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【医師監修】企業のメンタルヘルス対策~未来の休職者を防ぐための4つのポイント~

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2020年5月28日

更新:2020-07-25

<休職とメンタルヘルス不調>

医療機関で働いていると、休職に必要な診断書をご希望される患者さまによくお会いします。

症状が改善するまでお仕事を休み、しっかりと休養を取ることができるという環境は、労働者にとっては安心・安全が保障されているとても良い環境です。

日々ストレスや疲労を抱えながら働く身としては、この上なくありがたい制度です。

 

しかし一方で、このありがたい休職制度によって頭を抱えている方々がいることも事実です。

休職者が増えることで、人材定着や企業の生産性の課題も生じるのです。

管理職や人事担当など、会社を回す立場にある方々にとっては、ありがたい反面、悩ましい制度でもあるのです。

近年増加傾向にある休職理由として、うつ病や適応障害といったメンタルヘルス不調が挙げられます。

厚生労働省の統計データによると、約20%の事業所(従業員が50名以上)で『メンタルヘルスの不調による休職者が2名以上いる』と回答しているそうです。

また、約10%の事業所で、『メンタルヘルスの不調による退職者が2名以上いる』と回答しているそうです。

 

「うちの会社は大丈夫!」とお思いの方、

1年後、5年後、10年後はいかがでしょう?

 

あなたの同僚や部下、あるいはあなた自身がメンタルヘルスの不調をきたしている可能性も十分あります。

実際に休職されている患者さまのお話しを伺うと

「まさか自分がうつ病になるとは思わなかった」

「メンタルの問題とは無縁だと思っていた」

とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

 

メンタルヘルスの不調は、どのような人にとっても隣り合わせなのです。

このように、個人にとっても、会社にとっても非常に厄介なメンタルヘルス不調ですが、実は事前に予防することが可能なのです!

今回は未来の(メンタルヘルス不調による)休職者を予防するために、今からでも取り組むべき4つのポイントについてお話します。

 

<ポイント1:メンタルヘルス不調について知る>

メンタルヘルス不調と聞くと何が思い浮かびますか?

多くの方はうつ病、自律神経失調症、パニック障害などが思い浮かぶのではないでしょうか。

 

最近はこのような病と闘っていることを告白する著名人が増え、みなさんにとっても身近な“心の病”として認識されるようになりました。

確かにこれらの疾患や症状はメンタルヘルス不調の一種です。

しかし、“メンタルヘルス不調=疾患・症状”ではありません。

 

例えば…

  • 「最近TVを見ても内容が頭に入らない」
  • 「趣味を楽しめない」
  • 「寝ているはずなのに眠い」
  • 「些細なことで怒ってしまう」

 

こういった日常生活の中でよく生じること、きわめて些細なことのように思えるようなことでも、メンタルヘルス不調に含まれるのです。

  • 「なんだかうまくいかない」のは自分の努力不足ではないかもしれない
  • 「上司がムカつく」のは上司が悪いわけではないかもしれない
  • 「疲れがとれない」のは体の疲れだけが原因ではないのかもしれない

もしかすると“心が疲れ始めているサイン”なのかもしれません。

 

このお話しを患者さまにすると、「えっ、こんな些細なことでも?」と驚かれると同時に、「確かに今思うと、あの時はちょっとつらかったかもしれない」という声をよく耳にします。

このように意外と知られていない“不調のサイン”を知ることが、メンタルヘルス不調の予防の第一歩です。

 

まずは、どういう症状が“不調のサイン“なのかを知るところから始めましょう。

この”不調のサイン“ですが、人によってこのサインの現れ方は異なります。

自分の場合疲れてくるとどのように不調のサインが現れるのかという振り返り(セルフモニタリング)を、従業員それぞれが出来るようになる必要があります。

「そんなの簡単だ!」と思うかもしれませんが、意外とこれが難しいのです。

長年連れ添ってきた自分の心と体、何が普通で何が普通じゃないのか、意識的に目を向けないとなかなか気づかないことがたくさんあります。

はじめのうちは研修や面談を利用し、専門の知識を持ったスタッフと一緒に振り返りの練習を行うことがおすすめです。

 

<ポイント2:メンタルヘルス不調予備軍を見つける>

“知る”ことができたら、次はポイント1で得た知識をフル活用して、“不調者予備軍”を早めに見つけましょう。

ここで大事なのは“不調者”ではなく“不調者予備軍”であることです。

 

“不調者予備軍”とは

「このままほうっておくと不調になる!」

「今のところ業務に支障はでていないが、本来の力が発揮できていない」

「なんだか最近元気ない?」

“不調というほどではないけど、100%元気ではない”という状態のことです。

 

不調者は症状が顕在化していることが多く、比較的容易に見つけることができます。

例えば、欠勤、遅刻、早退、体調不良、普段はしない様なミスをしてしまうなど、周囲も本人も異変に気付きやすいようです。

 

医療機関にかかっている方は、このような異変に自身、あるいは周囲が気付くことで受診に至るというケースが多いのです。

このように、不調者は容易に気づくことができますが、気づいた時にはすでに休職が必要な状態になっていることがほとんどです。

つまり、不調者になってから気づくのでは時すでに遅しな場合も…。

 

予防という観点では、不調者に至る前の不調者予備軍の段階で見つけることが肝となるのですが、不調者予備軍はいかんせんとても見つけにくいのです。

なぜなら、その人自身でさえも自分の異変や不調のサインに気付いていないことが多いからです。

この不調者予備軍たちを早く、正確に見つけるためにはどうしたらよいのでしょう。

一人一人と面談する時間も労力もないし、業務が忙しいからそこまで手が回らないというのが現実だと思います。

そこで、不調者予備軍たちを見つけるための便利なツールが、“ストレスチェック”です!

一度は聞いたことがあるかと思います。

ストレスチェックについては下記ブログをご参照ください。

 

このストレスチェック、非常に便利なツールなのですが、実際に実施しようとなると

「なにそれ、どうやるの」

「そんなのやってる暇ないよ」

「やってみたけど、結果をみてもよくわからない」

という残念な結果に繋がってしまうこともあります。

 

ストレスチェック実施者養成研修というものがあるくらいですので、メンタルヘルスの専門家からみても、ストレスチェックの活用は簡単ではありません。

ましてや、通常業務を行いながらストレスチェックも行うとなると、会社側には相当なコストを要することでしょう。

とはいえ、このツールをうまく活用できると、かなり効率的に不調者予備軍たちを見つけることができます。

さらに、不調者やその予備軍たちの発生を防ぐという点でも役立てることができるので(詳しくはポイント4にてお話しします)メリットだらけなのです。

ストレスチェックを効率よく、上手に活用するのであれば、専門の業者への委託がおすすめです。

弊社では、ストレスチェック実施者養成研修を受講した専門スタッフが、ストレスチェックの実施から、分析までをワンステップでサポートいたします。

 

<ポイント3:メンタルヘルス不調者へと対処する>

“不調のサイン”を知ることや、“不調者予備軍を早期に発見すること”ができたら、実際に対処していく必要があります。

少し休んで気分転換してみる、誰かに相談してみるなど、自分で対処できるレベルの不調もあれば、中には当事者ひとりでは対処が難しい場合もあります。

また、不調に気が付いても、どのように対処したらよいかわからないという方も多いことでしょう。

不調の生じ方や原因によって、ベストな対処法は異なります。

誤った対処法を行うと、不調が改善されないどころか、最悪の場合悪化してしまうこともあります。

<ポイント3:対処する>では、専門スタッフと連携して行っていくことで、より対処法の幅が広がり、ベストな対処法に繋がりやすくなると考えます。

また、専門スタッフとの連携により、対処法として役立つ制度についての情報提供や、制度利用に際した手続きのお手伝いなども可能です。

専門スタッフが一方的に対処法を提案し、勧めるのではなく、あくまで“一緒に対処法を探す”のです。

その際に、対処するコツや技術が身に付き、今後同様のケースに遭遇した際に活かすこともできます。

もちろん、1回や2回で対処するコツや技術が完全に身につくわけではありませんので、より効果的に利用するのであれば、継続的に専門スタッフからのフォローを得ることをお勧めします。

弊社は、オンラインを媒体としているため、時間や場所に限らず、困ったとき・必要な時に迅速なフォローが可能です。

 

<ポイント4:メンタルヘルス不調を変える>

メンタルヘルスの不調を生じさせる要因は様々です。

人間関係、業務内容、業績、経済面、家庭のこと等々、人によって異なります。

これらの中でも特に働く人々にとって最も身近にある要因は、ずばり職場環境でしょう。

例えば、業務の割り振り方、業務の進め方、コミュニケーションの取り方、会議の進め方等も職場環境に含まれます。

また、デスク配置や休憩室や社員食堂の充実など、施設管理という面も含まれます。

 

以前ワイドショーで見たのですが、某テーマパークでは、スタッフのメンタルヘルスやモチベーション向上を目的に、社員用トイレを某テーマパークのメインキャラクターモチーフに改築したそうです。

その結果、従業員からも好評で、その年の社員満足度が上がったそうです。

 

このように、一見すると意外な点でも“変える”と、思わぬ効果を発揮するのです。

では実際に、どこをどのように“変える”とよいのでしょう。

 

答えは「わかりません」(身も蓋もありませんが次をお読みください)

 

どこをどのように変えるとよいのかは、個々の会社によって異なります。

どこをどのように変えるとよいのかを知るためには、まずは会社の現状や課題を知る必要があります。

 

その際に便利なツールが、先ほども登場したストレスチェックです。

ストレスチェックは、個々の従業員のメンタルヘルス不調の早期発見という点だけでなく、会社の現状や課題を知るうえでもとても役立つのです。

具体的には、ストレスチェックのデータを分析することで、「ここをもっとこうしたほうがよい!」という具体的な対策に繋がりやすくなります。

きちんと従業員から得たデータに基づいているため、その会社の雰囲気や特性を踏まえたうえでの、ベストな対策が見つかるというわけです。

やはり、便利ですよね、ストレスチェック。

 

<最後に>
この4つのポイント以外にも、今からでもできることはたくさんあります。

しかし、会社だけで、あるいは管理職だけでなんとかしようとするのは実際問題かなり負担が大きいと予想します。

それではむしろ管理職もメンタルヘルス不調をきたしかねません。

そのような時は、弊社を利用してみてはいかがですか。

この記事で述べた研修やストレスチェック、従業員への面談など、ワンストップでサポート致します!

未来の(メンタル不調による)休職者を防ぎ、一緒に会社をより盛り上げていきませんか。

 

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記事監修:本山真(医師・精神保健指定医・産業医)
執筆:akiko(公認心理師・臨床心理士)

 

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