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タグ : ぶち(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス
2026年4月10日

目次
皆さんは仕事の後やお休みの日に一人で過ごしていて「寂しいな」「孤独だな」と思うことはありませんか?
一人で過ごすことは全く悪いことではありませんが、もしも一人で過ごすことに辛さや孤独感を感じるのであれば、それは大きなストレスになります。
“孤独”と”孤独感”は異なる概念です。とある研究では、孤独であることそのものではなく、孤独感というストレスが心身に影響を与えると指摘されています。“孤独感”は精神面への影響が大きく、慢性化することにより健康上のリスクを高めることがわかっています。
本コラムでは、孤独感との向き合い方、乗り越え方を考えていこうと思います。
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まず、孤独と孤独感とはどう違うのか、考えていきます。
| 孤独とは… 他者との接触が少ない、社会的ネットワークが小さい“状態”のこと 孤独感とは… 例え周りに人がいても、「自分はつながれていない」と感じる“主観的な感情”のこと |
これだけでは分かりづらいかもしれません。
例えば、一人での休日を楽しむ人は孤独な状況であっても孤独感はありません。孤独な状態ですが、寂しい、辛いといった感情がなく過ごせるのであれば孤独感はありません。
一方で、会社で同僚に囲まれていても、話や考え方、価値観等が合わずに孤独感を抱える人もいます。周りに関わる人がいるのにもかかわらず、孤独感を抱くこともあるのです。
2つの違いが分かってきましたか?
最近の研究では、この2つの状態を分けて論じることが一般的になっています。
それでは、なぜ孤独感がストレスになるのかについて考えていきます。ポイントは孤独感を「脳が危険信号として扱う」ということです。
私たちの脳は「集団で生きる」ことを前提に設計されています。
つまり、つながりを失うということは、生存リスクが上がる、と判断するのです。そのため孤独感は脳に“危険信号”として扱われ、ストレス反応を引き起こしやすいのだと考えられます。
孤独感が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に上昇します。
コルチゾールが上昇すると睡眠の質の低下、免疫機能の低下、血圧の上昇などが生じやすくなります。また、精神面では、不安・抑うつ・自己否定的な思考が増えやすくなります。
孤独感を抱くと、他者から「拒否されるのではないか」という恐さが生じ、他者からの反応に過敏になります。すると、人付き合いをすること自体に辛さを感じ、人間関係を避けるようになってしまいます。結果として、社会的な接触が減っていき、さらに孤独感が強まっていく…。
これが、孤独感が生活習慣病と同じく慢性化すると言われる理由です。
現代で孤独感を抱きやすいのは、単に“人と会わない”からではなく、現代社会特有の構造が影響していると考えられます。
現代では常に誰かとSNSでつながっているのに、「深い関係」を感じにくいことがあります。
これは、表面的な交流は多いのに、内面を共有できる相手が少ない、という矛盾を表します。使い方にもよりますが、SNS利用時間が長いほど孤独感が増える傾向があると示した研究もあります(関連項目:【精神科医監修】SNSの心理学ーSNSとの健康的な付き合い方ー)。
現代では単身世帯が増加しており、昔と比べて町内会や近所づきあいなど、“自然に形成されるつながり”が減少しています。
仕事でも、非正規雇用、在宅ワーク、オフィスを持たない職場など、働き方や働く環境が様々であり、「所属感」を持つことが難しく感じることもあります。
では、どうしたら孤独感をうまく付き合えるのか、考えていこうと思います。
大切なのは「つながりを増やす」のではなく、つながりの“質を整える”ことに焦点を当てることです。
近所の人や、お店の店員さん、趣味の仲間や、SNSでの軽い交流もメンタルヘルスに良い効果があります。
例えば、外食に行ったら店員さんがとても朗らかな接客をしてくれた、コンビニでお箸もスプーンもつけてくれた、SNSで発信したことに共感してくれる人がいた、など、ちょっと嬉しい交流って日常でありませんか?
孤独感は、「誰かと深く繋がる」だけでなく、「軽い接点の数」でも緩和されるのです。
誰かと長い時間関わったり、何回も会ったりするのも良いですが、1回の関わりの質を高めることも有効です。
例えば誰かの役に立てたり、自分を理解してもらえたという実感が得られると、孤独感は薄れると思います。
1人でも「安心して話せる人」がいるだけで、健康リスクは大きく下がるのです。
地域に属している、職場に属している、趣味のグループに属している等、何かのコミュニティに属していると感じることを所属感と言います。
居場所があると感じること、とも言えます。
所属感が得られると、社会的なつながりを感じられるため、孤独感が軽減されます。
孤独感が慢性化し、
というようなお困りごとが出てきた場合には、医療機関への受診やカウンセリングを受ける等、専門家のサポートが有効になります。
状態が悪化していくと、仕事や学校に行けなくなったり、やりたいことが出来なくなったりすることもあるため、早めに相談することをお勧めします。
参考文献
【監修】 本山真(精神保健指定医/日本医師会認定産業医) 東京大学医学部卒業後、精神科病院、精神科クリニックにおける勤務を経て、2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニックを開院。メンタルヘルスサービスのアクセシビリティを改善するために2019年株式会社サポートメンタルヘルス設立。 【執筆】 ぶち(臨床心理士・公認心理師) 一人で過ごすことが悪いわけではありません。”一人になることでふっと心が楽になる経験”したことありませんか? 今回提供したかったのは、”孤独”と”孤独感というストレス”を分けて考える、という視点です。一人で過ごす自由は守りつつ、孤独感が慢性化しないようなメンタルケアを行うことをおすすめします。 皆さんが大きなストレスを感じない過ごし方や周囲との関わり方を選んでいけるといいなと思っています。 |