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タグ : かなた(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス対策 , 産業精神保健
2026年2月27日

目次
転職をする就労者の増加や高齢化社会による働き手の減少など、様々な要因から1つの企業に長期的に務める、すなわち従業員の定着は昔より難しくなっているのは確かです。私の周囲でも、職場が合わない場合やスキルアップのために転職する人は多い印象を受けます。従業員の定着が難しくなると、会社の人材が不足し、会社経営自体が危うくなる可能性があります。中小企業だと離職の影響はより大きいはずです。
今回は,職場の離職につながるのは何か?を研究データとともにご紹介しようと思います。直近5年間を対象に研究をさらってみました!
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離職率低下につながる概念として、近年「job embeddedness」なるものが注目されています。job embeddednessとは、その組織に留まる理由を把握するための概念です。job embeddednessは(a)チームや職場での人とのつながり(b)自身の価値観やスキル、キャリア目標などが所属する組織や仕事にどれだけあっているかの認識(c)仕事をやめた場合に失うもの(昇格や金銭、仕事自体など)の要素があります。このjob embeddednessは離職意思の弱さと正の関連があることがしめされています。つまり、job embeddednessが強くなると離職意思もより弱くなるというわけです。
フルタイムで働く従業員を対象に職場の孤独感について検討した研究では、職場の孤独感は6か月後の離職率を予測し、有意な正の関連があることがしめされました。つまり、職場の孤独感があると、離職率も高まるわけです。職場の孤独感とは、全般的な孤独感とは異なります。この研究では、「仕事でプレッシャーを感じているとき,同僚に見捨てられていると感じていることが多い」や、「職場には個人的な考えを共有したいと思っても共有できる人がいない」、「どのくらいの頻度で頻度で仲間がいないと感じるか」、「どれくらいの頻度で疎外感を感じるか」、「どれくらいの頻度で他の人から孤立していると感じるか」などの項目が含まれていました。近年はコロナの流行もあり、リモートが中心な職場も多いかと思います。リモートワークでも孤独感を感じさせない施策が大切ですね。
※参照した研究では、定年による離職は除外されています。
メンタルヘルスの不調は離職率の上昇や生産性の低下につながることが明らかになっています。メンタルヘルスというと特別なケアをイメージする方もいるかもしれませんが、「生活を整える」ことが何よりも大切です。その裏付けとして、睡眠や運動が離職率やメンタルヘルス関連の欠勤率の低下に貢献するという研究結果があります。睡眠や運動は基本中の基本だからこそ怠ってはいけませんし、一定の基準をクリアしておくだけで健康体にぐっと近づきます。「メンタルヘルスへの取り組み」となると「福利厚生」のイメージが強いかと思います。一方で、「離職率や従業員定着への取り組み」となると経営に直結するため、対応が必要不可欠です。視点が違うだけで、取り組むべき内容であることは変わりないと解釈できますね(こちらもどうぞ:【医師監修】企業のメンタルヘルス対策~未来の休職者を防ぐための4つのポイント~)。
離職に関連する要因をもとに、離職率低下に寄与する対策にはどのようなものがありそうでしょうか。まず、職員同士のつながりを強化するための横断プロジェクトや社内SNS制度などがあげられます。同僚や上司と一緒に仕事をしたり、話す機会を創出したりすることで、社内でのつながりが強化され、孤独感の解消や帰属意識の高まりが期待できます。つぎに、睡眠や運動習慣の改善施策があげられます。社内のイベントごととして、気軽に楽しくやれる記録の付け方や共有の仕方などを考えられると、コミュニケーションの向上も期待できそうですね!(離職防止策としてハラスメント対策もお忘れなく:カスタマーハラスメント義務化|2026年施行に向けた企業の必須対策ガイド)
【執筆】 かなた(公認心理師・臨床心理士) 上記で紹介したものは,あくまでも1例となっており,離職や従業員の定着つながる原因や対策は各企業で異なってくるかと思います。というのも、職場環境やお仕事の内容,職場の風土などによって、介入すべきポイントが違ってくるからです。 株式会社サポートメンタルヘルスでは、ヒアリングを基に、職場での課題感解消につながる情報を提供しています。御社でも課題感があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |
引用文献