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タグ : ぶち(公認心理師・臨床心理士) , オタク臨床心理士・公認心理師は語る。 , メンタルヘルス
2024年3月22日
最終更新日 2024年9月7日
皆さんアニメ見ることありますか?
アニメだけでなく実写のドラマや映画でも構わないのですが(できればアニメであって欲しいのですが)、作品を見て、感動したり、心が軽くなったり、色々なことを考えるきっかけになったりしたことってありませんか?(私はあります)
アニメには私たちの考えや気持ちに影響するたくさんの要素が含まれていて、種々の要素によって、私たちは物語に入り込み色々な体験をしているんです。
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動画サイトやSNSの発展に伴い、近年はアニメの文化にとても触れやすくなりました。ひと昔前に比べて非常に身近になったアニメですが、アニメはどんな要素から構成されているとお感じでしょうか?
まずはストーリー、そしてそこに登場するキャラクター、映像に音楽、人物の声など、アニメを構成する要素はたくさんあります。そして、アニメを見るとキャラクターに共感したり、物語に没入したり、作中で流れる音楽や映像の美しさに感動したり…様々な体験をすると思います。“アニメに触れることでヒトはどんな体験をするのか”について研究した論文を参考にしながら説明していきます。
それぞれのアニメにストーリーがあり、キャラクターが登場するのは当たり前ですが、アニメにおけるストーリーやキャラクターにも様々な要素や種類があります。まず、アニメには日常系、ミステリー系、コメディ系、ファンタジー系など様々なジャンルがあります。学校生活を題材にした現実的な話なのか、魔法が使えるような非現実的な話なのか、最近はどちらも混ぜ込んだ話も増えてきましたね。
次にキャラクターです。物語の中心となる主人公をはじめとして、ストーリーに関わる登場人物たちには様々なキャラクターがいます。ピュアな性格だったり、複雑な背景を抱えていたり、正義感が強かったり、卑怯者だったり…。
アニメを見ていると、物語の展開や登場人物のキャラクターによって、見ていて元気が出たり反対に辛い悲しい感情が湧いたりしますよね。例えば、気弱な主人公が活躍していくアニメを見て、当初は気弱だった主人公の成長に感動したり、ストーリーの中で出会った人との別れが描かれれば悲しく感じたり…。また、自分が落ちこんでいる時、何か一歩踏み出せない時、自分と似た境遇のキャラクターがいると、より共感できることはありませんか?キャラクターが何かを達成することで私たちも勇気をもらえますし、逆に悩み苦しんでいる様子を見て、自分も頑張ろうと思えるかもしれません。
【こちらもどうぞ】
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物語の内容以外にもアニメの中で流れる音楽に感情が揺さぶられることありますよね。アニメをはじめとした映像作品では、物語の展開や登場人物の心情に合わせて様々な音楽が用いられています。”このシーンが好きだな”と思った時、シーンで流れている音楽も好きになったりしませんか?
音楽には、多くの人が心地よいと思う音楽、逆に不快に思う音楽、楽し気に聞こえる音楽、悲し気に聞こえる音楽など様々なものがあります。学術的には”音楽はメロディー、ハーモニー、リズムによって構成されている”と整理されます(Vuust et al.,2022)。ストーリーの展開に合わせて、様々なメロディー・ハーモニー・リズムが組み合わされることで、とある場面やその時のキャラクターの心情がイメージしやすくなります。物語の展開や各シーンに合った音楽が用いられることで、アニメを見ている私たちは物語に入り込みやすくなっているのです。
中には、アニメを視聴していた最中は”音楽に気づかなかった”という方もいらっしゃるかもしれません。後日、別の番組や動画にてアニメで使われていた音楽が流れてきて”あのアニメの音楽だ!”と気づくことってありませんか?何気なく見ているアニメでも印象的なシーンは記憶に残っていることありますよね。”何気ない音楽”もアニメを構成する大切な要素です。
【参考】
精神科医監修|音楽の持つ様々な力ー音楽は心の健康(メンタルヘルス)にも効果ありー
最近は作画(絵の綺麗さ、安定感など)が良い作品が増えましたね…。絵柄はゆるいものだったり、力強いものだったりと作品によって様々で、場面によって絵のタッチが変わることもあります。また、登場人物が置かれている状況や、感じている気持ちによって絵の明るさや使われる色などが変わることもあります。線が太い絵柄だと力強さを感じたり、手描き感の強い絵柄だと温かみを感じたりしますよね。
絵のタッチに加えて、ヒトは色からも様々な感情が引き出されます。色彩心理学の知見によれば、赤色は活動的な印象を抱かせたり、危険を感じさせたりするそうです。反対に青色は静かな印象だったり、黄色は軽い印象だったりと、色によって印象や引き出される感情は変化することが知られています。
物語の中のシリアスなシーンでは青色や灰色など、静かで暗い色が用いられやすくなります。ほっこりするシーンや感動するシーンで暗い色が用いられることは少ないですよね。
キャラクターのイメージカラーなども同様で、よく見る元気なキャラクターは黄色や赤色で、真面目なキャラクターは青色などがあてられていることが多い印象です。キャラクター設定だけではなく、色彩もキャラクターの印象や、物語の展開をより分かりやすくし、より感情移入しやすくしているのです。
参考文献
【解説】 ぶち(公認心理師・臨床心理士) アニメにはまずストーリーがあり、キャラクターがいて、そのキャラクターの行動や物語の展開を彩る音楽や映像があります。ストーリー自体に感動して涙したり、キャラクターの性格や言動に共感したり勇気づけられたり、フィクションであっても自分が知らない世界を知ることができたり…。普段生活を送っていく中だけでは得られない非日常が盛り込まれている作品では、普段感じられない感情が生まれることもあるでしょう。
一方で日常的なテーマを題材にしたお話では、自分の生活を振り返ったり、周りの人について考えたりするきっかけにもなるのではないでしょうか。芸術としても楽しめて、教訓も得られたりする、そんなアニメを皆さんもぜひ見ていただけたらと思います。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |