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2026年10月義務化目前|“カスハラ”と“就活ハラ”はついに企業の経営課題になる

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2025年12月12日

【義務化目前】2026年10月から始まる「カスハラ」「就活ハラ」対策。企業が今すぐ着手すべき理由とは

2026年10月、いよいよ「カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)」と「就活ハラスメント(以下、就活ハラ)」への対策が、企業の義務として明確化される見通しが強まっています。すでに厚生労働省は個別の指針改定案を進めており、パワハラ・セクハラ・マタハラと同列に「企業が講ずべき措置」が示される流れが固まりつつあります(参考:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!)。

しかし、多くの企業はまだ「2026年10月」というタイムラインを十分に意識していません。むしろ、以下のような声を聞くことの方が多いのが現状です。

  • カスハラはサービス業だけの問題だと思っていた

  • 就活ハラはうちの会社には関係ない

  • パワハラ対策の延長で対応できるのでは

実際には、どれも誤解と言わざるを得ません。

カスハラ・就活ハラは、2026年10月以降に「事後対応では間に合わない領域」として位置付けられるため今からの準備こそが最大のリスクヘッジになります。

 

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カスハラは「一部の悪質客」だけの問題ではない


カスハラは、暴言・威嚇・過度な要求といった明らかな迷惑行為だけを指すわけではありません。

むしろ、“過剰な感情労働による消耗”が業種を問わず起きていることが特徴です。

たとえば、

  • BtoB企業における過度な値引き要求

  • 採用企業への理不尽なクレーム

  • サービス開始後の逸脱した追加要求

これらはすでに「カスハラ」の定義に含まれ得る行為です。

2026年10月以降は、企業側に“従業員を守るためのルール整備”が求められます。

具体的には、

  • 対応方針・禁止事項の明文化

  • エスカレーションラインの設定

  • 従業員教育

  • 外部相談窓口の設置

これらを「義務化に向けた最低限のセット」として用意する必要があります。

就活ハラは“採用の文化”が問われる時代へ


就活ハラは、採用の場で企業のパワーバランスを悪用した行為を指します。

よく知られる例だけでも、

  • 入社強要

  • 不適切な個人情報の質問

  • 断れない状況での拘束的行為

  • 過度な選考辞退阻止

これは「倫理」の問題に留まりません。企業ブランド・定着率・労務リスクに直結する経営課題です。

企業は、2026年10月以降、

  • 採用過程の透明化

  • 面接官教育

  • 不適切行為の記録と改善

  • 外部相談窓口の活用

といった「仕組み」としての予防策が求められます。

義務化が始まると何が変わるのか


最も強調したいのは、“義務化された途端、相談件数は確実に増える”という点です。これは、パワハラ対策義務化(2020年)で実際に起きた現象でもあります。企業が「相談してもよい」と公式に掲げた瞬間、従業員の行動は変わります。

よくある誤解に、「ルールを作るとクレームが増えるのでは」というものがありますが、正確には“顕在化するだけで、もともと存在している問題が表に出るだけ”です。

むしろ、早めに整備した企業ほど、

  • トラブルの初期で発見できる。

  • 訴訟や離職を未然に防げる。

  • 組織の安全文化が強化される。

という明確なメリットがあります。

今から半年〜1年の準備が「差」になる


2026年10月の義務化に間に合わせるには、逆算すると2025年度内の整備が現実的なリミットです。

特に中小企業においては、

  • 人事部が少人数

  • 採用・労務・研修を兼務

  • 相談対応を担当する専門家不在

といった構造的な制約があります。

義務化直前にまとめて対応しようとすると、ルール作成 → 研修 → 通達 → 運用 → 相談体制、という一連の流れを数か月でこなす必要があり、ほぼ不可能です。

だからこそ、今の段階で“できるところから手を付ける企業”が勝つと言えます。

外部機関を活用する企業が増えている理由


各社の支援に入る中で、最近顕著なのは、「社内だけで完結させない」という判断をとる企業が増えていることです。

背景として、

  • 相談の専門性が高く、担当者の心理的負担が大きい

  • 事実関係調査に法的知識が必要となる

  • 採用・労務の兼務体制では運用しきれない

  • エスカレーションを社内だけで回すと軋轢が生まれる

  • 第三者の客観性を入れることで従業員の信頼が得られる

これらの理由から、外部相談窓口や外部調査体制をセットで検討する企業が急増しています。2026年10月以降は、さらにこの流れが加速すると見込まれます。

お問い合わせは義務化直前ではなく、「準備期間」に集中する


パワハラ義務化の際もそうでしたが、企業からの問い合わせが最も集中するのは、“義務化の直前ではなく、その半年〜1年前”です。

理由は明確で、

  • ルール作成や研修を前倒ししたい

  • 相談体制を整えておきたい

  • 監査や評価に備えたい

  • 他社との差別化を図りたい

今回のカスハラ・就活ハラも同じ道筋を辿ることが確実です。つまり、2025年〜2026年の早い段階で準備に着手した企業こそ、義務化の波に飲まれずに済むということです。

最後に。2026年10月を“負担”ではなく“組織文化を整えるチャンス”に


カスハラ・就活ハラの義務化は、単なるコンプライアンス対応ではありません。

企業にとっては、

  • 従業員を守る仕組みづくり

  • 採用の透明性向上

  • 社会的信頼の獲得

  • 離職防止

  • 組織文化のアップデート

を同時に達成する絶好の機会です。

2026年10月は「迫ってから対応する」のでは遅い領域です。むしろ、今動くことで、“義務化と同時に評価される企業”になることができます。

当社では、

  • 外部相談窓口

  • 価値観差・文化差への研修(アンコンシャス・バイアス研修)

  • 就活ハラ防止研修

  • 企業向けのルール整備サポート

  • 必要時の弁護士提携による調査体制

をワンストップで提供しています。

制度化に向けた準備のご相談は、早い段階からお気軽にお寄せください。

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