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タグ : かなた(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス
2024年11月22日
最近、職場の方と「自分が感じている痛みと他人が感じている痛みって違うんだろうか…」と盛り上がりました。皆さんの「強烈な痛みを感じた出来事」は何ですが?私の痛みエピソードベスト3は、小学生の頃に勢い余ってカッターで指をざっくり切ったこと(2回)、部活動中に同期が壁打ちしていたボールが跳ね返って小指の骨が欠けたことです。小指の骨が欠けたときは、アドレナリンが出ていたので包帯を巻いてその後も部活をしていました(今思うと恐ろしいですね)。今回は痛みについて知識をまとめなおしてみたので、お話していきたいと思います。
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痛みは「刺激に対する感覚」と「情動体験」という2つの側面で構成されています。刺激に対する感覚とは、身体の内外で危険や器質的疾患によって生じる感覚のことです。例えば、壁の角に小指をぶつけて「痛い!」と感じるのがこれにあたります。一方、情動体験は、不安や嫌悪、恐怖など、感情が関与する部分です。たとえば、怪我をした際に「このまま血が止まらなかったらどうしよう」「悪化したらどうしよう」と不安や恐怖を感じるのがこの情動体験です。
痛みには「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」など、いくつかの種類があります。
3ヶ月以上続く痛みを「慢性疼痛」と呼びます(3か月未満の痛みは急性疼痛と呼びます)。神経障害性疼痛や痛覚変調性疼痛(心因性疼痛)は、その性質上、慢性疼痛に発展するケースが多くなりがちだと言えます。先述の通り、痛覚変調性疼痛(心因性疼痛)は、中枢神経が平時の働きとは異なる反応をするようになるメカニズムが想定されています。中枢神経が敏感になることによって脳自体も痛みシグナルを感知しやすい状態になる結果として、痛みが長期間続くことがあります。痛みが長期間が続くことによって、過去の体験や思い込みが痛みの認識(認知)に影響を与え、痛みがさらに悪化する場合があります(慢性疼痛と対処方法についてはこちら:精神科医監修|なかなか治らない痛みに慢性疼痛の認知行動療法)。
病院では、痛みのレベルを客観的に評価するために、いくつかの基準を用います。同じように「痛い」と訴えていても、その痛みの原因や強さ、期間などが異なることがあるため、以下のような項目を基に痛みを評価します。
“痛みは情動反応である”とまとめられることもあるように、痛みの知覚(更に言えば痛みの体験)は個人差が大きく、気分、状況によっても大きく左右されます。そのため、痛みの感じ方には「閾値」と「耐性」という概念があります。
参考文献
【執筆】 かなた(公認心理師・臨床心理士) 今回は痛みについてお話していきました。みなさんも周囲の方と痛みについてぜひお話してみてください。違いや共感できる部分が見つかって面白いかもしれません。
【監修】 本山真(精神科医師/精神保健指定医/日本医師会認定産業医/医療法人ラック理事長) 2002年東京大学医学部医学科卒業。2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニック開院。2016年医療法人ラック設立、2018年には2院目となる綾瀬メンタルクリニックを開院。 |