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タグ : かなた(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス
2025年1月24日
目次
皆さんは漢方薬を飲んだことはありますか?私は月経前に肌荒れするので、皮膚科で漢方を処方してもらっています。が、正直効果があるからというよりも、飲んだ方がいいだろうなあと思ってなんとな~く飲んでしまっている部分があります。医療に携わる者として、こんな生半可な状態じゃいかん!と思いまして、今回は漢方、ひいては東洋医学について調べてみました。調べてみると東洋医学は奥深く、探求を進めると長い旅になりそうだったので、今回はざっくりとした基本的な知識を中心にお届けします。東洋医学初級者(興味あるよ~という方)向けかと思います。
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みなさんは東洋医学と聞いて何が思い浮かびますか?私はウコンや葛根湯などの漢方が思い浮かびました。また、何か病気になったわけではなさそうだけど、ちょっと体の機能が弱ってるかな…というときや、予防の観点から体の調子が悪くなりそうな時に飲むイメージがあります。あとは、「ザ・体にいい」匂いがすることでしょうか(笑)。先述した内容の多くが漢方に関連するものでであるように、ネットで「“東洋医学”“イメージ調査”」と調べると漢方のイメージ調査がたくさん出てきます。このように、世間でも、東洋医学といえば漢方のイメージが多いことが推測されます。
東洋医学は患者さんの症状から体の状態をとらえ、人間がもともと持っている自然治癒力を元に治療をします。自然治癒力は「恒常性」とも言い換えられ、自律神経、ホルモン、免疫等が該当します。というとイメージしづらいかもしれませんが、例としては食欲不振や腰痛、胃痛、イライラ感等があげられます。東洋医学は、病気の概念や病気の原因となる部位に縛られないので、様々な不調や病的な変化の改善に用いることが出来ます。
なお、東洋医学というと中国の印象が強いかもしれませんが、日本独自の発展を迎えているので、中国の医学とはアプローチ方法や考え方は別のものになっています。
東洋医学は、自律神経や内分泌系、免疫にかかわる症状や病気の状態を対象としており、以下のような者も対象となります。
※検査初見:医療機関で医師が患者に対して行う検査や問診などを通じて得られた情報
※愁訴:苦しみや違和感などの訴え
※現代医学的治療:西洋医学
現在日本で主流とされているのは西洋医学です。西洋医学は、病気の原因を見つけて(診断)、その原因に対処するために治療法を決めます。一方、東洋医学は患者さんが訴える症状や触診・問診から患者さんの病態に対処するために治療法を決めます。西洋の薬は病原めがけて薬が作用するので1対1の個人戦です。漢方は多成分系という特徴があります。その名の通り、たくさんの成分が含まれいるので、各成分が1つ1つの症状や痛いポイントに作用する集団戦です。
なお、漢方は、新薬との併用も可能ですし、いろんな理由で西洋薬が使用できない人にも用います。ただ、ケースバイケースであり、薬をたくさん飲んだからいいというわけでもなく、単体での使用の方が効果的な場合もあります。
東洋医学の中でも漢方は様々な病状に効果があるというエビデンスが蓄積されており、具体的には、うつ症状、認知機能低下、BPSD(認知症の行動・心理症状)等の不調に効果があります。ちなみに、うつ症状の中心的な治療法は「抗うつ剤」といわれる西洋薬ですが、この薬と漢方では、うつ症状への効果や作用機序が異なるようです。前述した通り、漢方は元ある力を正常に戻す作用であるため、劇的な効果というより、マイルドな効果といった方がしっくりくるかもしれません(関連項目:精神科医監修|PMS・PMDDのトリセツ|解説から対処法まで)。
東洋医学で大事なポイントは「病気にならない体づくり」です。東洋医学では人の体を構成する3要素を「気」「血」「水」としており、この3要素が体内を正常に循環することで健康が保たれます。また、健康を保つためには、季節に合わせた暮らし方や食事の内容、睡眠等の日常生活の送り方を整えることが必要になってきます。「何を当たり前なことを‥!」と思う方もいらっしゃるかもしれまんが、早寝早起きをして、バランスの良い食事をとるという体の機能を整える当たり前な行動に尽きる、ということなのです(関連項目:栄養がメンタルを安定させる?【栄養精神医学】食事とメンタルの深い関係)。
これまでご紹介した情報をまとめると、東洋医学の強みは以下のポイントになります。
★東洋医学は、病名が付きづらい病気も治療することができる!
★生活習慣の乱れによる不調(病気の手前)は漢方で治療可能!
★体質に合わせて体のバランスを整えると不調が改善することもある!
参考文献
【執筆】 かなた(公認心理師・臨床心理士) 今回は東洋医学について調べてみました。普段なかなか見ない語句や考え方がでてきたり、アニメや物語で出てくる語句だ!と思ったりしつつ学ぶことができたので、個人的にはとても有意義な時間になりました。服薬モチベーションも上がりました!ちなみに、マインドフルネスも東洋医学の文脈から発生しているので、東洋医学いいな!と思った方はマインドフルネスもおすすめですよ(参考:精神科医監修|自分らしく生きるために脱フュージョンエクササイズ!)。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |