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タグ : メンタルヘルス , 田っちゃん@無職になりました(公認心理師・臨床心理士)
2025年10月3日
目次
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突然の災害や緊急事態に直面すると、心も体も驚き、強い不安や恐怖、混乱を感じるのはごく自然なことです。 今、手が震えていたり、胸がドキドキしていたり、涙が止まらなかったり、逆に何も感じないような気がしたり…。
そうした反応はすべて、「あなたがおかしい」のではなく、体が一生懸命あなたを守ろうとしている反応です。まずは、そんな自分の反応を「自然なことだ」と受け止めてみてください。 そしてここから、少しずつできることをやっていきましょう。
人間の体には、危険を察知すると「身を守るためのスイッチ」が自動的に入る仕組みがあります。 これを「闘争・逃走反応」といって、心拍数が上がったり、体が緊張したり、息苦しくなったりするのは、この反応の一部です。これは、動物が危機から生き延びるためのシステムであり、あなたの体があなたを守ろうとしてくれている正常な反応です。
ただし、この状態が長く続くと体も心も疲れてしまいます。 だからこそ、今この瞬間から少しでも安心するための「セルフケア」を行っていくことが大切です。
緊張状態にあるとき、私たちは「自分の体の感覚」から切り離されてしまうことがあります。 そのような状態にある時は、体の感覚を意識することで、心と体が少しずつ落ち着いていきます。
ここでは、ソマティックエクスペリエンス(身体感覚を使ったトラウマケア)の考えに基づいた、「SCOPEモデル」という意識を”今ここ”に取り戻すセルフケアの方法をご紹介します。
SCOPEモデルは「危機的状況においての安定化ツールキット」と言われ、強いストレスやショックを受けたときに、体と心を瞬時に落ち着かせるための簡単な5つのエクササイズです。
では早速やってみましょう。
足の感覚に意識を向けながら、ゆっくりと10秒ほど歩いてみましょう。地に根付くイメージで、足の裏が地面にふれることを意識し、重力をよく感じてください。
腕と足首をクロスさせて、わきの下に手を入れ、頭を下げて呼吸します。自分を抱きしめるイメージで、ゆっくり呼吸をしましょう。
色や形に気づきながら、ゆっくりと周りを見渡してみましょう。目を休ませるように、あなたの視線を何か楽しいもの、または心地よいものでゆったりさせましょう。
視線をゆっくり動かして、心地よいものを探してみてください。光、空、緑など、変わらないもの、好きなものに注意を向けて、「今ここは安全だ」と意識しましょう。
体の中で「ゆるんでいるところ」と「緊張しているところ」がないか、気づいてみてください。ゆっくりと「ゆるみ-緊張-ゆるみ」という具合に交互に注意をシフトさせてみてください。
たとえば「肩がこっているけど、手はあたたかい」「胃はしんとしているけど、足は落ち着いている」など。 その違いを感じるだけで、体は安心しやすくなります。
社会的なかかわりを持ちましょう。あなたをサポートしてくれる人とつながりましょう。実際に誰かに連絡をとってもいいですし、すぐにできない場合は、その人の顔や声を思い浮かべるだけでもOKです。
いかがでしたか?
SCOPEは、あなた自身はもちろん、ご家族や友人たちがショックを受けたときにも心の応急処置として使える方法です。 いずれのステップも、無理に全部やらなくても構いません。1つでも、数秒でも大丈夫です。落ち着けなかった人も、「落ち着かないと」と頑張る必要はありません。 ほんの少し、自分の体に戻ってくる感覚に意識を向けましょう。
心と体の反応が強くて、自分だけや周囲の人だけでは対処しきれないと感じたら、ためらわず以下の専門家に頼ってください。
参考文献
【解説】 田っちゃん(公認心理師・臨床心理士) 大変な状況の中で、ここまでお読みいただきありがとうございます。 自分がどうにかなってしまいそうなときは、とにかく誰かと一緒にいることも大切です。 今は自分のことを第一に考えてくださいね。
【監修】 本山真(代表取締役社長) 精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長 2002年東京大学医学部医学科卒業後、東京大学医学部付属病院で研修。川越同仁会病院、不動ヶ丘病院の勤務を経て、2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年には医療法人ラックを設立し綾瀬メンタルクリニックを開院。2019年株式会社サポートメンタルヘルス設立。 |