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【精神科医監修】LGBTQ+とは何か?メンタルヘルスとの関係は?

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2023年10月13日

最終更新日 2024年8月2日

LGBTQ+とは何か?メンタルヘルスとの関係について精神科医監修のもと公認心理師が解説

近年、人間の多様な権利を保護し、その多様性を尊重しようとするムーブメントが世界中で広まりを見せています。ムーブメントの潮流において、特にセクシュアル・マイノリティと言われるLGBTQ+への関心は高まり続けており、日本社会においてもLGBTQ+に対する理解が深まりつつあります。

 

今回は、LGBTQ+に関する理解を更に深めていただくために、LGBTQ+とは何か?、LGBTQ+とメンタルヘルスの関係について取り上げていこうと思います。

 

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LGBTQ+とは何か?


LGBTQ+とは、セクシュアル・マイノリティの総称として用いられます。

下表をご覧ください!

 

LGBTQ+:セクシュアル・マイノリティを総称した概念

  • Lesbian(レズビアン) ; 性自認が女性であり、女性を好きになる。
  • Gay(ゲイ) ; 性自認が男性であり、男性を好きになる。
  • Bisexual(バイセクシャル) ; 自認する性に関わらず、男女を好きになる。
  • Transgender(トランスジェンダー) ; 出生時に割り当てられた性とは異なる性自認や表現を行っている。
  • Questioning/Queer(クエスチョニング/クイア) ; 自分の性が定まっていない・意図的に定めていない。

 

 LGBTQ上記LGBTQ以外のセクシャルマイノリティをまとめたもの

(例)

  • asexual(アセクシュアル) ; 性的欲求を感じない。
  • aromantic(アロマンティック) ; 恋愛感情を感じない。
  • nonbinary(ノンバイナリ) ; 男女のどちらの性別でもないと感じる。
  • gender-fluid(ジェンダーフルイド) ; 自分の性別がどちらなのか感覚が揺れ動く    
  • pansexual(パンセクシュアル) ; 男女のカテゴリーだけでなく、あらゆる人にセクシュアルに惹かれる

参考・引用:松本(2021)

 

「性」や「セクシュアル・マイノリティ」について語る時に、捉えておきたい概念がSOGIという概念です。SOGIとはSexual Orientationand Gender Identityのことであり、性的指向(誰を好きになるのか)と性自認(自分が認識している性)の概念を含んだ言葉です。SOGIは、セクシュアル・マイノリティだけでなく、異性愛者(ヘテロセクシュアル)も含む、すべての人に関わる重要な概念とされています。

 

 

LGBTQ+とメンタルヘルスートランスジェンダーと性同一性障害ー


上記で取り上げたセクシャル・マイノリティのうち、トランスジェンダー(トランスウーマン・トランスマン)に該当する方が、性別適合手術を希望し医療機関を受診した場合、「性同一性障害(Gender Identity Disorder ; GID)」に該当するかどうか鑑別診断が行われます。

 

性同一性障害とは…?

  • 体の性別心の性別が一致しておらず、医学的な治療を希望している場合につけられる診断名のこと。
  • 現在では、米国精神医学会のDSM-5において「性別違和」、国際疾病分類のICD-11において「性別不合」の名称が当てられている。                            (参考:永野・飯田・大串・鎗光・武藤・矢野・川嵜,2018)

 

性同一性障害が精神疾患の一種として整理されてきたように、かつては同性愛についても病理的な存在として扱われてきました。現在では病理や障害として捉える枠組みから脱却しようという動きが進んでいます。

 

LGBTQ+とメンタルヘルスーセクシャル・マイノリティと合理的配慮ー


セクシャル・マイノリティのメンタルヘルスは、不安症・うつ病・自殺・自傷のリスクが高い特徴を持ちます。世代ごとに見たメンタルヘルスの特徴として、高齢のLGBTQにおけるうつ病や自殺企図の頻度が高く、他にも、物質乱用・いじめ・性暴力被害などLGBTQ+によくみられる問題として挙げられています(参照:松本,2021)。

 

また、カミングアウトやハラスメント、社会構造にまつわる”人の目には見えにくいもの”が、当事者の困難につながりやすいようです。

【参考】

公認心理師執筆|具体例を交えてアンコンシャスバイアスを解説!

 

目には見えにくい障壁を取り除くために、合理的配慮というアプローチが注目を集めています。

 

合理的配慮の提供

役所や事業主に対して障害のある人(障害者手帳を持っている人だけでなく、社会生活に制限を受けている人も含む)から、社会の中にあるバリア(障壁)を取りのぞくために、何らかの対応を必要としていると意思が伝えられたときに、負担の重すぎない範囲で対応すること

(参照:内閣府,2013)

 

LGBTQ+への合理的配慮に基づく取り組みを推進するために、まずはLGBTQ+に関する正確な知識を取り入れることから始めてみましょう!合理的配慮の具体的な取り組みについては、厚生労働省の「性的マイノリティに関する企業の取り組み事例」労働政策研究・研修貴校の「LGBTの就労に関する企業等の取り組み事例」などからヒントが得られると思います!

【参考】

 

引用・参考文献


  • 松本洋輔 (2021). セクシャルマイノリティとメンタルヘルス 心身医学, 61巻. 7号, p.599-607.
  • 内閣府 (2013). 障害者差別解消法リーフレット「合理的配慮を知っていますか?」https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/print.pdf
  • 永野健太・飯田仁・大串祐馬・鎗光志保・武藤由也・矢野里佳・川嵜弘詔 (2018). 性の多様性, 性同一性障害について, 九州神経精神医学, 第64巻, 第3~4号, 112-117.

 

【執筆】

田中(公認心理師)

個人的な話になってしまいますが、以前よりドラッグクイーン(クィアカルチャーやゲイカルチャーと深いかかわりを持つ、華やかなメイクと女装で、踊ったり口パクをするパフォーマー)がとても好きで、No1のドラッグクイーンを決める海外の某番組を欠かさず見ています。

番組では、エネルギーを貰えるような華やかなステージだけでなく、ドラッグクイーンの方々が抱える苦悩や様々な社会的障壁、メンタルヘルスの問題について自らが語る姿が映し出され、私自身LGBTQ+について知るためのきっかけとなりました。

こういったLGBTQ+に関する番組やドラマ、映画などを視聴することが、正しい知識を得るためのきっかけの1つになるのかもしれません。

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【監修】

本山真(日本医師会認定産業医|精神保健指定医|医療法人ラック理事長|宮原メンタルクリニック院長)

 

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