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タグ : ぶち(公認心理師・臨床心理士) , メンタルヘルス
2026年5月1日

皆さんは日常でふと涙が出ることはありませんか?
例えば映画を観たり音楽を聴いたりして感動した時、職場で指摘を受けた時、大変なことを乗り越えて安心してほっとした時などです。特に精神面が疲れていると、泣きたくない時にも涙が出てきてしまうことがありませんか?
このような、泣きたいわけではないのに涙が出ることは多くの人が経験することで、「心の弱さ」を示すものではありません。涙にはちゃんと役割があるんです。
今回はその役割について紹介していこうと思います。
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涙には大きく分けて3つの種類があります。
この中でも情動性の涙は人間特有のもので、悲しい時や悔しい時、嬉しい時に流す涙です。強い感情が生じた時、私たちの脳と自律神経は大きく揺れ動きます。そのとき、涙を流すことによって興奮した神経は鎮められ、体内のバランスも整えられます。
身体の緊張がほぐれて、落ち着きを取り戻すというように、涙は生理的なリセットボタンのような役割も担っているのです。
涙にはいくつかの心理的機能があるとされています。
1つはカタルシス効果です。
感情を外に出すことで心が軽くなったり、すっきりすることはありませんか?涙を流すことで交感神経が優位な状態から副交感神経が優位になる、つまり落ち着く状態に移行すると考えられています(関連項目:泣くとスッキリするメカニズム|公認心理師がカタルシスの意味をわかりやすく解説)。

もう一つは感情を調節する機能です。
涙は悲しい時だけ出るものではありません。何かを達成したり、感動したりした瞬間にこみあげてくる「嬉し涙」もあれば、悔しさや無力感で出る涙もあります。
このような溢れる気持ちを、涙を流すことで少しずつ外へ出していき、思考や感情が整理されます。つまり、涙は感情の暴走を抑えるためのブレーキとして働くこともあるのです。
涙を流すことは、自分の心の中だけにとどまらず、他者に気持ちを伝える非言語的なサインとしての働きも持っています。
例えば、泣いている人を見た時、多くの人は「助けたい」「寄り添いたい」と感じます。ある研究でも、涙を見た他者は「共感」や「援助行動」を示しやすいことが分かっています。
涙は、「困っている」「心が動いている」というメッセージとしても機能しているのです。言葉にできない時でも、涙が心の状態を伝える役割を果たしてくれます。
また、職場等で涙を堪えられないと、泣いてしまった自分を責めたくなるかもしれません。しかし、涙が出るのは真剣に向き合っているからこそです。何か指摘を受けて悔しかったりショックを受けたりするのも、受け止めようと思う気持ちがあるからだと思います。涙はその強い感情が表れたもので、心が正直に反応している証拠です。
こういう涙については「今の出来事はここまで自分に響いたんだ」と受け止め、自分の感情を理解するきっかけにすることができます。
参考文献
【監修】 本山真(精神保健指定医/日本医師会認定産業医) 東京大学医学部卒業後、精神科病院、精神科クリニックにおける勤務を経て、2008年埼玉県さいたま市に宮原メンタルクリニックを開院。メンタルヘルスサービスのアクセシビリティを改善するために2019年株式会社サポートメンタルヘルス設立。 【執筆】 ぶち(臨床心理士・公認心理師) 涙は恥ずかしいものでも、隠さなければならないものでもありません。むしろ感情を調整し、人と人とを繋げるための大切な生理的・心理的反応です。 「泣いてしまった自分」は感情に正直で、心がちゃんと反応できている証拠です。これは弱さではなく、人間としての機能がきちんと働いているサインなのです。まずは泣くことを責めるよりも、今心が動いているんだな、と受け止めてあげてみてはいかがでしょうか。 涙を捉えなおすことで、ご自身の感情とも、周囲の人の感情とも、少し優しく付き合えるかもしれません。 |