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タグ : ぶち(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス
2026年3月20日

目次
皆さんは、寝る前や時間があるときに、不安や心配が止まらなくなることはありませんか?そんなとき、「自分が心配性だから」「性格の問題だ」と、自分を責めてしまうことはないでしょうか。
実は、不安になったり心配したりすることは、性格だけで説明できるものではありません。それは、脳の機能として誰にでも起こりうる自然な反応なのです。
本コラムでは、人が不安や心配を考え続けてしまう仕組みを脳の観点から整理し、不安な気持ちとの付き合い方についてお伝えしていきます。
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脳には扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる部位があり、未来の危険を先回りして察知し、不安という「警報」を鳴らす役割を担っています。危険がない状況でも「もしも」を想定して不安になるのは、人が生き延びるために備わった大切な機能です。
しかし、この扁桃体が過剰に働き続けると、警報が鳴りっぱなしの状態になり、不安が長時間続いてしまいます。本来、この働きを調整するのが前頭前野ですが、疲労やストレス、睡眠不足などによって前頭前野の機能が低下すると、不安を抑える力が弱まってしまいます。
また、「静かな時間ほど不安が強くなる」という経験はありませんか?人の脳は、何もしていないときや休んでいるときにも、過去や未来について考え続ける性質があります。この状態はデフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれています。
何かに集中しているときは不安を感じにくい一方、時間に余白ができると考えが止まらなくなるのは、脳が休憩中も思考を続けているためなのです。

不安を感じやすい気質と、脳の一時的な反応は、厳密には別のものです。ただし、感受性が高い人は危険察知も鋭い傾向があり、両者が重なって見えることもあります。
重要なのは、「性格が悪いから不安になる」「脳の反応だから無視すればいい」と極端に考えないことです。不安は気質と脳の働きが重なって生じるものだと理解しておくことで、自分を過度に責めずに済みます。
不安に振り回されているとき、「自分は弱い」と感じてしまうかもしれません。しかしそれは、むしろ大切なことに真剣に向き合っている証拠でもあります。
不安を完全になくそうとするよりも、適切な距離を取ることが重要です。以下に、日常で取り入れやすい方法をいくつか紹介します。
不安や心配が止まらなくなったときは、「今は不安のベルが鳴っているだけだ」と言葉にしてみましょう。言語化することで、頭の中で渦巻いていた思考に区切りがつき、「これは自分そのものではなく、脳の反応だ」と一歩引いて捉えやすくなります。
深呼吸をする、足の裏の感覚を感じる、周囲の音や香りに意識を向けるなど、身体感覚や外界の情報に注意を移すことも有効です。不安は思考だけでコントロールするのが難しいため、身体を通じて注意を切り替えることで、自然と距離を取ることができます。
不安が強いときは、「今すぐ答えを出さなければならない問題」を抱えていることが多いものです。しかし、「これは今すぐ解決しなくてもいい」と自分に許可を出すことも、大切な対処法です。先延ばしではなく、今に意識を戻す選択をすることで、不安による食欲低下や不眠が和らぐこともあります。
【監修】 本山真(精神保健指定医/日本医師会認定産業医) 東京大学医学部卒業後、精神科病院、精神科クリニックにおける勤務を経て、2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニックを開院。メンタルヘルスサービスのアクセシビリティを改善するために2019年株式会社サポートメンタルヘルス設立。 【執筆】 ぶち(臨床心理士・公認心理師) 不安は「排除すべきもの」ではなく、自分を守るための自然な反応です。不安になりやすい人も、そうでない人も、その仕組みを知ることで、自分への見方は大きく変わります。 不安が止まらなくなったときの対処法をあらかじめ持っておくことで、つらくなる前に距離を取ることが可能になります。「不安とうまく付き合う力」は、後天的に身につけることができるものです。 |