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【産業医時事ニュース解説】コロナで1.3億人がうつ、不安障害 女性や若者多数

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2021年10月9日

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最終更新日 2021年10月9日

産業医監修が時事ニュースを解説!コロナで1.3億人がうつ、不安障害 女性や若者多数

2021年10月9日付Yahoo!ニュース

コロナで1.3億人がうつ、不安障害 女性や若者多数 英医学誌

 

【ニュース概要】

  • 英医学誌ランセットが新型コロナウイルス感染症と精神疾患の関係を発表
  • covid-19と精神疾患の関係について初の調査・分析
  • コロナが原因であるうつ病・不安障害は女性や若者に多数

 

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全世界で約1億3000万人が新型コロナ感染症による精神疾患

英医学誌ランセットが全世界が注目する調査結果を発表しました。新型コロナ感染症が拡大しはじめた頃より、我々専門職は、covid-19拡大に伴う種々の環境変化がメンタルヘルスにもたらす影響を懸念していました。

 

【国内調査についてはこちらをどうぞ】

新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の結果概要|厚生労働省

 

人間の適応力は凄まじいもので、当初は煩わしさを伴った頻回な手洗いも、習慣化してしまえば、却って手を洗えない環境の方が落ち着かなくなるものです。この辺りは、人類の適応力、つまり環境に要請される新しい行動レパートリーを習慣化する機能の勝利だと感じます。

 

当初より懸念していた環境変化とは、新たに獲得した行動レパートリーを維持することにコストがかかる変化なのです。記事内では、“ロックダウンをはじめとした規制を強化した国ほど精神疾患罹患数が増加した”と説明されていますが、人類の適応力を超える環境変化、しかもそれが一過性ではなく継続性を伴うものであれば、生体に何かしら不調が生じるのは自然なことです。

 

アジャストにそれなりの負担を要しても、適宜負担を緩和したり、負担を解消する手段を取ることができれば話は別ですが、規制強化には、いわゆるストレス発散のための行動レパートリーの制限も含むわけで、負担は増加し、解消ができないという悪循環が生じていることは明らかです。更に言えば、規制強化に伴う経済の悪化は、家計へのダメージ、家計の不安といった二次的な負荷を生み出します。

 

端的に例えるならば、ストレスフルな職場に適応することには負担を伴いますが、退勤すれば気分転換できるのであれば、前者のコストにも何とか耐えることができるでしょう。しかし、【ストレスフルな職場への適応に加え、退勤後のストレス発散に制限がかかる。しかも、職場の経営が傾き減給を伴う。更にそういった状況がいつまで続くか見通しが立たない】。こういうことです。

 

以前下記ニュース解説でも取り上げましたが、新型コロナ感染症拡大に付随した種々の環境変化によって生じている適応障害という考え方は、一定の説明力を持つのではないかと考えます。

【産業医時事ニュース解説】「お母さん」がストレス最大 コロナ禍、ママ友にも会えず

【精神科医監修】コロナうつの症状、治療、対処・対策、解消法(弊社の母体である医療法人ブログです)

 

適応障害のうつと不安

適応障害については弊社ブログ【精神科医監修】そのメンタル不調、サインかも?|ビジネスパーソン必見!にて解説しています。下記引用します。

 

適応障害とは、ストレスとなる要因がはっきりしているときに起こる不調を指します。よく見られる症状は以下のとおりです。

【よく見られる症状】

  • 仕事のことを考えると気分が落ち込む
  • 休日は元気だが、仕事がある日や前日の夜になると気持ちが沈む
  • 仕事中、不安な感じがする
  • 会社に行けなくなってしまった
  • 会社で緊張してしまって仕事が手につかない

 

【引用】株式会社サポートメンタルヘルスInstagram

 

専門的にはストレスとなる要因(ストレス反応を喚起する要因)をストレッサーと呼びますが、ストレッサーによって生じるストレス反応について弊社ブログ【ストレスってなに?】ストレスとの上手な付き合い方を引用します。

 

ストレッサーによるストレス反応は下記3つに大別されます。

  • 心理的反応(不眠、不安、気分の落ち込み、緊張等)
  • 身体的反応(便通異常、過呼吸、動悸、頭痛、不眠、疲労、胃痛等)
  • 行動的反応(ギャンブル、アルコール、食行動異常等)

 

【引用】株式会社サポートメンタルヘルスInstagram

 

弊社ブログでは何度か言及していますが、適応障害の治療においては、ストレッサーから距離を置くこと、効果的な対処方法(コーピングと呼びます)を施すことが有用です。ストレッサーから距離を置くことが困難、且つ従来のコーピングを採用しづらい状況においては、適応障害は長期化します。

 

つまり適応障害の症状としてのうつや不安が長期・遷延化しやすい環境ではあるわけですね。特に精神疾患の調査においては、操作的診断という状態像に基づいたカウントをするため、今回の調査結果にも影響を与えているかもしれません。

 

【コーピングレパートリーの一つにどうぞ】

【ホットレ】自律訓練法ベースのリラクゼーションプログラム

【まいたけあ】オンラインマインドフルネスプログラム

 

臨床心理士が解説|マインドフルネス解説講座

 

コロナ由来のうつ病や不安障害が女性、若者に多数なワケ

ニュース記事で取り上げている元論文はこちらかと思います。

Global prevalence and burden of depressive and anxiety disorders in 204 countries and territories in 2020 due to the COVID-19 pandemic

 

論文に目を通してみると、男性と比較し女性におけるうつ病、不安障害の増加が明らかになっています。“子どもの学校閉鎖や家族が体調不良になったときのサポートにより負荷が高くなること”、“男性と比較し女性は収入が低く貯蓄が相対的に少ないこと、雇用が不安定であること”、また“いわゆるDV被害による影響”をその要因として分析しています。

 

新型コロナ感染症拡大により、プレコロナから存在していた社会の脆弱性が顕在化しているのでしょうね。ポストコロナ時代は、メンタルヘルス対策としても社会構造にアプローチする必要性を感じます。

 

ちなみに、若者にうつ病が増加している要因としては、やはり学校閉鎖、ロックダウンなどに伴う交流の減少のインパクトが大きいようです。学力の低下についても言及されていますが、日本では下記の通り、文部科学省が対策を講じていますね。

緊急時におけるICTを活用した児童生徒の学習活動の支援について|文部科学省

 

新型コロナウイルス感染症とメンタルヘルス

論文内では、covid-19対策として外出を控える結果、これまで以上にメンタルヘルスサービスへのアクセスが低下する懸念を指摘しています。改めてメンタルヘルスサービスへのアクセシビリティを高める必要性、対面に限らず遠隔診療やオンラインサービスを組み合わせる必要性を提案しています。

 

メンタルヘルスサービスを提供する立場としては、ユーザーライクなサービスを改めて熟考する機会として捉えています。弊社はプレコロナ時代よりオンラインサービスを基本としていましたが、現在更に使いやすいサービス構築のためミーティングを重ねています。

 

コロナ禍におけるメンタルヘルス危機状態に対し何ができるか。YouTube配信はアイデアの一つです。よろしければ今必要なメンタルヘルス情報についてコメントをください。動画で取り上げていきたいと思います。

 

ZERO 1 ch【株式会社サポートメンタルヘルス公式ch】

弊社お問い合わせフォーム

 

人類はこれまでの歴史においても、あらゆる危機を乗り越えてきました。新型コロナ感染症そのものを乗り越えること、また、新型コロナ感染症によって顕在化した社会システムの課題を改善していくこと、両者は必ず可能なはずです。特に後者については個人レベル、地域レベルの対処に加え、政策レベルでの対策が必要でしょう。我々もサービス提供を通じてより良い社会作りに貢献してまいります。

 

【監修】

本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医)

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