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精神科医監修|過呼吸の対処法として何が効果的なのかー過呼吸の症状と原因も解説ー

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2023年12月1日

効果的な過呼吸の対処法は何なのか。過呼吸の症状と原因を合わせて解説

 

「ハアハア・・・息が上手く吸えない。苦しい・・・。」

 

みなさんはこんな経験をしたことありませんか?

著者は学生時代、マラソンやシャトルラン(とっても苦手でした笑…)をしている時に、息が吸えずハアハアと胸が苦しくなった苦い思い出があります。

 

上記のように「息が吸えない」と感じる状態を「過呼吸」と呼びます。実際に過呼吸を経験したことのある方は少なくないと思います。実際に過呼吸になってみると…思うように対処できなかったり、苦しい状態から脱げだせずしんどくなったり、また過呼吸になったらどうしようと怖くなってしまったり、生活の質が低下してしまいがちです。

 

今回は過呼吸の症状と原因、過呼吸の効果的な対処法をご紹介しようと思います。

※息苦しさが出現する病気・困りごとは”過呼吸”だけではありません。息苦しい=過呼吸と早合点することのないようご注意ください!

 

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過呼吸とはどんな症状?


過呼吸は、正式名称を過呼吸症候群(過換気症候群)と呼びます。みなさんは”過呼吸”をイメージした時、どのような症状や状態が頭に浮かびますか?「息が吸えない状態」「息苦しさ」「めまい」などが思い浮かんだ方多いのではないでしょうか。

 

過呼吸の代表的な自覚症状は以下の通りです。

  • 息苦しさ(呼吸困難)
  • 動悸
  • めまい
  • 胸の痛み
  • 頭痛
  • 手足などの体のしびれ

過呼吸を経験されたことのある皆さん、代表的な自覚症状のうちいくつ当てはまりましたか?

 

『全て経験したことがある』、『息苦しさはあったけれど頭痛はなかった』など、ほとんどの症状が当てはまる方もいれば、1つ2つしか当てはまらないという方もいらっしゃるでしょう。息苦しさに加えて、めまい、胸の痛み、頭痛やしびれといった一見呼吸と関係なさそうな症状も出現しうることが大切なポイントです。

 

過呼吸の原因は?


過呼吸の原因は、不安感・恐怖などの精神的なストレスとされていますが、精神的なストレスだけでなく、何らかの身体疾患や肉体的な疲労が原因となることもあるようです。精神的ストレスや身体的な要因が原因となり生じる過呼吸ですが、どういったメカニズムで引き起こされるのでしょうか?

 

人間の呼吸は、息を吸うことで酸素を取り入れ、酸素を消費することでエネルギーを作りだします。酸素からエネルギーを作り出す過程で発生する二酸化炭素については息を吐くことで排出しています。過呼吸においては、突然(或いは徐々に)呼吸が速くなり息苦しくなる感覚に陥るわけですが、その時身体の中では何が起きているのでしょうか?

 

過呼吸の出現により息を上手に吸えなくなり、息を吐く回数が多くなります。過剰に二酸化炭素が排出される結果として血液中の二酸化炭素濃度が減少し、血液はアルカリ性に傾きます。血液のアルカリ性への傾きは、手足のしびれやめまいなどを引き起こします。手足のしびれやめまいは「息苦しさ、呼吸が上手くできていない感覚」を喚起、喚起された感覚は不安を惹起、そんなサイクルによって過呼吸は増悪していくのです。

 

 

メカニズムの観点から考えたとき、過呼吸とよく似ているのがパニック障害(パニック症)です。パニック障害(パニック症)においては、動悸・発汗・息切れ・息苦しさといった”パニック発作”が出現します。過呼吸の自覚症状とパニック発作は重複する部分が多いんですよね。両者の決定的な違いとして”原因”が取り上げられます。パニック障害(パニック症)におけるパニック発作は何の前触れも無く突然生じるのに対し、過呼吸は精神的・身体的なストレスにより引き起こされるという明確な違いがあるんです。

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過呼吸の対処方法


過呼吸の対処方法として”過呼吸当事者向けの対処方法”と”過呼吸当事者をサポートする方向けの対処方法”の2つをご紹介します。

 

  1. 過呼吸当事者の対処法 ⇒ 呼吸のリズムを整える(例 「息を吸う:息を吐く=1:2」)
  2. 過呼吸当事者をサポートする方向けの対処法 ⇒ 慌てずに、なるべく冷静に対処する

 

過呼吸当事者向けの対処法として最も重要なことは、速くなりすぎてしまった呼吸を正常の状態に戻すことです。具体的には、例えば「スゥー」と息を吸い「フゥーフゥ―」と吐くように1:2の割合で呼吸を継続することが効果的です。

 

 

過呼吸当事者をサポートする方は、過呼吸を起こしている当事者に対して、慌てず冷静に対応することが重要です。そもそも過呼吸を引き起こしている方は、不安が高まっています。高まっている不安を更に煽ることのないよう、慌てず冷静に対応しましょう。

 

引用参考文献


  • 花澤 寿 (2011) 過呼吸症候群の精神病理. 千葉大学教育学部研究紀要 第59巻, 229-234.

 

【執筆】

田中(公認心理師)

過呼吸の対処方法に関する注意点!

過呼吸の対処法として、かつては”紙袋を口と鼻を覆うようにあて吐いた息を吸い込む”「ペーパーバック法」が推奨されていました。

実際には…ペーパーバック法は血液中の二酸化炭素濃度をそれほど上昇させないばかりか、酸素濃度低下による窒息のリスクを高めてしまいます。ご注意ください!

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【監修】

本山真(日本医師会認定産業医|精神保健指定医|医療法人ラック理事長|宮原メンタルクリニック院長)

 

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