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笑いは最高のセルフケア!科学が証明する健康メリット

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2024年12月20日

笑いによるセルフケアについて科学が証明する健康メリットを紹介します

「笑いは健康に良い!」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。唐突ですが、私はお笑いが大好きです。ネタ披露番組はほぼ欠かさず観ていますし、寝る前に漫才を聴くのが私の日課です。日常生活には、大笑いできるものから、クスッと笑えるものまでさまざまな質の笑いがあります。それに加え、作り笑いをする場面もありますよね。確かによく笑うと、夜ぐっすり眠れるような気がします。今回は、笑いとヘルスケアについて、これまでの研究を基に詳しく解説します。

 

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笑いの効果


これまで行われてきた笑いと健康に関する研究は、身体疾患や精神疾患を抱える方から、健常者まで幅広い対象を含んでいます。笑いが健康に良いというのは実体験からも理解しやすいですが、具体的にどのような効果があるのでしょうか。身体的効果と精神的効果に分けて、一部を紹介します。

①身体的(生理的)効果

楽しい笑いは、筋骨格系、循環器系、呼吸器系、消化器系、免疫系など、全身に影響を与えるとされています。特に、笑いによる免疫機能の一部活性化については、多くの研究で指摘されています。例えば、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化され、がん細胞やウイルス感染細胞に対する免疫応答が強化される可能性が示されています(ただし、これにはまださらなる研究が必要であり、免疫全体に及ぼす影響を断定するには十分ではありません)。また、笑いには鎮痛効果もあるとされ、関節リウマチを患っている女性を対象にした研究では、落語を聴く前後で痛みが減少したと報告されています(吉野ら, 1996)。

もちろん、免疫が低下すると体調を崩しやすくなりますし、痛みを伴う生活は生活の質を低下させ、ストレスを増大させる可能性があります。必要な治療を続けながら、積極的に笑いを取り入れてみることも一つの選択肢かもしれません。

 

②精神的効果

現代は“ストレス社会”と言われて久しいですが、ストレスの質が変化しても、私たちが社会や人間関係によってストレスにさらされやすい状況はそれほど大きく変わっていません。そのストレスを軽減する手段の一つとして、笑いが挙げられます。

笑いにはいくつかの種類がありますが、その中でも「自発的な笑い」(作り笑いではなく、自然な感情に伴う笑い)は、ポジティブな感情を高め、気分を肯定的に変化させる効果があると示す研究があります(藤原, 2013)。
まさに笑いが気分転換をもたらす効果と言えるでしょう。

 

笑いと睡眠


笑うことを意図した“笑いヨガ”をご存じでしょうか?私もこのテーマを調べるまで知りませんでしたが、1995年にインドの医師マダン・カタリア氏によって考案されたエクササイズで、笑いとヨガの呼吸法を組み合わせたものです。笑いヨガでは、笑えるコンテンツを見て笑うのではなく、参加者全員が一斉に「笑いアクション」を行うという手法をとります。これにより、笑いの健康効果を引き出すことができるとされています。

 

金子ら(2016)の研究によれば、定期的に笑いヨガを実施した結果、不安や緊張、怒りなどのネガティブな感情が有意に減少したと報告されています。笑いヨガのような「笑いアクション」によって、笑いの個人差を排除してこのような効果が得られたことは、笑いとヘルスケアの研究において意義深い結果だと言えます。

 

また、橋元(2018)は笑いアクションと睡眠の関連について研究しています。その研究では、笑いアクション前後でストレスや不安感の度合いを測定し、笑いアクション後にはこれらの数値が大幅に減少したことが報告されています。笑うことで筋肉が弛緩し、リラックス状態が促進され、身体的ストレスの回復が期待されるということです。副交感神経が優位になることによって、質の高い睡眠が得られる可能性が高まると述べています(参考:【眠れない方必見!】睡眠のカギは朝にある!精神科医監修不眠解消メソッド)。

ただし、あまりに大笑いしすぎて興奮状態が続いてしまうと、かえって睡眠の質が低下することもあるので、ほどほどの笑いが良いということです。

 

参考文献


 

【執筆】

若丸(公認心理師・臨床心理士・健康経営エキスパートアドバイザー)

若丸記事一覧

皆さんが望む生活や人生とはどのようなものでしょうか?私は、仕事でもプライベートでも多くの笑いを周囲の人々と共有し、健康的な生活を送りたいと考えています。

笑いの身体的・精神的効果に加えて、笑いがもたらす社会的効果も大きいのではないかと思います。誰かと一緒に笑うことで、一体感や安心感が生まれ、仲間意識が強まると考えられます。これにより、良好な人間関係が築かれていくことでしょう。

笑いは、日常的に取り入れやすいセルフケアの一つです。身体的健康、精神的健康、社会的健康を達成するために、笑いを日常に取り入れることが重要かもしれません。

 

【監修】

本山真(日本医師会認定産業医|精神保健指定医|医療法人ラック理事長)

 

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