない状態です。

脱水状態にある

睡眠中に失われた水分により、朝は軽度の脱水状態になりがちです。これが交感神経優位を招き、ストレス感を強めてしまうことも。

室温の寒暖差

特に冬場は、布団と部屋の温度差で自律神経が乱れ、布団から出るのが億劫になります。

 

いかがでしょうか?

朝は体が動き出すための準備段階にあるため、そもそも動き出すのが大変なのです。『予定があれば動き出せるのはなぜ?』と感じる方もいらっしゃるかもしれません。それは、決まった予定があることが(相手がいる予定であれば特に)動き出すきっかけになるからです。

休みの日で、やりたいことがあっても別にやらなくていいことだと意欲を保つのは意外と大変です。

そこで、どうすれば動き出せるのか、対処法を考えていきます。

 

朝スムーズに動き出すための対処法


無理に活動しようとしても、リラックスモードの体だと怠さを感じやすいので、まずは体を活動モードに徐々に切り替えていく必要があります。「朝動けない」を改善するには、体と心をやさしく目覚めさせる環境づくりがポイントです。

寝室の室温を一定に保つ

まずは起きる時に室温が極端に低かったり高かったりしないよう、調整しましょう。季節に合わせてタイマーを活用し、起床時間に合わせて室温設定を。自分が快適だと感じる室温を保つようにしましょう。

参考:厚生労働省 e健康づくりネット

水分補給から始める

朝は体の水分量が減少しているため、そのままにしておくと脱水状態になり、体が余計にストレスを感じてしまいます。そこで”コップ一杯の水を飲むこと”が有効です。

水を飲むことで、胃腸の動きが活発になり、副交感神経も高まることで自律神経のバランスが取れていき、体が活動モードに切り替わっていくのです。

朝布団から出られない状態だと、キッチンまで行くのも億劫だというあなた。前日の夜、寝室に水を用意しておくと良いかもしれませんよ。

軽い朝食でエネルギー補給

朝はエネルギーが不足しています。そこで、パン一枚、ご飯一杯など”軽く”でもいいので朝食を摂りましょう。朝食を摂ることでさらに胃腸の動きが活発になり、何よりエネルギーを補給できるため体を動かす準備が進みます。

朝動けない時のために、ヨーグルトやバナナなどを買っておくと安心です。

ストレッチや朝散歩を取り入れる

もし”少しであれば動けそう”と感じるコンディションであれば、ストレッチなどを行って軽く体を動かすと、自律神経の切り替わりを促すことができます。急に走ったりするのではなく、ゆっくりとストレッチをしてみたり、朝の散歩をしてみたり、無理のない運動から始めましょう。

無理なく体を動かすことで、自律神経の切り替えがスムーズに。日光を浴びるとセロトニンも分泌され、気分も上向きになります(関連項目:【精神科医監修】運動がメンタルヘルスに及ぼす効果ー健康経営®の活用例ー)。

 

まずは「できることから」始めるのがカギ


対処法をすべて一度に完璧に実行しようとするとかえって挫折しがちです。
まずは水を飲むことから、朝食を少しだけとることから…。人間のやる気は、行動によって促進されることが知られています(関連項目:回避はデメリットだけではない!メリットを活かすうつの行動活性化療法)。小さな一歩を習慣化することで、朝の過ごし方が少しずつ変わっていきますよ。

 

【監修】

本山真(精神保健指定医/日本医師会認定産業医)

東京大学医学部卒業後、精神科病院、精神科クリニックにおける勤務を経て、2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニックを開院。メンタルヘルスサービスのアクセシビリティを改善するために2019年株式会社サポートメンタルヘルス設立。

執筆】

ぶち(臨床心理士・公認心理師)

普段からお仕事などで疲弊していると『休日くらいちょっとゆっくりしたい』と思われるかもしれません。ところが、その”ちょっと”で生活習慣が崩れるとその後の生活に影響が出てきてしまいます…。

最低限できそうな習慣を身につけて、生活習慣の維持を心がけましょう。

もちろん、朝最低限の活動ができたら、その後はゆっくり過ごしたり、趣味や気分転換の活動をしたり、自分がやりたいと思っていたことをやっていけると良いですね。

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